バルバロッサ帝があなたを「謎掛けバトル」に招待しました。
「謎掛けバトル」に招待されたあなたは、問題に答えるだけではなく、あなた自身も問題を作らなくてはなりません。
お題となる問題は、作った粘土作品の正体を当てるというものです。
ゲームに勝つには相手の粘土細工の正体を答えるのはもちろんのこと、自分が作った粘土細工のお題も難しすぎず、簡単すぎずといった粘土作品を作らなくてはなりません。
それでは粘土を用いた「謎掛けバトル」を楽しんで下さい。
基本情報
プレイ人数:3人〜6人
プレイ時間:約60分
対象年齢:12歳以上
ゲームデザイナー:クラウス・トイバー
「バルバロッサ」はどんなゲーム?
「バルバロッサ」は実際に粘土を使った変わったゲームです。プレイヤー達の個性的な感性や手先の器用さの有無が楽しめます。
似たようなボードゲームとしては、実際に絵を書く「エセ芸術家ニューヨークに行く」や、プレイヤーの芸術的感性が試される「DiXit ディクシット」といったところでしょうか。
「バルバロッサ」は、実際に粘土で簡単な作品を作るのですが、こういう図工みたいなのが苦手という人でも大丈夫です。むしろ、ゲームを盛り上げる要素になるでしょう。
ガチガチに競争するようなゲームではないですが、非常に盛り上がるパーティゲームです。他のボードゲームにはないゲーム要素を含んでいるので、ぜひ遊んでみて下さい。
ゲームの遊び方
ゲームの準備
- 各プレイヤーは自分の色を1つ決め、その色のコマ・得点マーカー・宝石マーカー・粘土を受け取ります。
- 下敷き2枚(3人ゲームの時は3枚)受け取る。
- テーブルの真ん中にイベントタイル1〜6までを、時計回りで円を描くように設置する。
- 各自のコマを並べたタイルの「?」の上に設置する。
- ゲーム盤を脇に設置する。
- 各自の「得点マーカー」の1つを、ゲーム盤上の端にある「START」に設置する。もう1つは自分の手元に置いておく。
- 各自の「宝石マーカー」を、ゲーム盤中央にある宝石トラックの「12」のマスに設置。(これはどのプレイヤーも手元に宝石12個を持ってゲームを始めるという意味です)
- 「呪い石(黒い立方体)」を各自3個ずつ受け取り、手元に置いておく。
- ペグ(黒い棒)をゲーム盤の得失点表のそれぞれの段に1本ずつ設置する。(3〜4人プレイなら「13」の段まで。5人〜6人なら「17」の段まで置いて下さい。
- サイコロとメモ帳は取りやすいところに置いておく。
以上でゲームの準備は終了です。
ゲームの流れ
ゲームは以下の流れで進行します。
- お題の決定
- 作品作り
- 手番開始
- ゲーム終了
以上となります。それでは、各項目ごとに解説していきますね。
1.お題の決定
お題はゲームに同梱されているリストからお題を選択します。
3人ゲームならお題は3つ。4人以上で各自2つのお題を選択して下さい。
*ゲームに同梱されているリストには記載されていないお題も選択できますが、その場合は「勇気」や「愛」抽象的な単語ではなく、「バナナ」や「机」などの名詞にしましょう。
決めたお題はメモ用紙に書いておき、誰にも見せないように伏せてゲーム盤の下に敷いておいて下さい。この時お題の読みがなを必ず明記しておきましょう。
決めたお題と、読みがなは途中で変えられません。
2.作品作り
お題が決まったら、各プレイヤーはそのお題を粘土で作成していきます。下敷き1枚に付き、作品を1つ作って設置しておきましょう。
それぞれの作品が完成したら、円状になっているイベントタイルの真ん中に下敷きごと置いてください。全員が完成したらいよいよ手番開始です。
3.手番(ゲーム)開始
完成した作品が出揃ったら、いよいよ手番(ゲーム)開始です。
手番は最初に作品を完成させたプレイヤーから行います。それ以降は時計回りで手番を回していって下さい。手番は以下の通りに進行します。
①サイコロを振るか自分の宝石を使う
サイコロを振った場合は、出た目の数だけイベントタイルにある自分のコマを時計回りに動かします。そして、止まったイベントタイルの支持に従って下さい。
