むかしあるところに、とても大きな森がありました。その森には色鮮やかな果物がたくさん実っており、動物たちがたくさんいます。
プレイヤーはこの森の動物となり、美味しい果物を探すことになりました。目的は果物を用いて至高のフルーツジュースを獲得することです。森の住民に協力してもらったり、果物を交換して至高のフルーツジュースを獲得しましょう。
基本情報
プレイ人数:2人〜5人
プレイ時間:約25分
対象年齢:8歳以上
ゲームデザイナー:フリードマン・フリーゼ
「フルーツジュース」はどんなゲーム?
「フルーツジュース」は鬼才フリードマン・フリーゼがデザインしたワーカープレイスメントゲームです。
ワーカープレイスメントゲームはボードゲームの中でもポピュラーなゲームジャンルの1つですが、この「フルーツジュース」はちょっと一味違うワーカープレイスメントとなっています。
最初は簡単な状況でゲームが始まりますが、ゲームが進行するにつれ、ゲーム内容ががらりと変わるのです。一体どんなボードゲームなのか。ぜひ手にとって体験して見てくださいね。
ゲームの遊び方
ゲームの準備
- 地域カードをシャッフルせずに、ナンバー順に表向きで積み重ねます。(梱包されたままの状態で重ねた方が楽です。)山札の上が「1」番で、下が「59」番。これを地域デッキと呼びます。
- 積み重ねた地域カードから「1」〜「6」までのものをすべて引き、それぞれのナンバーごとに表向きでまとめます。これを地域カードの小山と呼びます。各山札4枚ずつです。
- 2.で作った6個の山札を地域デッキのそばで2列にして並べます。
- 60枚の果物カードをシャッフルして、各プレイヤーに2枚ずつ裏向きで配布します。その後残った果物カードの山札を地域デッキの隣に設置してください。
- 各プレイヤーは自分が担当する動物のコマを選び、その動物のコマとトークンを自分の前に置きます。
- スタートプレイヤーを1人適当な方法で決めます。そのプレイヤーはスタートプレイヤーマーカーとして残っている動物コマを1つ選び、手元に置いておいてください。
- その他で使わなかったアイテムを箱にしまいます。これらはゲームが進むにつれて、地域カードが変化した時に使用します。この段階では気にしなくて問題ありません。
以上でゲームの準備は終了です。次はゲームの流れについて解説していきます。
ゲームの流れ
各プレイヤーは時計回りの順番で、自分の手番を実行します。
各プレイヤーの手番中の手順は以下の通りです。
- 「コマの移動」
- 「カードアクションの実行」または「ジュースの購入」
以上となります。それでは、順番に解説していきますね。
・「コマの移動」
まず最初にプレイヤーは、自分の動物コマを必ず6つの山札の中の新しい地域カードの上に移動させなくてはなりません。(ゲーム開始時は自分の手元から移動させます)
もし、移動先に他のプレイヤーの動物コマがある場合、移動したプレイヤーは、そのプレイヤーに自分の果物カードを1枚選んで、1枚ずつ渡さなければなりません。
*自分の手札に果物カードが無い場合、ここで他のプレイヤーにカードを渡す必要はありません。もし2人以上にカードを渡すことになり、果物カードを1枚しかない場合は、任意のプレイヤーに果物カードを1枚渡してください。
・「カードアクションの実行」
コマの移動の後には「カードのアクションの実行」をするか、「ジュースの購入」をすることができます。まずは「カードアクションの実行」から解説しますね。
自分のコマを移動させた後、プレイヤーは移動先のカードのテキストボックスに記載された内容を実行します。これがカードアクションです。
各カードアクションは、地域カードのナンバーの数。つまりは「59」種類あります。あまりにも種類が多いので、ここでは各カードアクションの説明を省略させていただきます。
*カードアクションのほとんどは、果物カードを得るための効果があります。手札の上限はないので、好きなだけ果物カードを持つことが可能です。
・「ジュースの購入」
「アクションカードの実行」をする代わりに、ジュースの購入をすることもできます。
ジュースを購入するには、移動させたコマの地域カードの下部に記載されている分のコストを支払わなくてはなりません。そこに描かれた果物の絵の種類と数だけのカードを手札の果物カードから支払う、ということです。
コストを支払ったら、その地域カードを1枚取り、裏返してジュースの絵の面にして、自分の手元に置いておきます。これでジュースの購入は完了です。
以上が「ジュース購入」の手順です。
*「スムージー」について
コストに記載されているものの中に、カラフルなジュースの絵がありますよね。これは、「スムージー」で、このゲームでは「ワイルド」の役割を担っています。
「スムージー」は、その種類の果物カードの代わりとして使うことが可能です。しかし、コストとして「スムージー」が必要になる場合もあります。また、地域カードによっては、特別なコストが必要になる場合がありますが、それは各地域カードのテキストに従ってください。
