高地地方で鷹の家と薔薇の家の2つの公家で紛争が勃発しました。
プレイヤーは両家の形勢を見極めつつ、褒賞を貰うためにどちらかの陣営に加勢します。
うまく立ち回り、褒章を貰うというボードゲームです。
基本情報
プレイ人数:3人~5人
プレイ時間:45分~60分
対象年齢:12歳以上
ゲームデザイナー:Marcel-Andre Casasola Merkle
フェレータはどんなゲーム?
「フェレータ」は2つの公家の中で紛争が勃発し、敵味方を変え、褒章を求めていくゲームです。誰が反逆しているのか、そして自分はいつ反逆するのかが最も重要となるゲームです。誰よりも多くの褒章を貰ったプレイヤーが勝利します。
ゲームの手順
ゲームの準備
各プレイヤーは自分の色を1色選び、その色の所属カード1枚と拠点カードを3枚受け取ります。
次に適当な方法で先番を決めます。そして先番になった人の前に初手番カードを置きます。
初手番のプレイヤーは所属カードを鷹の面が上になるようにします。これはその人が現在鷹の家の陣営に所属していることを意味します。
次にその初手番の左側のプレイヤーは薔薇の面を表にして所属カードを自分の前におき、さらにその左側のプレイヤーは鷹の面、さらに左側のプレイヤーは薔薇の面を表にします。
次に土地カードで場を作ります。
土地カードには戦いが起こる場所で、土地の種類や基礎戦力、戦いに勝った時の勝利点の表が記載されています。
土地カードは鷹と薔薇の陣営別に記載されていますが、これはその土地がどちらの勢力下にあるかを示します。
土地カードの並べ方は全部で12枚あり、これを6種類各1枚の組2つに分けます。その2つの組を、カードの表裏がひっくり返らないようにシャッフルし、円形に並べます。
並べ終えたら、初手番のプレイヤーから時計回りの順番で、まだ誰も拠点カードを置いていない土地を1つ選び、その土地カードの下に屋敷の面を上にして、自分の拠点カードを差し込みます。残りの拠点カードは自分の所属カードの下に入れておきます。
次に全ての兵站カードをシャッフルして、全員に3枚ずつ配ります。配られた兵站カードは手札となり、余った兵站カードは山札とします。
戦略カードと戦場カードは、初手番の左側のプレイヤーが受け取り、手元に置きます。
行動カードは6枚全てを伏せ、円形の土地カードの中心に置きます。
最後にスコアボードを見やすい場所におき、全員の色のマーカーをスコアトラック0のマスに置きます。これは各プレイヤーの得点を示すもので、勝利点を得るたびに自分のマーカーを進めます。また、ラウンドマーカーをラウンドトラックの1のマスに置きます。
これでゲームの準備は終了です。
ゲームの流れ
このゲームは複数のラウンドで構成されており、各ラウンドを同じ手順で繰り返します。
このゲームは土地をめぐる攻防戦です。同じ公家に属するプレイヤー同士が組み、相手陣営よりも多くの戦力を集める事が目的となります。その戦力が優位となった陣営が勝利します。
①戦場の決定
戦場カードを持っているプレイヤーが戦場を決めます。
いずれかの隣接する土地カード2枚を戦場として選び、そのカードの間に戦場カードを置きます。戦場を選ぶには条件があり、片方が鷹の家の勢力下にあり、もう片方が薔薇の家の勢力下になければいけません。
戦場カードがおかれた2つの土地で戦いが起きます。
②行動カードの選択
初手番のプレイヤーが行動カード6枚をよく切った後、一番上の1枚を中身を円の中央に伏せます。ラウンド中そのカードは見たりしてはいけません。
初手版のプレイヤーは5枚の行動カードを見て、1枚を選んで取ります。次に残った4枚の行動カードを左側のプレイヤーに伏せて渡します。
渡されたプレイヤーは同じように1枚カードを抜き取り、左側のプレイヤーに残りのカードを渡します。これを全員のプレイヤーが行い、終わったら残りのカードは中央に戻します。
③兵站カードの使用
初手番のプレイヤーから時計回り順に、手札から0~5枚の兵站カードを選び、これを自分の前に公開します。
出した兵站カードの数値は、今回の戦での自分の高家の戦力に加えられます。
④行動カードの公開
