アヴァロンでは正義と悪の勢力が蠢いています。
プレイヤーはアーサー王の忠実な下僕となって正義のために戦うか、不義の息子であるモードレットと手を組んで邪悪な闇に手を貸してしまうのか。
魔術師マーリンはアーサー王の裏切りを唯一知っていますが、もし正体がバレてしまったらたちまち暗殺されてしまうでしょう。この混沌とした情勢で、あなたはどう振る舞いますか?
基本情報
プレイ人数:5人〜10人
プレイ時間:約30分
対象年齢:13歳以上
ゲームデザイナー:ドン・エスクリッジ
「アヴァロン:レジスタンス」はどんなゲーム?
有名なアーサ王伝説に基づいた、正体隠匿系のボードゲームです。
所謂、人狼系のボードゲームになりますが、脱落者が存在せず司会進行役も存在しないゲームシステムが魅力的なゲームとなっています。
姉妹品として「レジスタンス」がありますが、「アヴァロン:レジスタンス」は単体として遊ぶことができます。「レジスタンス」も組み合わせて遊べますので、遊びの幅は広いです。
人狼系のゲームが好きな人にはおすすめのボードゲームですね。
ゲームの遊び方
ゲームの準備
- 参加するプレイヤー人数に対応するゲームボードを中央に設置する。
- 得点マーカー、チームトークン、クエストカードをボード脇にまとめておく。
- ラウンドマーカーをゲームボードの「第一クエスト」に設置する。
- 各プレイヤーに投票トークンを2個セットで渡す。
- 適当な方法でリーダーを1人決める。プレイヤー参加者の人数に合わせて、「正義」と「邪悪」のプレイヤー人数を確認する。
- プレイヤー人数に合わせたキャラクターカードを合わせてシャッフルし、各プレイヤーに1枚ずつ配布する。(【正義】→1枚は「マーリン」、それ以外は「アーサーの忠実なる家来」、【邪悪】→1枚は「暗殺者」、それ以外は「モードレッドの手下」)
- 各プレイヤーは、他のプレイヤーにばれないように、自分のキャラクターカードを確認する。
- 「邪悪」側となったプレイヤーは、すべての邪悪のプレイヤーを確認します。この時マーリンはすべての邪悪プレイヤーを知ります。
以上となります。邪悪側のプレイヤーは以下の記載しときますね。
*邪悪側を確認する方法
- 「全プレイヤーは目を閉じ、自分の手を握り拳にして前に差し出す」
- 「邪悪側のプレイヤーは目を開き、周囲を確認して邪悪側のプレイヤーを確認する」
- 「邪悪側のプレイヤーは目を閉じる」
- 「邪悪側のプレイヤーは親指を立てる」
- 「マーリンは目を開き、邪悪側プレイヤーを把握する」
- 「邪悪側プレイヤーは親指を戻し、マーリンは目を閉じる」
- 「全プレイヤーが目を開く」
以上となります。
ゲームの流れ
ゲームの流れを簡単に記載します。ゲームは何回のラウンドで行われ、大きくわけて2つのフェイズで構成されています。各フェイズについては、後ほど詳しく解説しますね。
ラウンドの構成
- 「編成フェイズ」
- 「クエストフェイズ」
以上となります。
ゲームの目的はクエストが3回成功するか、3回失敗するかです。成功の場合は「正義」、失敗の場合は「邪悪」の勝利となります。こちらも後ほど、詳しく解説します。
①「編成フェイズ」
プレイヤー間で議論を行った後、リーダーが「クエストフェイズ」を行うチームを編成します。チームを編成したら、チームを承認し、投票を行ってクエストフェイズに進みます。
(過半数以上の投票で決定しなかったら、リーダーを変更して改めてチームを編成します。チーム編成は全員の承認が得られるまで続きます。)
・チームの割り当て
リーダーはプレイヤー人数に合わせた指定数のチームトークンを確保し、任意のプレイヤーに割り当てます。これがチームメンバーの選択です。
チームトークンは、1人のプレイヤーに1個です。リーダーがチームに参加しなくても構いません。
・チーム投票
議論しつつリーダーがチーム編成を終了させた後、チームの承認を得るために投票を行います。
リーダーを含む全てのプレイヤーは、他の人にばれないように投票トークンを1枚選んでください。全プレイヤーが準備できたら、リーダーの号令で一斉に投票トークンを公開します。
すべての投票トークンを表向きにし、全員の投票結果を確認してください。
これで過半数(同人数は却下)の承認があった場合、チームが決定します。決定したら「クエストフェイズ」に移行してください。
もし、チームが却下されたら、時計回り順でリーダーの役を交代し、チーム編成をやり直します。これをチームが承認できるまで繰り返してください。
*1ラウンドで5回チーム編成が却下されたら、その時点で「邪悪」側が勝利します。
②「クエストフェイズ」
まずリーダーがチームメンバーに2枚1組で「クエストカード」を配ります。
クエストに参加するプレイヤーは、配られたクエストカードから1枚を選び、裏向きで自分の前にセットしてください。リーダーは出されたカードを回収してシャッフルします。その後カードを公開してください。
公開されたカードがすべて成功だった場合のみ、クエスト成功となります。1枚でも失敗があったら失敗です。
*7人以上のゲームにおける第4クエストでは、失敗となるには2枚以上のクエストカードが必要です。
クエスト終了後
クエストが成功した場合、ゲームボードに青い得点マーカーを置いてください。クエストが失敗した場合は、ボードに赤い得点マーカー置いてください。
クエストが終了したら、ラウンドマーカーをゲームボード上の次のスペースに進めます。その後リーダーの権利を左側の人間に移して、次のラウンドのチーム編成を始めましょう。
ゲームの終了
ゲームはクエストが3回成功したら、「正義」が勝利します。
反対に3回失敗したら、「邪悪」が勝利です。
また、1回のラウンド内のチーム編成において、5回投票が失敗した場合も「邪悪」が勝利となります。
マーリンの暗殺について
クエストが3回成功して「正義」の勝利になる時、ここで「邪悪」には最後のチャンスが与えられます。それが「マーリン」の暗殺です。
「邪悪」側は自分のキャラクターカードを公開せずに議論を行い、誰がマーリン役なのかを推測します。そして最終的にプレイヤーの1人をマーリンだ、と指名してください。
指名したプレイヤーがマーリンだったら暗殺成功。「邪悪」側の逆転勝利となります。逆に指名したプレイヤーがマーリンでない場合は、当然「正義」側の勝利です。
選択ルールについて
選択ルールでは特殊能力をもつ新たなキャラクター4人を追加することができます。
追加キャラクターは、好きに組み合わせてゲームに導入して構いません。(ゲーム難易度の調整にはご注意!)
