世界中の大都市で高層ビルの建設ラッシュが始まりました。プレイヤーであるあなたは、高層ビルを建設するために奮闘することになります。
そして、時の権力者としてビルの高層で、家族や友人と共にゴージャスな気分を味わい、ビル王になることが目的です。他のプレイヤーに負けないくらい高いビルを建設していきましょう。
基本情報
プレイ人数:2人〜4人
プレイ時間:約30分
対象年齢:8歳以上
ゲームデザイナー:アンドレアス・ザイファルト
「マンハッタン」はどんなゲーム?
「マンハッタン」は、世界の都市に高層ビルを建設していく陣取りゲームです。相手に乗っ取られたりすることが多くあり、適度な戦略性が重要となります。ルールもそこまで難しくなく、ボードゲーム初心者でも安心して遊べるでしょう。
本作は1994年にドイツ年間ゲーム大賞を受賞しています。今回この記事でご紹介するのは、新版の「マンハッタン」です。旧版とくらべて、デザインが新しくなっています。ゲーム内容的には変わりません。ファミリーゲームとしても安心な定番ボードゲームです。
ゲームの遊び方
ゲームの準備
- 各プレイヤーは自分が担当するブロックの色を決めます。
- 自分の担当するプレイヤーカードと、建物ブロック25個を受け取ります。
- 各プレイヤーは自分のSサイズの建物ブロックを1つ、得点マーカーとして使います。
- 各プレイヤーは、建物ブロックをゲーム盤の外周に描かれている「0」のマスに設置します。
- 適当な方法で親プレイヤーを決め、親プレイヤーとなった人は、親マーカーを受け取りましょう。
- 親プレイヤーは、建設カードをまとめてシャッフルし、各プレイヤーに裏向きのまま4枚ずつ配ります。残った建設カードは山札としてゲーム盤の脇に置いておきましょう。
ゲームの流れ
ゲームはラウンドと呼ぶ一連の流れを繰り返していくことで進行します。
ラウンドは全部で4回。ラウンドは以下の通りに行われます。
- 建物のブロックサイズを選ぶ。
- カードをプレイして、建物を建設する。
- 得点計算を行う。
以上となります。ここからは、ラウンドの内容について解説していきますね。
1、建物のブロックサイズを選ぶ。
各ラウンドの開始時、各プレイヤーは時計回り順にこのラウンドで使用する自分の色の建物ブロックを6個選びましょう。建物ブロックは自分の手札を見て、よく考えて選びます。選んだ建物ブロックは、自分のプレイヤーボードに置いておきましょう。
ここでプレイヤーボードに置いた建物ブロックは、二度と入れ替えたりすることはできません。
2、カードをプレイして、建物を建設する。
全員が建物ブロックをプレイヤーカードに置いたら、親から時計回りに、各プレイヤーは手札をプレイして建物を建設していきましょう。
手番となったプレイヤーは、自分の手札から建設カードを1枚自分のプレイヤーボードの脇に表向きで置きます。この時、カードは必ず縦において下さい。
そして手番プレイヤーは、自分のプレイヤーボードに置いてある建物ブロックの中から1個を選び、ゲームボード上に配置します。
最後に自分の手番終了前に山札から建設カードを1枚引いて、建設は終了です。
建設する際の制限について
ここで建設をする場合は、2通りの制限があります。ここでは建設中の制限について、それぞれ解説していきますね。
A.建設位置の制限
ゲームボード上と建設カードには、縦横3×3のマスが描かれていますよね。この9マスは一つの都市を表しています。
建設カードの9マスには、一つ赤いマークが描かれていますよね。建物ブロックをゲームボード上に設置する時、その建設カードに描かれている赤いマークが記されているマスの位置に、建物ブロックを設置しなければなりません。
ちなみに、6つある都市の中からどの都市に建物ブロックを置くかは自由に決めることができます。
*プレイヤーによって、建設カードを設置する向きが違います。よって、同じカードを違うプレイヤーが出したとしても、建物ブロックを置く場所は違ってくるのです。下の画像での右側にある建物カードですと、建物ブロックは以下のところに置くことができます。