全員同時に自分の行動カードを公開します。その中で「反逆者」というカードを選んだプレイヤーはここで、その行動を実行します。自分の所属カードを裏返し、所属する公家を変更します。
⑤戦いの決着
行動カードで変更された後の所属にしたがって、鷹の家と薔薇の家の戦力をそれぞれ合計します。
計算はまず両陣営の土地カードに四角囲で記載された数字が、各陣営の基礎となる戦力です。これに、プレイヤーが出した兵站カードの値を加えます。
その後は行動カードで「外交家」を選んだプレイヤーがいる場合は、このカードの値を所属する陣営に加えます。
以上の計算の後、合計点が高い陣営の勝利となります。戦力が等しい場合は引き分けです。
⑥勝利点の獲得と勢力圏の変更
戦場になった土地で、敗北した陣営の土地カードの勝利点表から、勝利した陣営に属するプレイヤー数を参照します。
これに対応する丸囲みの数字が、勝利した高家に属する各プレイヤーが獲得する勝利点となります。より少ない人数で勝利すればするほど、多くの勝利点を手にすることができます。
獲得した勝利点において、スコアトラックのマーカーを進めます。
ここで行動カードの「反逆者」と「戦略家」の効果で得られる勝利点の加算を行います。
最後に敗北した土地カードを裏返し、勝利した公家の勢力下に変更します。
引き分けの場合は土地の裏返しはありません。
⑦拠点の建設
「建築家」を選んだプレイヤーは自分の手元にある拠点カードを好きな面を表にして出すか、既に場におかれている拠点カードを裏返すことができます。
既に場にでている拠点カードを裏返す場合、屋敷か商館に変更することができます。
各プレイヤーが場にだせる商館は2つまで、屋敷は3つまでです。
⑧戦略カードと戦場カードの獲得
このラウンドで行動カードの「戦略家」を選んだプレイヤーは元の持ち主から戦略カードを受け取れます。そして戦略カードの持ち主は戦場カードを受け取ります。
⑨兵站カードの破棄、補充、調整
このラウンドで使用した兵站カードを全て捨て札とし、山札のとなりに中身をみせる形で積んでおきます。山札が尽きたときはこの捨て札を使い、新たな山札を作ります。
続いて兵站カードの補充を行います。まずは行動カードで「農業家」を選んだプレイヤーは山札から3枚補充します。
次に、初手番のプレイヤーから時計回りの順に「時運の所属する公家が支配する土地にある」自分の屋敷1つにつき、兵站カードを1枚山札から補充します。
この時に反対陣営の支配下にある屋敷では補充を行えません。
最後に行動カードの「外交家」を選んだプレイヤーは兵站カードを1枚補充します。
手札に持てる兵站カードの枚数は最大5枚です。これを超えると手札補充の権利がなくなり、超過分の手札を捨てなければなりません。
⑩次のラウンドの準備
全員の行動カードを中央に戻します。次に初手版カードを左隣の人に渡します。
そしてラウンドマーカーを1マス進めます。
ゲームの終了
ゲームの参加者数によってラウンド数は異なります。全てのラウンドが終了したらゲーム終了です。また、全ての土地が同一の公家の勢力下に置かれた場合もゲーム終了となります。
最終得点はまず、商館のボーナス点を加算します。
商館のボーナス点は自分が場にだしている商館1つにつき、最後に手札にのこした兵站カードの枚数分(3枚まで)の勝利点を手にします。
このボーナス点をスコアトラックに反映させた後、最も多くの勝利点を手にしているプレイヤーが勝者となります。
感想:複雑な読み合いとなるゲーム
「フェレータ」はルールが少しばかり複雑ですが、高度な読み合いとなるゲームです。
行動カードの選択で相手がどんなカードを選び、何を狙っているのかを考えます。また、このゲームの肝となる「反逆者」カードによる裏切りがゲームを白熱化させます。
あっという間に、土地を占領され、まんまと得点を稼ぐものもいるでしょう。
誰がいつ裏切り、どんな戦況となるのか。
それらの読みが重要となり、このゲームの一番の面白いところだと思います。
まとめ
「フェレータ」はルールは他のカードゲームと比べると難しいですが、その分非常に戦略性別が高く、読み合いが熱いゲームとなっています。
ゲームサイズとしては小さいのですが、その密度は非常に高いです。
遊べば遊ぶほど要領がわかって、面白いゲームになると思います。