ボードゲームの人気ゲームジャンルの1つに「競りゲー」というジャンルがあります。
「競りゲー」とは、簡単に言えばオークションをお題としたゲームです。現実のオークションのように、ある商品を欲しがっている人達が自由に値段をつけて、一番高い値段をつけた人が落札できるようなゲームシステムになっています。
このような「競りゲー」は、他のプレイヤーとの駆け引きが魅力的な要素です。テレビゲームでは味わえないボードゲームならではの面白さを体験することができるでしょう。
今回はそのようなオススメの「競りゲー」をご紹介します。ぜひ興味がありましたら、遊んでみて下さい。
ランキング
10位:「酔いどれ猫のブルース」
プレイ人数:2人〜6人
プレイ時間:約30分
対象年齢:10歳以上
2人からできるカジュアルな競りゲーです。
プレイヤーは楽器が得意なかわいい猫を4匹集めて、音楽グループとしてデビューさせていくのが目的になります。
ゲーム自体は競りゲーの要素をぎゅっと凝縮させ、単純化したような感じです。場に出てくる猫のカードを、自分の手札の猫カードをお金代わりに支払い、オークションを行っていきます。
一見非常に単純なゲームに見えますが、対価にもなる手札の猫カードは、同じ数字の猫カードを4枚集めていく必要があります。つまり、何の数字を捨てて何の数字を得ていくかを考えていくことがこのゲームでは重要です。
思わず調子に乗って、必要以上の対価を支払ってしまうこともあるでしょう。そうした微妙な勝負所を考えながらオークションをしていきます。
また、どんな数字にも変わることができるジョーカー的な役割をするカードもありますが、これは最後にジョーカーを一番多く所持しているプレイヤーは減点となってしまうので、便利な反面デメリットもあるのも悩ましいです。
以上のように、「酔いどれ猫のブルース」は、シンプルながらも競りゲーの魅力であるジレンマを楽しむことができるボードゲームとなっています。
9位:「ファフニル」
プレイ人数:2人〜4人
プレイ時間:約20分
対象年齢:9歳以上
コンパクトで簡単ながら深い読み合いを楽しむことができる競りゲーです。
プレイヤーはファフニルという宝石を生むニワトリから、より価値の高い宝石を手に入れることを目的としたゲームになります。
宝石の価値は常に変動しており、最終的にどの宝石が高い価値をもつのかを予測するのは難しいです。その上、宝石を手に入れるには手持ちの宝石を捨てなければなりません。これが、他の競りゲーとは大きく違う点です。
プレイヤーが所持している宝石は非公開となっているので、誰がどの宝石を狙っていて、どの宝石を所持しているかの読み合いが白熱します。
スタンダードな競りゲーの内容ですが、上記の要素によりプレイヤー同士の読み合いをさらに洗練させたかのようなゲーム内容となっています。
競りゲーも読み合い要素も好きなボードゲーマーにとっては必見の作品かもしれません。コンパクトでルールが簡単なのも魅力的ですね。
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8位:「翡翠の商人」
プレイ人数:2人〜5人
プレイ時間:約20分
対象年齢:10歳以上
簡単ながらも競りゲーの魅力が詰まったようなボードゲームです。
プレイヤーは商人として様々な商品を集めてお金を稼いでいきます。競りゲーの中でも王道なシナリオですね。
ゲーム自体は非常にシンプルな内容です。プレイヤーは場に並べられた様々な商品カードを何枚獲得するかを宣言していきます。宣言する枚数は小さい数字になるほど強く、最後の1人以外がパスを宣言するまで競りを続けるのです。
カードを何枚取るかを宣言するところが、他の競りゲーとは違った要素ですね。
競りで獲得した商品カードはそれぞれ勝利点となる得点の計算方法が違い、組み合わせによっては高得点となるものがあります。
場のカードが全て無くなったらラウンド終了。ラウンドは全部で7回となります。
欲しいカードを優先すると、獲得できるカードの枚数自体が減ってしまう。このように「獲得したいカード」と「獲得できるカードの枚数」どちらを選択していくかがジレンマとなっています。どの商品カードを組み合わせていくのかも戦略性があって面白いです。
カジュアルながらも競りゲーの面白さはしっかりと抑えていて、競り要素には従来の競りとはちょっと違うアクセントが加えられた競りゲーかなと思います。
7位:「ゲシェンク」
プレイ人数:3人〜7人
プレイ時間:約20分
対象年齢:8歳以上
「ゲシェンク」はカードを使った非常にシンプルな競りゲーです。
競りゲーお金や宝石、物品などで様々なコンポーネントが同梱されているものが多いですが、「ゲシェンク」は数字が描かれたカードと少しのチップだけで構成された非常にシンプルな内容となっています。
他の競りゲーとは違って、勝利点は加点式ではなく減点式なのも面白いところです。富を築いていくといった感じのゲームではなく、相手にでかいマイナス点カードを押し付けたり、自分のマイナスを少なくするのがメインとなっています。あえて言えば逆競りといったところでしょうか。