B.建物を高くする時の制限
もう一つは建物ブロックをゲームボード上に置く際の、高さについての制限です。
建物ブロックを設置する時、すでに建物ブロックが置かれてる場合が多くあります。その場合は、自分の建物ブロックをその上に重ねていくことができるのです。
しかし、建物ブロックを他のブロックの上に重ねるには、ある条件をクリアしなくてはなりません。その条件は、「ブロックを重ねた後で、自分の色のブロックがそのビルで一番多くの階層を占めている」という状態にならなくてはならない、ということです。他のプレイヤーと同数でも問題ありません。
こうして各ビルごとに、一番上の建物ブロックを設置しているプレイヤーは、そのビルの所有している状態になります。
例:以下の画像のような場合は、一番上にある建物ブロック(左はオレンジ、右は紫)を設置することができません。左のオレンジは下にある青のブロックより階層が低い。右側のブロックはオレンジが3階層あるので、2階層である上の紫のブロックは置くことができません↓
建物ブロックを設置したら、次の人の手番になります。
建物ブロックを順番に置き続け、全プレイヤー6個の建物ブロックが置かれたら、一旦ゲームはストップです。次のラウンドにいく前に得点計算を行わなくてはなりません。次は得点計算について解説しますね。
3、得点計算を行う。
全プレイヤーがプレイヤーボードに載せた建物ブロックを全て、ゲームボード上に設置したら得点計算に入ります。
以下の項目で得点計算を行い、合計の得点分、ゲームボードの外周の得点マーカーを動かして、得点を反映させましょう。
A.一番高いビルを所有するプレイヤー
ゲームボード上で最も高いビルを所有しているプレイヤーは、3点を獲得します。もし、最も高いビルを所有しているプレイヤーが複数いる場合は、誰も得点を獲得することはできません。
B.都市ごとで、最も多くのビルを所有しているプレイヤー
各都市(9マスの中)で、最も多くのビルを所有しているプレイヤーは2点を獲得します。Aと同じく、最も多くのビルを所有しているプレイヤーが複数いる場合は、誰も得点を獲得することはできません。
C.各ビルを所有しているプレイヤー
ゲームボード上のビルごとに、そのビルを所有しているプレイヤーは1点を獲得します。
*ビルを取得しているということは、各ビルで自分の建物ブロックが一番上にあるということです。
例:下の画像のような場合、得点は以下の通りになります。
左側の都市は紫が最も多くビルを所持しているので、紫のプレイヤーは2点を獲得します。また、黄色のブロックのプレイヤーもビルを所持しているので1点獲得です。
右側の都市は、オレンジが一番高いビルを所有しているので、オレンジのプレイヤーは3点を獲得します。他には青が最も多くのビルを所持しているので、青は2点獲得。黄色が1つビルを所得しているので1点獲得となります。
以上の得点を全て合計した得点が、獲得した得点です。
ゲームの終了
以上のような流れを4回繰り返す。つまり、4ラウンドが終了したらゲームは終了です。
その時点で、最も得点が多いプレイヤーが最終勝利者となります。最も得点が多いプレイヤーが複数いたら、より高いビルを所有していたプレイヤーの勝利です。
プロモーションカードについて
本作にはプロモーションカードというものが含まれています。これは、得点カードでありながら追加ルールとして新たに加えるものです。
もし、得点カードを使用する場合は、以下のように準備してください。
- ゲームの準備段階でプロモーションカード10枚をよく混ぜる。
- 混ぜたプロモーションカードの山札をゲームボードの脇においておく
プロモーションカードは、ラウンドの開始時に山札から1枚を引いて公開しましょう。その時引いたカードの内容によって、得点計算方法に新たな方法が1つ加わります。各プロモーションカードによる、得点計算のルールは公開されたラウンド内のみです。
以下、プロモーションカードの種類と得点方法です。ゲームに慣れたら、ぜひ導入してみてくださいね。
