とある街では、対立する2つのマフィア組織が存在しています。2つのマフィアは互いにライバル同士で熾烈な争いが始まっているのです。
マフィアのボスであるあなたは、ライバルのマフィアに負けないような最強の組織を作らなければなりません。4つのギャング集団を利用し、相手の優秀なギャングをかすめ取ることで、相手より強い組織を作ることができます。
相手よりも強いマフィアを作っていきましょう。
基本情報
プレイ人数:1人〜2人
プレイ時間:約30分
対象年齢:10歳以上
ゲームデザイナー:フリードマン・フリーゼ
「ファミリア」はどんなゲーム?
ファミリアは60枚のカードを使った軽量系ボードゲームです。プレイヤーは、能力が違うカードをうまく出していき、高ランクでありながら、高得点のギャングを集めていきます。高得点のカードをプレイヤー同士で取り合って、最終的な得点を競う感じです。
ちょっと癖のあるルールですが、これは実際に遊ばないと「ファミリア」の絶妙な魅力はわかりません。読み合いとタイミング、そしてなんとも言えないジレンマが魅力な、2人用ボードゲームです。
ゲームの遊び方
ゲームの準備
- 60枚のカードをまとめてシャッフルする
- 各プレイヤーに4枚ずつ手札となるカードを配布する
- 残った山札をテーブルの中央に置き、上から6枚のカードを引き、場に一列に並べる(この一列に並べられたカードを「ストリート」と呼びます)
- 自分の前とストリートにある程度のスペースを設けます。(このスペースを事務所と呼びます。)
- 山札の隣に捨て札置き場を作る
- 適当な方法で最初の手番プレイヤーを決める
以上でゲームの準備は終了です。
ゲームの流れ
「ファミリア」の最終的な目的は、手札に高得点のカードを集め、相手より高得点の手札を作ることです。手札を作るためには、色ごとに分けられた各ギャングの能力を駆使する必要があります。以上のことを念頭に置いて、ゲームの流れを説明しますね。
ゲームは相手と自分交互のターンで行われ、ターンは行動1〜4の順番で実行処理していきます。以下からは行動1〜4の解説です。各ギャングの能力については、後でまとめて記載します。
行動1:ストリートの補充
手番開始時、獲得したいカードがない場合、ストリートに新たなカードを補充することができます。ストリートにカードを補充するには以下の条件が必要です。
- ストリートにランク0のカードが1枚もない
*ランクとはカードに記載された0〜4までの数字のことです。
ストリートが上記の状態なら、手番プレイヤーはストリートに並べられているカードを1枚好きに選んで、選んだカードを捨て札にします。次に捨てたカードのランクと同じ数字の枚数を山札から引きましょう。
山札からカードを引いたら、ストリートに残っているカードをまとめて少し横に寄せます。(これらのカードを「古参」と呼びます)その後、引いたカードを寄せたカードのとなりにわかりやすいようにまとめて表向きで並べます。(これらのカードを「新参者」と呼びます)
つまり、新たに引いたカードは「新参者」となり、ストリートに残っているカードは「古参」となるのです。
以上のことは、ランク0のカードが最低でも1枚ストリートに登場するまで、何度も繰り返すことができます。こうして引いたカードは全て新参者扱いです。
行動2:仕切屋(青)の能力使用
手番プレイヤーは、行動2で仕切屋(青)のギャングの能力を使用することができます。
仕切屋の能力を使用する場合は、まず手札からカードを1枚を事務所(自分の前)に表で出しましょう。このように場に表にしてカードを出すことを、組事務所に待機させるといいます。
その後、既に組事務所に待機させているカードと手札を交換することが可能です。ちなみに、この時に出した仕切屋のカードは交換することができません。
交換するには、出した仕切屋のカードのランク以下の枚数のカードを組事務所から手札に戻します。その後に戻したカードと同じ枚数のカードを、手札から組事務所に戻しましょう。
行動3:愚連隊(黄)の能力使用
行動3では、愚連隊(黄)のギャングの能力を使用することができます。
使用する場合、手札から愚連隊のカードを1枚組事務所に置きましょう。その後、ストリートからカードを1枚選びます。愚連隊の能力により、選んだカードのランク値は、出した愚連隊カードのランク値の分だけ下がります。選んだカードのランクは、最低ランクは0であり、マイナスにはなりません。
以上の能力により、次の行動4でお得にカードを取得することができます。
行動4:ギャングの獲得
行動4では、プレイヤーはストリートからカードを1枚選んで獲得することができます。しかし、ストリートに新参者がいる場合は、古参からカードを獲得することができません。獲得しない場合はパスすることもできます。
獲得するには以下の2通りの方法から1つを選んで下さい。