プレイヤーは1枚ずつカードが中央に出され、そのカードを取るかチップを出して取らないという選択をしていくのです。出したチップは場に蓄積され、カードを取る選択をした時に蓄積されたチップを獲得します。
つまり、うまいタイミングでチップを獲得しながら自分の減点を可能な限り減らしていくことが肝です。どのタイミングでどのカードを獲得してマイナスを引き受けるのか、チップはどこまで出すかといったジレンマに悩まされます。
若干運要素が強く感じられますが、非常に手軽で簡単に遊べるゲームなので旅行の時に持ち出すゲームなんかにオススメですね。
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6位:「ビブリオス 中世の写本師」
プレイ人数:2~4人
対象年齢:10歳以上
プレイ時間:30分
名作ボードゲーム「ドミニオン」のようなデッキ構築と、競りゲー要素を組み合わせたかたのような中型ボードゲームです。デザインが本のような形をしていてオシャレですね。
プレイヤーは中世の写本師となり、貴重な蔵書を複製していくのが目的です。
ゲームは前半と後半に分かれており、前半は山札のカードを選んで後半に使用するデッキと全員で使用する山札を構築していきます。そして後半は、前半で構築した山札を手札にして、出されるカードを落札していくといった内容です。
このゲームには5種類の本のカードがあるのですが、後半戦後に一番その種類別に最も多くの点数を稼いだプレイヤーが、その種類の勝利点を手にすることができます。
要するに、前半で相手の集めているカードを推測しながら自分のデッキを構築して、後半戦でオークションで勝てそうな種類のカードを集めていくといったゲーム内容です。
簡単ながら非常に戦略性に富んだゲーム内容になっているだけでなく、単なる競りゲーに留まらずにデッキ構築の面白さも組み合わせた意欲的な競りゲーとなっています。
他の競りゲーと比べるとちょっと変わっているかもしれませんが、実際に遊ぶとその戦略性の高さがとてもおもしろく感じました。デザインがオシャレなのもいい感じです。
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5位:「ラー」
プレイ人数:2人〜5人
プレイ時間:約45分〜60分
対象年齢:12歳以上
競りゲーの中でもかなりの重量感と存在感を放つのが、クニツィアが開発したこの「ラー」というボードゲームです。
プレイヤーは古代のエジプトで太陽神ラーのために、自らの名声と富を築き上げていくことが目的となります。そのために文明を興したり、モニュメントを建設していく壮大な競りゲーです。
「ラー」のゲーム内容は、競りゲーと麻雀のような役集めを組み合わせたようなものとなっています。競りをしながら得点となる役のタイルを集めていく感じのゲームです。役集めも面白いですが、なによりも注目すべきところは競りの要素でしょう。
だいたいの競りゲーは、相手の所持金や出すお金が非公開となっていますが、「ラー」では全て公開されているのです。このルールにより、プレイヤー同士の読み合いが非常にシンプルで白熱したものとなっています。
自分が集めているタイルをいかに手に入れていくか。単純に高い数字を出して、狙ったタイルを集めていくのでは間違いなくうまくいかないでしょう。あんまりがめつくと、すぐに他のプレイヤーに阻止されてしまうのです。そのため、みんなが集めていないようなタイルで役を作ったりするなど、タイルの取捨が重要になります。
ジレンマの連続とテンポの良いゲームシステム、そして豪華なコンポーネントが魅力的な競りゲーです。競りゲーが好きな方はぜひ1度は遊んでおきたい作品でしょう。
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4位:「ハイソサイエティ」
プレイ人数:3人〜5人
プレイ時間:30分〜45分
対象年齢:10歳以上
「ハイソサイティ」はカードだけを使用した軽量系ボードゲームにもかかわらず、非常に高いクオリティをもった競りゲーです。
プレイヤーは資産家となり、より贅沢な嗜好品を買い求めるのがゲームの目的となります。軽量系ですが、エッジの効いたルールがありシビアなジレンマを体験することができるでしょう。
例えば、ゲーム終了時に所持金が一番少ないプレイヤーは問答無用で失格となってしまうところ。このルールにより所持金の管理は非常に重要な要素となっているので、うかつに嗜好品をバンバン購入することは破滅を意味します。逆にこのルールを利用して、相手に無駄に多くのお金を払わせるといったこともこのゲームでは可能です。
他にも減点となってしまうカードを買わざるをえない状況になってしまったり、どうしても欲しいけど所持金が・・・といったジレンマに悩まされます。
コンパクトながらも非常に奥が深く、1回1回の駆け引きがとても悩ましいです。