*ジュース購入後について
プレイヤーはジュースを購入するたびに、地域デッキからカードを1枚引きます。それが初めて登場するナンバーだった場合は、新しい地域カードの小山の山札となります。
すでに存在する地域カードの小山に存在しているカードであるならば、同じカードナンバーの山札の上にそのカードを置いてください。(同じナンバーのカードは連続で地域デッキに積まれている)
そして、地域カードの小山の最後のカードを購入した場合について解説します。その地域カードの上にあった動物コマは、それぞれ持ち主のプレイヤーの手元に戻してください。
その後、次の自分の手番となったら、改めて最初の手番の時のように、地域カードの小山のどこかに置きましょう。
ゲームの終了と勝利条件について
このゲームは、ゲーム参加人数によって指定された数のジュースを購入したらゲーム終了となります。以下が指定の枚数です。
- プレイヤー2人→ジュース5枚
- プレイヤー3人→ジュース4枚
- プレイヤー4枚→ジュース3枚
以上となります。
規定のジュースの枚数を誰かが購入したら、そのプレイヤーの手番をすぐに終了させます。その後、スタートプレイヤーの右手側のプレイヤーまで、他のプレイヤーは1回ずつ自分の手番を終えて、ゲーム終了です。
最終的に最も多くのジュースを購入したプレイヤーがゲームに勝利します。複数のプレイヤーが同数のジュースを購入していたら、手札の果物カードの数が多い方が勝者です。
次のゲームの準備について
このゲームは終了した時の状態から、続けて次のゲームを始めることができます。もちろんその場で本当にゲームを終了させても構いません。もし続ける場合は、次の順番でゲームの準備をしてください。
- 前のゲームの勝者が決定した後、前のゲームで購入した全てのジュースを箱に戻してください。(これらのジュースは地域デッキに戻してはいけません)
- 現在場に出ている地域カードの小山をそのまま使用します。
- 前のプレイヤーで最後に手番となったプレイヤーがスタートプレイヤーとなるので、その人はスタートプレイヤーマーカーを選んで手元に置いておいてください。
- 捨て札と前の手札となった果物カード全てを回収し、まとめてシャッフルした後、通常通りに2枚ずつ各プレイヤーにカードを配布してください。
- 地域カードの小山のカードテキストを参考にして、テキスト通りに必要なアイテムの準備をしましょう。(最初のゲームの準備で箱にしまっておいたものです)
以上で次のゲームの準備は終了です。
続けてゲームを楽しんでください。
ゲームの総合勝者を決める場合
続けてゲームを何回もあそんだ場合、総合勝者を決める場合は次の得点を参考にしてください。
- 各ゲームの勝利者→2点
- 各ゲームの敗者(最も購入したジュースが少ないプレイヤー)→0点
- その他のプレイヤー→1点
以上の要領で、各ゲームごとに勝利点をメモなどに記入していってください。
最終的に一番得点の多いプレイヤーが総合勝者になります。
感想:何回でも遊べる工夫に富んだボードゲーム
「フルーツジュース」はワーカープレイスメントゲームと銘打っていますが、実際はそんなにルール自体は複雑ではなく、むしろファミリー向けなゲーム内容となっています。
しかし、このゲームの面白いところは、やはりアクションカードの内容がガラリと変わっていくところです。1ゲームだけでは単純で短いゲームですが、長く遊ぶほど変化があらわれてくるので、常に新鮮な気持ちで遊ぶことができます。しかも長く遊ぼうと思えば、2時間以上遊べる壮大なゲームにも化けるのです。
実際にゲームを進めていくと、やがて盗賊や市場という概念が登場し、相手のカードを盗んだり、経済的な要素も登場してくるのです。さらに進めていくと、ギャンブルや税金という特殊なルールも登場し、刺激的な展開が楽しめるでしょう。
このゲームの特徴的なところですが、ある程度のところで中断できるところも注目すべき点です。ゲーム状態をメモしておけば、無理に長時間ゲームをプレイしなくても、続きを遊ぶことができます。これは他のボードゲームにはないシステムだと思うので、非常に斬新なシステムと言って良いでしょう。
フリードマン・フリーゼのボードゲームは変わったゲームルールが印象的ですが、この爽やかそうな「フルーツジュース」も例外ではありませんでした。本当に工夫が凝らされており、他のボードゲームとは一線を画すゲーム内容です。気になる方はぜひ手にとって遊んでみてください。
まとめ
「フルーツジュース」はゲーム内容が常に変化する、他のボードゲームにはないゲームシステムを組み込んだゲームでした。工夫が凝らされて本当に感嘆させられます。
ある程度ボードゲームに慣れた方や、変わったゲームを遊んでみたいという方には、おすすめなボードゲームです。特別なゲームシステムにより、時間の融通もきくゲームとなっているので、非常遊びやすいので、ぜひ遊んでみてください。