「RA(ラー)」の世界観は、古代エジプトの千五百年の歴史にわたります。千五百年という長い歴史の中で、プレイヤーは太陽神ラーのために自らの力と名声を広げていくのです。
富と名声を拡げるには様々な方法があります。
文明を興したり、モニュメントを築いたり、技術を高める。あるいはファラオに影響を及ぼすこともー。様々な手段を用いて、自身の力と名声を広げていきましょう。
基本情報
プレイ人数:2人〜5人
プレイ時間:約45分〜60分
対象年齢:12歳以上
ゲームデザイナー:ライナー・クニツィア
「RA(ラー)」はどんなゲーム?
「ラー」はオークションのような競りと、麻雀のような役を作っていく要素を組み合わせたようなボードゲームです。
ゲームデザイナーは競りゲーで有名のライナー・クニツィア。「ラー」は、「モダンアート」と「メディチ」に並ぶ名作競りゲーと言われています。競りゲーな好きな方は、ぜひ一度は遊んでおきたい作品ですね。
ルールもそこまで複雑ではなく、戦略性と運に富んだ絶妙なボードゲームです。
ゲームの遊び方
ゲームの準備
・ゲーム盤を中央に置き、全てのタイルをよく混ぜて袋にいれます。
・「1」の太陽駒をゲーム盤の中央に設置。
・太陽駒を人数に合わせた規定の数と組み合わせで、各プレイヤーに配布し数字が見える面を表にしておきましょう。
・各プレイヤーは、得点マーカーの5点のマーカーを2枚もらいます。(合計10点分)
ゲームの流れ
太陽駒のうち、最も大きな数値を持っているプレイヤーがスタートプレイヤーとなります。手番となるプレイヤーは以下の3つのアクションから1つを選んで実行してください。
- 袋かタイルを1枚引いて、規定のトラックに置く
- 神タイルを使用する
- ラーを呼び止める
スタートプレイヤー後のプレイヤーは、時計回りの順で手番が回ります。手番プレイヤーは、パスをすることはできません。
次はそれぞれのアクションについて解説します。
1、袋からタイルを1枚引いて、規定のトラックに置く
袋からタイルを1枚引いて、規定のトラックに置きます。
引いたタイルの種類によって、タイルを置く場所が変わるので注意してください。
・引いたタイルがラータイルの場合
引いたタイルがラータイルの場合は、ゲームボード盤の上部にある「ラー・トラック」にラータイルを左詰めで置きます。そして自分の手元にラー駒を置いて、競りの開始です。(競りに関しては後述)
*4人プレイの時は、一番左の1マスは使用しません。3人の時は左から2マス、2人の時は左から4マスまでは使用しません。
・引いたタイルがラータイル以外の場合
引いたタイルがラータイル以外の場合は、ゲーム盤の下部にある「オークション・トラック」に左詰めで並べます。
2、神タイルを使用する
手番プレイヤーは、自分の手元(ゲーム盤上ではなく、自分の手元に所有しているタイル)に神タイルがある場合は、何枚でも神タイルを使用することができます。
使用する神タイルをゲームから除外し、使用した枚数分だけ、オークション・トラックにあるタイルから好きなタイルを1枚自分の手元に置きましょう。
*以上の行動で、オークション・トラックに空きができた場合は、次の手番以降に引かれたタイルで、空きマスを左から優先して埋めていきます。
3、ラーを呼び止める
ラーを呼び止めるということは、競りを自主的に開催するということです。
「ラー」と宣言することで、ラー駒を自分の手元に置いて「競り」を始めることができます。
競りについて
「競り」は手番プレイヤーがラーを宣言するか、ラーのタイルを袋から引いた場合に始まります。始まりの引き金を引いたプレイヤーがその競りの主催者です。主催者はラー駒を、競り終了まで自分の手元に置きます。これは、誰が主催者かを間違えないようにするためです。
競りでオークションにかけられるのは、オークション・トラックに置かれてある全てのタイルとなります。
競りの主催者となったプレイヤーの左側にいるプレイヤーから順番に、競り値を付けていきます。(競り値をつけずにパスをすることも可能)競り値は必ず前のプレイヤーよりも、高い値段を付けるのが必須です。
*競りの主催者となったプレイヤーは、他の全員がパスをした場合、必ず競り値を付けなければなりません。ただし、オークション・トラックが全てタイルで埋まっている場足は、競りの主催者でもパスすることができます。
競り値をつけるには「太陽駒」を使用します。
自分の手元にあるまだ伏せていない太陽駒のうち、好きな1枚を出すことによって、競り値をつけることが可能です。
*場に伏せられている太陽駒は、次のラウンドまで競りに使用できません。使用できる太陽駒が無くなったプレイヤーは、そのラウンド中の手番は飛ばされてしまうので注意しましょう。
競り値が付いた場合、一番金額が高いプレイヤーが落札者となり、オークション・トラックにあるタイルを全て獲得します。獲得したタイルは全て表にして、公開しておきましょう。
そして、競りの落札者となったプレイヤーは、ゲーム盤の中央に置かれた太陽駒を受け取り、伏せた状態で自分の手元に置いておきます。代わりに競り値として使用した自分の太陽駒を、数字が見えるようにゲーム盤の中央に置きましょう。
競りの落札者以外の出した太陽駒は、再び自分の手元に数字が見えるように置いておきます。(再び競りに使用できるということ)
競りが終わったらラー駒をゲーム盤の脇に戻しましょう。
災厄タイルに関して
競りで獲得するタイルの中に、「災厄タイル」というものがあります。
災厄タイルを競りで獲得してしまった場合は、まず獲得したタイルの中から災厄タイル以外のタイルを手元に置きます。
その後、獲得した災厄タイルをゲームから除外し、速やかに自分の手元にある、災厄タイルに対応した規定のタイルをゲームから除外しなければなりません。