コンパクトな競りゲーを探している方は、ぜひこの「ハイソサイティ」を遊んでみて下さい。
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3位:「メディチ」
プレイ人数:2人〜6人
プレイ時間:約1時間
対象年齢:10歳以上
「メディチ」は、クニツィアによる傑作競りゲーの1つと呼ばれるボードゲームです。
15世紀の中世にプレイヤーは商人として活躍します。商人であるあなたは街に運ばれてくるたくさんの珍品を安く仕入れ、富を築いていくのが目的です。
他の競りゲーと似たようなところは多いのですが、目玉要素である競りの絶妙感が半端じゃありません。実際に遊ぶとわかりますが、非常に悩ましいジレンマを抱えており、付け値を決めるのにとても悩むはずです。
また、手に入れる商品をうまく選んでいけばボーナス点も獲得できるので、よく考えて商品を集めていくことも必要不可欠。安いけど種類を統一することでボーナス点を目指したり、点数の高いものを狙っていくかなど、悩ましい場面に多く遭遇します。
ルール自体は簡単ですが、実際に遊んでみるとその戦略性とゲームの奥深さにきっと驚くでしょう。初心者よりは競りゲーに少し慣れたようなプレイヤーが遊びやすいかもしれません。
ゲームの完成度が非常に高い競りゲーとなっていますので、競りゲーをより楽しみたいという方は、ぜひ「メディチ」を遊んでみて下さい。
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2位:「バザリ」
プレイ人数:3人〜5人
プレイ時間:約45分
対象年齢:10歳以上
あまり聞いたことのないかもしれませんが、「バザリ」は隠れた名作である競りゲーです。
プレイヤーは宝石商人となり、他の商人よりも価値ある宝石を集めて莫大な富を築くことが目的となります。
ぱっと見た感じだとよくありそうな競りゲーに見えるかもしれません。しかし、実際に遊ぶと競りゲーの中に様々なゲーム要素が組み込まれておりながら、ルールが非常にシンプルといった内容となっています。
競りの要素はもちろんあるのですが、それ意外にサイコロを使って市場のコマを進める双六的な要素。また、他のプレイヤーと同じアクションを選択するとそのアクションが実行できなくなるといったバッティングの要素などがあります。
さらには宝石を相手に渡して、アクションの実行権利を得られるように相手に交渉することもあります。プレイヤー同士の駆け引きもさらにパワーアップさせたかのようなゲーム内容になっているので、先の読めないゲーム展開も期待できますね。
様々なゲーム要素を兼ね備えた「バザリ」ですが、それでいてルールが非常に簡単なところも魅力的な点の一つです。ボードゲーム初心者から上級者まで楽しめる競りゲーだと思うので、ぜひ未プレイの方は遊んでみて下さい。
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1位「モダンアート」
プレイ人数:3人~5人
プレイ時間:45分~60分
対象年齢:10歳以上
「競りゲー」と言ったら絶対に外せない名作が、このクニツィアがデザインした「モダンアート」です。1992年に発表され、現代でも愛されている競りゲーの傑作と呼んでよいでしょう。
プレイヤーは絵画を売買する競売人です。4人の画家が描く絵画をオークションに出し、お金を手に入れ、価値が上がりそうな絵を購入していきます。
絵画の価値は、絵画ごとの人気によって変動していきます。一番市場に多く出回っている絵画が価値が高く、反対にあまり市場に出回っていない絵画には価値がつきません。
つまり、プレイヤーは出回っている絵画と他のプレイヤーの動向を考慮して、価値が上がりそうな絵画を購入していく必要があるのです。
そして競りゲーの目玉であるオークションにおける落札方法は、この「モダンアート」においては実に多彩な落札方法が存在します。テレビでみかけるような、全員が値段を宣言して、一番高い人が落札するといった王道的な方法もあれば、1回しか値段を宣言できないといった落札方法もあるのです。
相場が常に変化していて先が読めない面白さ、そして競りにおけるプレイヤー同士の読み合いと競りの種類の豊富さがゲームを盛り上げます。
競りゲーをやるならこの「モダンアート」は欠かせません。ぜひまだ持っていない方は、手にとって遊んでみて下さいね。
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まとめ
如何でしたでしょうか。
競りゲーと一口で言っても様々な要素を組み合わせたり、大型のもあればカジュアルな軽量型まで様々なサイズの競りゲーがあります。
競りゲーはテレビゲームでは中々味わえない、プレイヤー同士の駆け引きやオークションで値が段々と上がっていく白熱さが楽しめるでしょう。
まさにアナログゲームならではの面白さを体験できるので、ぜひ競りゲーでボードゲームの面白さを体験していただけたらと思います。