自分の宝石を使う場合は、使用した宝石の数だけイベントタイルにある自分のコマを時計回りに動かすことが可能です。プレイヤーが持っている宝石の数は、宝石トラック上のマーカーに記されています。コマを進めた分だけ、マーカーも動かして下さい。
例えば、宝石が10個ある状態で、6マス分だけコマを動かしたい場合は、6個宝石を使用することになります。そしたら、宝石トラック上のマーカーは、6個分を差し引いた4の位置に移動させます。
イベントタイルの処理が終了したら、手番終了です。左隣のプレイヤーに手番が移ります。
■イベントタイルの種類について
イベントタイルにはいくつか種類があります。それぞれ解説していきますね。
・竜(3番と6番)
手番プレイヤー以外は、1点を獲得します。得点マーカーを1マス分進めて下さい。
・宝石(2番と5番)
手番プレイヤーは宝石を1個獲得します。宝石を獲得したら、宝石トラック上のマーカーを1マス分上の移動させて下さい。
ちなみに宝石を持てる上限は13個なので、13個以上は持つことができず、宝石マスに止まっても何も起きません。
・文字ドワーフ(4番)
このタイルに止まった手番プレイヤーは、タイルの中心(リドル・ステージ)に置いてある粘土作品のうちの1つを選んで下さい。
そしてその粘土作品の作者に読みがなにおける、文字の位置を指定して質問して下さい。
例:「作品の読みがなの2文字目は何ですか?」などです。「タイヤ」という作品の場合、2文字目は「イ」、といった具合です。
粘土作品の作者は上記のような質問に対して、その答えをメモを書いて、他の誰にも見られないように質問者に渡してください。ちなみに濁音や小さな「っ」や長音「ー」の場合は、その旨が分かるようにメモに記載しときましょう。
メモを受け取った質問者は、これを伏せて自分の手元に持っておいて下さい。
・?(1番)
このイベントタイルでは、粘土作品の正体を当てるための質問と回答を行います。そして、ここでは「質問ステップ」と「質問/回答ステップ」の2つに分かれて行います。
①「質問ステップ」
リドル・ステージにある他のプレイヤーが作った粘土作品を1つ選んで下さい。そして、その作品の製作者に「はい」か「いいえ」で答えられる質問を1つ行います。
*ただし答えそのものを問う質問はNGです。
回答する製作者は、「はい」「そうかもしれない」「どちらともいえない」「いいえ」「わからない」のいずれの形で回答して下さい。
質問は回答者が「いいえ」を答えるまで繰り返します。一度質問した後は、他の粘土作品の作者に質問先を変えても問題ありません。または、全く質問を行わずに次のステップに進んでもOKです。
②「質問/回答ステップ」
ここでは以下の2つの内、いずれかを選んで実行します。
A.①の質問ステップと同じように粘土作品を1つ選んで質問する。
B.粘土作品の正体を当てる
Aの場合は、①の質問ステップを参照にして同じように実行して下さい。
Bの場合は、リドル・ステージにある粘土作品のうちの1つを選び、その作品の正体を紙に書きます。そして他のプレイヤーに見られないように、答えを書いた紙をその粘土作品の製作者に渡して下さい。
紙を渡された製作者は、その紙を見て正解か不正解かを答えます。粘土作品の答えそのものを言ってはいけません。
不正解の場合は何も起きません。ですが正解の場合は、正解の証として1本のペグ(黒い棒のようなもの)をその粘土作品に刺します。ペグはゲーム盤上の上の段にあるペグを取り、それを刺しましょう。
なお、2本ペグが刺さった粘土作品は、リドル・ステージから取り除いて下さい。正解でも不正解でもこのステップが終了したら、この「?」タイルの処理は終了です。
得点について
得点は前項でペグを刺した時に獲得することができます。その粘土作品にまだペグが刺さっていなかった粘土作品に、最初にペグを刺したプレイヤーは5点獲得です。すでにペグが刺さっている作品にペグを刺したプレイヤーは3点を獲得できます。
得点を獲得したら、ゲーム盤上にある正解者の得点マーカーを獲得した得点分動かして下さい。