災厄タイルは4種類です。災厄タイルを獲得してしまったら、下記の通りに自分の手元にあるタイルをゲームから除外しましょう。
「葬儀」
→ファラオタイル2枚
「騒乱」
→文明タイル2枚(文明タイルの種類は自分で選択可能)
「旱魃」
→洪水とナイルを計2枚(洪水を優先して捨てる)
「地震」
→モニュメントタイル2枚(モニュメントタイルの種類は自分で選択可能)
ラウンドの終了と次のラウンド
ラウンドの終了のタイミングは、全プレイヤーの太陽駒が全て使用され伏せられた場合。
そして、ラー・トラックがラータイルで満杯になった場合の2つのケースです。
ラウンドが終了したら、ゲーム盤にあるラータイルを全てゲームから除外します。ゲーム盤にある太陽駒はそのままで構いません。
また、ラー・トラックが満杯になった場合は、最後のラータイルによる競りは行われません。ゲーム盤のタイルを全てゲームから取り除きましょう。この場合は、プレイヤーの場にある未使用の太陽駒は次のラウンドに持ち越しとなります。
次のラウンドを始める前に、手元のタイルの得点計算を行いましょう。
得点計算が終了したら、自分の場にある太陽駒を全て表にします。全員が同じ数の太陽駒をもっているはずなので、一番数字の大きい太陽駒をもっているプレイヤーから、次のラウンドを始めましょう。
得点計算について
各ラウンドの終了ごとにタイルの得点計算を行い、得点マーカーを手に入れましょう。しかし、得点が減る場合もありますので注意です。各タイルの得点は以下の通りです。
「神」
1枚につき2点。勝利点マーカーを受け取ったあと、ゲームから除外。
「金貨」
1枚につき3点。勝利点マーカーを受け取ったあと、ゲームから除外。
「文明」
1枚も持っていないプレイヤーはマイナス5点。3種類の文明を持っているプレイヤーは5点プラス。4種類なら10点、5種類なら15点の加点です。
勝利点マーカーを受け取ったあとにゲームから除外。
「ナイルと洪水」
洪水をもっているプレイヤーは、自分の手元にあるナイル及び洪水1枚につき、1点プラス。しかし、洪水を1枚も持っていない場合は、プラスにはなりません。
洪水タイルのみ得点マーカーを受け取ったあとにゲームから除外。
「ファラオ」
ファラオを最も所持するプレイヤーは全員5点プラス。反対に、最もファラオを所持している枚数が少ないプレイヤーはマイナス2点。
ファラオはゲームから除外せずに、次のラウンドに持ち越し。
「モニュメント」
モニュメントは、第3ラウンド終了時のみ得点になります。
手持ちのモニュメントの種類が6種類までは1種類につきプラス1点。7種類でプラス10点。8種類全てでプラス15点です。
さらに同種のモニュメントを3枚組みなら1組プラス5点。4枚組なら1組プラス10点。5枚組なら1組15点となります。この時、モニュメントの種類を数える際に数えたタイルも含めることができます。
手元に残した「太陽駒」についても加点と減点があります。
自分の場にある太陽駒全ての数字を合計し、その合計値が最も多いプレイヤーは全員5点獲得です。逆に最も小さいプレイヤーはマイナス5点の減点となります。全員が同じ合計の場合は、全員加点も減点もありません。
ちなみに、得点が減る場合はマイナスにはなりません。自分の手持ちの得点マーカーを全て失います。
ゲームの終了
3ラウンド目の得点計算が終了したら、ゲームは終了です。
手持ちの得点マーカーをを合計し、合計点が一番高いプレイヤーが勝者となります。同点のプレイヤーがいる場合は、その中でより大きい太陽駒をもっているプレイヤーが勝利です。
感想:全てが悩ましい傑作競りゲー!
「ラー」は、競りの要素と役集めを組み合わせたようなボードゲームです。
競りの要素がとても工夫されていて、とても悩ましく面白い内容になっています。
「ラー」の競りはまず、全てのプレイヤーが全てのプレイヤーの出せる競り値を把握できるのです。これにより、確実に取りたいタイルがあったら一番大きな数字を持っているプレイヤーが確実に相手を阻止できるということも可能です。
例えばですが、みんなが集めたがるタイルは、どうしても競争率が高くなるので勝てる競り値がどうしても限定されてしまいます。しかし、反対に誰も狙っていないような役でタイルを狙うと、低い数字でも簡単に役を作れる可能性もゼロではありません。他にも不足分は神タイルで補うなどという手もあります。そのようなことを見越しつつ、タイルを戦略的に集めていく必要があります。
また、競りは自分の手番で任意に始められることもできますので、競りの開始時期についても悩まされます。主催者になると、最後に競り値を付けられますので非常に有利です。しかし、あまりに露骨に狙うと、大きな太陽駒をもっているプレイヤーに妨害されてしまう可能性もゼロではありません。
競りに乗るのか、そもそもどこのタイミングで競りを始めるか、どのような役を作っていくか。全ての選択が悩ましく、ゲーム中はずっと頭を悩ますこと間違いなしです。
他にもデザインが凝っていて、ちょっと触れたくなっちゃうようなゲームアイテムも素晴らしいと思います。
まとめ
「ラー」は競りと麻雀のような役作りの要素を組み合わせたようなボードゲームですが、ゲーム中の選択が全て悩ましいゲームです。絶妙なゲームバランスとゲーム性の奥深さに驚きました。
1回遊んだだけでは、楽しみきれない奥深さがあるゲームなので、新鮮なゲームだと思います。競りゲーが好きな方はもちろん、初心者でも十分に楽しめる内容だと思いますので、ぜひ遊んでみてください。
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