「ハイパーロボット」は巨匠ボードゲームデザイナーアレックス・ランドルフが作り上げた、名作ボードゲームです。
プレイヤーはロボットを駆使して、ロボットを目的地まで最短距離で移動させなければなりません。しかし動かすロボットにはある特徴があります。
ロボットの特徴をうまく利用して、他のプレイヤーよりも最短で目的地にロボットを移動させましょう。
基本情報
プレイ時間:2人〜99人
プレイ時間:10分以上
対象年齢:10歳以上
ゲームデザイナー:アレックス・ランドルフ
「ハイパーロボット」はどんなゲーム?
「ハイパーロボット」はロボットを指定した場所まで、最短距離で移動させるゲームです。
ロボットの移動にはルールがあり、ルール内でいかに最短距離のルートを示せるかを競うボードゲームとなります。
完全論理型のパズルのようなボードゲームであり、運の要素が全くないゲームです。
また、人数制限がなくプレイ時間も調整できる遊びやすいゲームでもあります。
ゲームの遊び方
ゲームの準備
・8枚ある内のゲームボードの中から4枚を選びます(裏表あり)。その4枚をセンターピースでつなげましょう。余ったゲームボードは使用しません。
*4枚のゲームボードつなぐセンターピース付近には色がついています。4枚すべて異なる色になるようにつなげましょう。
・17個あるターゲットチップ(赤、緑、青、黄各4種とうずまき)をよく混ぜ、裏側にしてゲームボードの脇に並べておきます。
・砂時計をゲームボードの脇に設置。
・プレイヤーは、4色のロボットをゲームボード上に任意に設置。
(*指定した場所ではなく、自由にプレイヤー達で決めます。その際、ゲームボード上にマークが記されていないところに置きましょう。)
・ロボットを置く場所を決めたら、各ロボットコマの下に各色の4角タイルを置きます。
以上でゲームの準備は終了です。
ゲームの目的
「ハイパーロボット」の目的は、ターゲットチップを獲得することです。
ターゲットチップを獲得するには、ゲームボード上に記されたターゲットチップと同じマークにロボットを最短手数で移動させなければなりません。
ロボットを最短手数で、ターゲットチップと同じマークが記されたゲームボード上の場所に、移動させる手順を考えましょう。
ゲームの流れ
お題の決定
ゲームボードの横に裏向きで置いたターゲットチップを1枚取り、表向きにしてセンターピースの上に置きます。センターピースの上に置かれたターゲットチップのマークが今回のお題です。
*お題となったターゲットチップの色とマークが記された場所にロボットを移動させることがゲームの目的です。
しかし、うずまきチップがお題となったら、プレイヤーはどの色のロボットをゲームボード上のうずまきマークに移動させても構いません。
ロボットの移動方法を検討
この段階ではロボットを実際にゲームボード上で移動させません。ロボットをゲームボード上で実際に移動させるのは、下記の項目に記載するルートの検証時です。
ルート検証までは、あくまで頭の中でロボットを動かし、移動回数を数えてください。
ロボットは、水平垂直に移動することができます。しかし、途中で壁や障害物(他のロボット)がないと止まれません。
そして、ロボットが壁か障害物に到達して止まるまでを、1回の移動とします。1回の移動が終わったら、次の方向への移動を開始させましょう。
ロボットは4色どれでも動かすことができます。お題となっているターゲットチップの色とは違う色のロボットでも障害物として利用しましょう。
ちなみに、他のロボットの動きも同じように1回の移動としてカウントします。
また、ロボットはターゲットチップのマークとなる場所には、最低1回は方向を変えなければなりません。1手で直接ターゲットに到達できる場合は、別のルートを取る必要があります。
色付きの斜めの壁について
4枚のゲームボードだけ色付きの斜めの壁があります。色付き斜めの壁は、ゲームにある程度慣れてから導入するのがおすすめです。
この色付きの斜めの壁は、斜めの壁に同じ色のロボットが到達した場合、斜めの壁で止まらずにそのまま通過することができます。
しかし、斜めの壁と違う色のロボットは通過できません。
もし違う色のロボットが斜めの壁に到達したら、ロボットの進路を直角に変更します。
例えば上の画像で説明すると、右側からロボットが移動し、斜めの壁に到達したら上側に移動させることになるのです。ロボットが止まる場所は上側に移動した後になります。
この時、斜めの壁に到達して直角に移動した分も含めて、1回の移動として移動数をカウントします。
例:上記の写真ですと青のロボットは、斜めの壁をそのまま通過することができます。仮に赤のロボット場合は、青い斜めの壁は通過することはできず、直角の方向に進行方向を変更しなければなりません。その場合、変更後の移動先まで移動した分が、1回の移動回数になります。