・大きなビジネス
→各都市ごとに、一番高いビルを所有しているプレイヤーは2点獲得する
・巨大都市
→9つのビルが存在する都市において、各ビルの所有者は追加の1点を獲得します。
もし、9つのビルがある都市が存在しない場合は、一番ビルが多い都市において、上記のルールを当てはめます。
・複合ビル
→3色以上の建物ブロックで構成されているビルを所有するプレイヤーは、追加の2点を獲得します。
・世界展開
→各プレイヤーは、自分が所有するビル1つにつき、1点を獲得します。これは、ゲームボード全体にたいして有効です。
・小都市
→最もビルの数が少ない都市において、各ビルの所有者はそれぞれ1点を獲得します。
・創業者
→自分が所有していないビルの中で、自分の建物ブロックが最下層に設置してある場合は、それぞれ1点を獲得できます。
・雲上からの景色
→5階層以上の各ビルを所有しているプレイヤーは、各1点ずつ得点を獲得します。
・郊外住宅
→1階層しか存在しないビルが、少なくとも1つの空きマス隣接しているなら、そのビルの所有者は1点を獲得します。
・ホビット庄
→ゲームボード上で1つの都市内に、最も高いビルと最も低いビルを所有するプレイヤーは、追加の2点を獲得することができます。
・フェイクニュース
→このカードは得点の追加を行うことはしません。しかし、得点計算に入る前に、プロモーションカードの山札から1枚引いて公開。そして、その公開された内容を追加の得点計算方法として採用します。つまり、どの得点計算方法が追加されるのか、建物ブロックを置き終わった後にしかわからない、ということです。
感想:定番で安定した面白さが味わえるボードゲーム
「マンハッタン」は、1994年にドイツ年間ゲーム大賞した名作ボードゲームです。遊んでみて一番思ったことは、このゲームはクセがなく非常に遊びやすいゲームであるということ。ビルを高く積み上げていくというのも単純に面白いです。本作はルールも難しくなく、王道的なボードゲームだと思います。
ゲーム中はただ適当に建物ブロックを置いていけばいいわけではありません。手持ちの建設カードとよく相談して決めていく必要があります。例えば、ゲームが進んでいくと、自分の置いた建物ブロックに相手のブロックが乗っかてきますよね。この時、同じ位置にブロックを置けるカードが何枚かあれば、相手のブロックが上にきても抵抗することができます。ビルの所有権を取り返すためにも必要な考えです。
また、同じ位置に置けるカードがない場合は、一つのビルや都市に集中せず、小さく広くビルを建てていく戦略もとれます。他のプレイヤーがあまりブロックを置いていない都市を狙っていくのも賢い戦略です。
上記のように、自分の建設カードをよく検討して、戦略的に建物ブロックを置いておく必要があります。そのため、様々な作戦を考える必要があるでしょう。そこが「マンハッタン」の一番面白いところだと思います。もちろん相手も似たようなことを考えているので、どこまでブロックを広げたり、積み上げていくのかはプレイヤー同士の駆け引きになるでしょう。
個人的にはプロモーションカードを入れた方が面白いと感じました。少し得点計算方法が複雑になってしまいますが、ゲームに予想外の展開をもたらすので盛り上がりやすいと思います。ゲームに慣れたらぜひ導入してみて下さい。
奇抜なアイデアや独特のゲーム体験こそありませんが、クセの少ない内容は誰でも楽しむことができます。シンプルでまさに定番ボードゲームといったところです。ボードゲーム初心者の方でも充分に長く楽しめると思います。家族でも友達と遊ぶのにも対応できるのではないでしょうか。まさに、王道的なボードゲームと言っていいようなゲームです。
まとめ
「マンハッタン」は、誰でも安定した面白さを体感できる、安定した定番ボードゲームでした。戦略的な要素もありますが、ビルを高く建てていくのも単純に楽しいです。
子供から大人まで、家族とも友達とも楽しく遊ぶのにぴったりなボードゲームだと思います。本当に王道的なボードゲームですので、ぜひ遊んでみて下さい。