- ランク0のカードを無条件で手に入れる。(行動3の愚連隊の効果を使って獲得可能)
- ランク1〜4のカードを獲得する場合は、獲得したいカードと同じ色でランク値が1低いカードが2枚必要
2.の方法でカードを獲得する場合、2枚のカードを場に出し、ストリートから選んだカードを獲得します。その後、出した2枚のカードの1枚を手札に戻し、もう1枚を組事務所に待機させて下さい。
行動4が終了したら、ストリートの新参者を古参に加え、相手の手番となります。ちなみにゲーム中にストリートのカードが1枚もなくなってしまったら、すぐさま山札からカードを6枚引いて、ストリートに補充して下さい。
傭兵団の能力について
手札に必要なカードが1枚しか無い場合、傭兵団(緑)のギャングの能力を使用することが可能です。傭兵団は行動4で使用でき、ストリートからカードを獲得する際に使用できます。
手番4でストリートからカードを獲得する時、必要なカードの2枚うちの1枚を傭兵団のカードで代用できます。その際、使用する傭兵団のカードのランクは、1ランク以上低い2枚目のカードとして使用することができます。
山札が尽きた場合
ゲーム中山札が尽きた場合、捨て札をまとめてシャッフルし、新たな山札として使用して下さい。そして、1回目の山札が尽きた場合、行動1のルールが若干変化します。
行動1で、ストリートにランク0のカードが無い場合、手番プレイヤーはストリートに公開されているカードから1枚を選んで、一度だけ捨て札にします。
さらにその後は、捨て札は捨て札置き場には置かず、山札の一番下に入れてください。そして捨てたカードのランク値と同じ枚数を山札から引き、新参者としてストリートに補充します。
名門(赤)のカードについて
名門(赤)のカードは特に能力はありませんが、最終勝利点が他のカードより高いです。名門カードを多く所持していたら、ゲームに勝てる可能性が上がるでしょう。
ゲームの終了
ゲームは2回目の山札から最後のカードがストリートに公開され、そのターンが終了したらゲーム終了です。しかし、もし先攻プレイヤーで最後のカードが公開されたら、後攻のプレイヤーが最後の手番となって、ゲームは終了になります。
要は先攻プレイヤーと後攻プレイヤーとターン数が同じになるようにして、ゲームを終えなければなりません。つまり、後攻プレイヤーで最後のカードが公開されたら、後攻プレイヤーのターンが終了したら、それでゲームで終了となります。
ゲームが終了したら、得点計算に入ります。以下の得点表を参考にして最終勝利点を計算して下さい。その際、手札と組事務所にあるカードも合計しましょう。合計勝利点が高い人が勝者です。同点の場合は、勝利点がもともと高いカードを保持していたプレイヤーが勝者となります。
感想:独特なルールだが、病みつきになってしまう魅力を秘めている
「ファミリア」はまずルールが結構複雑です。各マフィアの能力をきちんと把握しないと、ゲームはスムーズに進められません。そのため、慣れるまで少々時間がかかるかと思います。
実際に遊んでみると、妙に病みつきになってしまう不思議なゲームでした。手札やストリートによっていくらでも戦略が変わってくるため、中々判断に迷うところです。
遊べば遊ぶほど、うまい手が思いつくのですが、はじめのうちはどのようにカードを集めていけばいいのかわからないと思います。そういった意味でファミリアは、ゲームが上手くなった実感を味わうことができるやりがいのあるゲームかもしれません。
最初は傭兵団や愚連隊でうまくカードを取っていく感じだったのですが、後半になると組事務所のカードも増えるため、仕切り屋の必要性が増してきます。ゼロのカードもうまく使っていけば効率よく強いカードを回収できるでしょう。
うまくカードを組み合わせていき、仕切り屋で回収して、最適な手を模索していく感じが、このゲームに没頭してしまう理由の一つであると個人的には感じました。
実際良い手でうまく強いカードを手に入れた時は脳汁がでるような感覚を味わえるでしょう。最終得点が最後まで全く分からないので、気が抜けないのもいい感じです。
一見、運が重要に見えるゲームですが、実際は経験者と初心者で勝負すると、驚くほど差がでるのではないかと思います。やればやるほど戦略やカードの組み合わせ方が洗練されていく感じなので、ハマる人はとことんハマる感じのゲームなのではないでしょうか。
まとめ
「ファミリア」はルールが複雑ですが、やればやるほど面白さがわかってきて、上手くなっていく感覚があります。慣れるまで多少時間がかかりますが、その分の魅力は詰まっているゲームだと思います。
短い時間で軽く遊べる割には、中々の密度のあるゲームです。完全に初心者向けって感じではないですが、ライトでありながらも中々濃いゲーム内容であるがすごいなと思いました。ぜひ、「ファミリア」を手にとって遊んでみて下さい。