ルール、というかとる行動はかなりシンプルなのに、奥深い戦略が潜んでいるこの《宝石の煌き》をレビューしたいと思います。
ところで、このゲームは宝石の煌き(Splendor)と表記されています。Splendorってどういう意味だろう?と思って調べてみたところ、「輝き」ということみたいです。《宝石の煌き》の「煌き」部分を意味しているのでしょうか。
基本情報
プレイ人数:2~4人
対象年齢:10歳以上
プレイ時間:30分
デザイナー:マーク・アンドレ
《宝石の煌き》はどんなゲーム?
プレイヤーはルネッサンス期の豪商人です。西暦で言うと1500年前後くらいでしょうか。プレイヤーは色んな発展をさせて美しい宝石を磨き上げ、もっとも早く威信を規定値まで達することができたプレイヤーが勝ちとなります。
大雑把なゲーム進行について
やや抽象的に書きましたので、具体的になにをやるかですが、
- 色んな色の宝石や黄金のトークンを集める
- 集めたトークンで発展カードを購入
- 発展カードには威信ポイントや特定色の宝石ボーナスがある
- 更に集めた宝石トークンや宝石ボーナスを使って新たな発展カードを購入
以下繰り返しとなり、早く威信ポイントを15点以上に到達したプレイヤーが勝ちとなります。
ここで重要なポイントは、宝石や黄金のトークンを使って発展カードを購入すると、そのトークンは支払い、手元からなくなるのですが、発展カードによる宝石ボーナスは一生なくなりません。つまり、発展カードを大量に持っていれば、何も支払うことなく発展カードを購入できるようになります。
この性質上、加速度的にゲームが進行するので、「あれ?もう終わり?」のようになりがちです笑。
ゲームで使用するもの
光に反射してみにくいですが、場はこんな感じでセットされます。
トークンはこんな感じです。黄色いものは黄金トークンで、いわゆるワイルドカードのようなものです。それ以外の宝石トークンはそれぞれ、白、黒、緑、青、赤となっています。実際に触ってみるとわかるんですが、見た目に反してかなりずっしりしており、重量感があります。写真じゃ伝わりにくいですが、このトークンだけでも高級感があり、いいな!と思わさせられます。
発展カードはこういうものになっています。左下が購入するのに必要なコスト、左上の数字が得られる威信ポイント、右上が宝石ボーナスです。これをたくさん集めることがキーとなります。
場から購入された発展カードはプレイヤーの手元に行き、場の空いた場所には山札から発展カードが補充されます。
これは貴族タイルというもので、発展カードで得られるボーナスが貴族カードの左下に書いてある数だけ集まるとゲットすることができます。ゲットしたら左上に書いてある数字分威信ポイントを得られます。
具体的な手番プレイ
手番で何ができるのか?はシンプルです。細かい説明は省きますが、以下の通りです。
- 宝石トークンを得る
- 発展カードを購入する
- 発展カードを確保し、黄金トークンを得る
毎ターン、この”どれか”を行います。3つ目の「確保」、とは購入とは違って、手元に置いておくだけで、購入権が自分だけにある状態のことです。
個人的には3つ目がキーになっているように感じています。どういうことかというと、今の手持ちの宝石じゃあの発展カードは買えないけど、相手に買われたらまずい!!という状況で使えます。ちなみに、確保したものは後の自分の手番で購入できます。
感想:ただただ奥が深い……
ここまで読んでいただいた方に伝わったかどうかわかりませんが、本当にやることは凄くシンプルなんです。宝石を集めるか、発展カード買うか、発展カード確保するかだけです。それ故に1手1手が悩ましく、相手が何をしようとしているのか、それに対抗するにはどうしたらいいのか、そんなことをずっと考える必要があります。
そして、先ほども書きましたが、終盤びっくりするぐらい加速度的にゲームが進行します。発展カードが充実すると、宝石トークンが無くても発展カードが購入できるので、それができた者とそうでなかった者の差は広がります。
その穴をふさぐ手段として、件の「確保」という妨害?要素もあり、また、序盤で言えば特定色の宝石トークンをかき集めて他者の購入を妨害するなど、シンプルながらに奥深い戦略が必要となってきます。
発展カードも、明らかにこっちの方が断然安い(完全上位互換)じゃん!というように、購入コストがとても偏っていたりします。
運要素としては、場の発展カードが購入されたときに、山札から新たに発展カードが補充されるのですが、それが後手番者にとって有益なカード(すぐ買える)だったりすることがあり、これがそれに当たります。しかし、裏を返せばそれだけなので、各個人の選択がやっぱり勝敗に与える大きな比重になるのかなと思います。
さいごに
何度も書きましたが、シンプルでさくっと遊べるのに奥が深いです。時間も30分くらいなので、「もう一回!」と何度も遊べます。
また、イラストが綺麗で、トークンに高級感(タイトルにちなんでいるのでしょう)があるのでそれだけで遊んでいて楽しいです。アナログゲームはやっぱり見た目重要だなと個人的には思います。