おすすめは1回のゲームに1枚だけ足してみることです。ゲームに慣れてきたら、ぜひ導入してみてください。
・パーシヴァル
「正義」側のカードです。
能力はゲームの開始時に誰がマーリンであるかを知っていることとなります。
ゲーム参加者が5人以上で、パーシヴァルをゲームに導入する場合は、モードレッドかモルガナも加えてください。
・モードレッド
「邪悪」側のカードです。
能力はゲーム開始時にモードレッドの正体がマーリンに分からないことです。
・オベロン
「邪悪」側のカードです。
オベロンはゲーム開始時に、自身の正体を他の「邪悪」側プレイヤーに知られていないことです。しかしオベロン自身も他の「邪悪」側のプレイヤーを知りません。
実は「正義」側がより強くなるカードになります。
・モルガナ
「邪悪」側のカードです。能力はモルナガがマーリンにように見えることです。
これは「邪悪」側が強くなるカードになります。
以上が追加のキャラクターカードですが、ゲーム準備時の「邪悪」側確認の際に、手順が若干変更になります。その確認方法の修正版を以下に記載します。
加えたキャラクターに応じて、適応させてください。
- 「全プレイヤーは目を閉じ、自分の手を握り拳にして前に差し出す」
- 「邪悪側のプレイヤーは目を開き、周囲を確認して邪悪側のプレイヤーを確認する」
- 「邪悪側のプレイヤーは目を閉じる」
- 「邪悪側のプレイヤーは親指を立てる」
- 「マーリンは目を開き、邪悪側プレイヤーを把握する」
- 「邪悪側プレイヤーは親指を戻し、マーリンは目を閉じる」
- 「全プレイヤーが目を開く」
以下、追加分になります。
- マーリンとモルガナは親指を立てる。
- パーシヴァルは目を開け、マーリンとモルガナを確認する。(マーリンとモルガナは判別不可能)
- マーリンとモルガナは手を元の状態に戻す。
- パーシヴァルは目を閉じる
- 全プレイヤーは目を閉じ、自分の手を握り拳にする。
- 全プレイヤーは目を開ける
感想:人狼系が苦手な人でも楽しめるボードゲーム!
人狼系ボードゲームは、よく脱落するとやることがない。苦手な人はとことん苦手。などよく欠点が指摘されることがありました。
しかし、この「レジスタンス:アヴァロン」ではそういった欠点を克服したゲームデザインとなっています。
まず脱落して待ちぼうけになる場面がないので、退屈せずに済むのは初心者にとって大きいと思います。他にも投票システムのおかげで、自分の意志を反映させやすいというのも良いですね。
実際に遊ぶとマーリン役が非常に苦しかったです。邪悪側のプレイヤーを知っているとはいえ、暗殺されたら一発で負けるので、おおっぴらに反対ができません。できることといえば、ちょっと議論で誘導したり、投票で反対を投げるくらいしかできません。
しかし、非常に正義側にとって重要な役割であるので、正体を隠しつつうまく味方を導かなくてはなりません。以上のことから、マーリン役は中々難しい役だと思いました。
後は単純に遊びやすく、ゲーム自体の完成度も高いので、人狼系が苦手な人でも十分に楽しめるゲーム内容になっていると思います。コンポーネントも中世なので、おしゃれでかっこいいです。ゲームサイズも小さいので、気軽に遊べると思います。
まとめ
「アヴァロン:レジスタンス」は、人狼系が苦手な人でも遊びやすく、人狼の欠点部分を克服したカジュアルなボードゲームでした。
議論と推理、心理戦がメインのゲームですが、非常にとっかかりやすいゲームだと思います。
ぜひ人狼系を遊んでみたいという方は、「アヴァロン:レジスタンス」を手にとって遊んでみてください。