ルートの宣言について
頭の中でターゲットチップと同じマークの位置への手順と移動回数が分かったプレイヤーは、その移動ルートの手数を宣言しましょう。
手数を宣言したら、すぐさま砂時計をひっくり返します。
砂時計の落ちる時間は約1分。
その間にプレイヤーは宣言された手数よりも少ない手数を宣言することが可能です。最初に手数を発言したプレイヤーでも、何回でも手数を宣言できます。
最終的に、各プレイヤーが最後に宣言した数がそのプレイヤーの宣言となるのです。
ルートの検証
砂時計の砂が全て落ちたら、ルートの検証が始まります。
宣言時、最も少ない手数を宣言したプレイヤーのルートから検証開始です。
実際にロボットを移動させながら、移動回数を声に出して、宣言した手数でターゲットチップのマークまで到達できること証明します。
証明するプレイヤーが宣言通りの手数でロボットを動かすことを全プレイヤーに証明した場合、そのプレイヤーはセンターピースに置かれたターゲットチップを獲得できます。
もし、証明することができなかった場合は、全てのロボットを初期位置、つまり四角タイルの位置に戻しましょう。そして、次に小さい手数を宣言したプレイヤーが証明を開始します。
以上の流れを、ルートの証明ができるまで続けましょう。
しかし、誰も証明できなかったケースが稀にあります。その場合は、ターゲットチップを誰も獲得することができずに裏向きにして、他のターゲットチップと同じ場所に戻し混ぜましょう。
ルートの検証が終了したら1ラウンド終了。
新たにロボットと四角タイルを任意の場所に置き直し、新しいお題となるターゲットチップをセンターピースの上に置きましょう。
ゲームの終了
ゲームは、ターゲットチップを規定の枚数獲得したプレイヤーが現れたら終了です。
獲得する枚数は参加するプレイヤー人数によって違います。獲得する枚数は以下の通りです。
2人→8枚
3人→6枚
4人→5枚
5人以上→全てのターゲットチップがなくなるまで
*5人以上の場合は全てのターゲットチップがなくなり、プレイヤー間で一番多くのターゲットチップを持っているプレイヤーが勝利です。
銀ロボットについて
5つ目のロボットである銀ロボットと銀の四角タイルがこのゲームにはありますね。
この銀ロボットは、ゲームに慣れてきたら使用することを推奨します。銀ロボットは拡張ルールのようなものです。
銀ロボットは、他の色のロボットと同じように移動させ、障害物として使用することが可能です。
うずまきターゲットチップがお題になった場合は、銀ロボットをターゲットチップマークが記されている場所に移動させることも問題ありません。
感想:どんな人でも気軽に参加できる論理型ボードゲーム!
「ハイパーロボット」は運要素が絡まない、完全論理型のパズルボードゲームです。
ゲームの箱のサイズは大きいですが、ルールが非常に簡単で遊びやすいところが印象的でした。
さらに特徴的なところは、参加人数に上限がないところです。参加人数を気にしなくてすむボードゲームというのは、滅多にありません。そういう意味でも非常に遊びやすいゲームです。
「ハイパーロボット」は、頭で最短手数を考えるゲームなので、なんとなく周りでゲームを見ている人でも、気楽にすぐ参加できます。
例えば、ゲームに参加していない人でも途中で「やりたい!」と思ったらすぐにでも参加できます。次のお題から誰かのチームに入れたりすればいいだけです。そう考えると、ここまで都合の良いボードゲームはなかなかないですね。
「ハイパーロボット」は運が絡まない完全論理型ゲームですので、苦手な人と得意な人が結構別れるところだと思います。
しかし、何回か遊ぶごとで考え方の勝手がわかっていくはずです。例えば、ゴールから逆算して、どこに障害物を置けばゴールに到達できるなどを最初に考えて数をこなせば慣れていくと思います。脳をフル活用するボードゲームなので、頭の体操にもなりますね。
みんながなかなか答えを出せない状態で、ゴールへの手順が見つかると脳汁がめちゃくちゃでます。そのようなパズルゲームが好きな人には「ハイパーロボット」はとてもおすすめのボードゲームだと言えるでしょう。
論理的思考力を鍛えるという意味では、子供の教育という面でも大活躍しそうなボードゲームです。アレックス・ランドルフは「ドメモ」など、教育に役立ちそうなボードゲームが多いですね。
まとめ
「ハイパーロボット」は運要素が絡まない、論理的なパズルゲームです。
苦手な人と得意な人が分かれそうですが、難しいお題の手順を示せた時の快感はたまりません。ハマる人はとことんハマってしまうボードゲームです。
論理的思考力を深め、頭の体操にもなるボードゲームですので、子供にもおすすめ。ぜひ、パズルゲームが好きな方は「ハイパーロボット」を遊んでみてください。