正体を当てられた粘土作品の製作者は、刺されたペグの本数によって、点数が増減します。ゲーム盤上の得点表を確認して、得点を計算して下さい。
呪い石について
手番プレイヤー以外のプレイヤーは、呪い石を持っていれば手番の割り込みを行うことができます。手番の割り込みを行えるタイミングは、「?」イベントタイルの②「質問/回答ステップ」を行っている時以外ならいつでも実行可能です。
手番の割り込みを行いたいプレイヤーは、手を上げて手番の割り込みを宣言して下さい。複数のプレイヤーが手を上げた場合、最初に手を上げたプレイヤーが優先されます。
手番の割り込みを行うプレイヤーは、呪い石をテーブルの脇に置いて、以下の2つの内の1つを選んで下さい。
- 文字ドワーフのイベントと同じこと、つまり指定した読みがなの位置を1回質問する。
- 粘土作品を1つ選び、その正体を当てる。
どちらも前項に記載した通りに実行して構いません。呪い石は連続で使用することも可能です。また、呪い石で割り込み行動を処理している場合は、他の割り込みは行うことができません。
手番の割り込みの処理が終了したら、元のプレイヤーの手番を中断させたところから再開して下さい。
ゲームの終了
ゲームは以下の2つの条件が満たされたら終了となります。
- 誰かの得点マーカーがゴールのマスまで到達した場合
- ペグが全ての粘土作品に刺さった場合。最後の得点処理を行ってゲーム終了となります。
ゲームが終了したら最終決算に入ります。リドル・ステージに残っている粘土作品それぞれに、以下の減点処理を行って下さい。
- ペグが1本も刺さっていない粘土作品はマイナス5点
- ペグが1本だけ刺さっている粘土作品はマイナス2点
最終決算が終了した時点で、最も得点が多いプレイヤーが勝者となります。
感想:創作系ゲームの決定版のようなボードゲーム
「バルバロッサ」は創作系のボードゲームですが、個人的には創作系の中でも傑作の部類に入るゲームだと思いました。
似たような創作系ボードゲーム、或いは感性が重要視されるボードゲームでは、「DiXit ディクシット」や実際に絵を書く「エセ芸術家ニューヨークへ行く」に似ています。
「バルバロッサ」は実際に粘土を扱って作品を作るという手の込んだボードゲームです。子供にとっては馴染みやすいですし、大人にとっても懐かしくて、ちょっと昔を思い出したりするのではないでしょうか。
実際に遊んでみると、粘土作りが下手な人でも上手い人でも十分に楽しめるゲームバランスに結構感動しました。うますぎて分かりやすい作品にしても駄目ですし、下手すぎてわからなすぎるというのもマイナスです。
以上のことから、大人でも子供でも手先が不器用な人でも楽しめるボードゲームとなっています。
他にも追加ルールや短縮版のルールも存在しますので、遊ぶ人の事情によって、遊びやすくルールを選べるというのも魅力的な点ですね。
ゲーム的にもワイワイ盛り上がりながらできますし、ゲーム終了後に感想を言い合うのも楽しいです。テレビゲームはもちろん、他のボードゲームでは絶対に体験できないゲーム内容なので、ある意味唯一無二のボードゲームといえると思います。
ネックな点がゲームに使用する粘土です。2013年以降の「バルバロッサ」は、小麦粘土の一種らしいですが、乾きやすいので保管には十分に注意する必要があります。別売りで「バルバロッサ」用の粘土も発売されていないようですし、使用できなくなったら別の粘土か新しい粘土で代用する必要があります。
粘土の件に関しては致し方がない点もある気がしますが、やはりネックであるということは変わらないですね。
まとめ
「バルバロッサ」は、実際に粘土で作品を作るという創作系ボードゲームの王道だと思いました。手先が不器用な人でも普通に楽しめるので、万人に受けやすいボードゲームと言えます。
他のボードゲームでは体験できないゲーム内容ですので、ボードゲームが好きな方は一度は体験しておきたいゲームです。
他のボードゲームとは全く毛色が違う「バルバロッサ」。ボードゲームが好きな方はぜひその面白さを体験してみて下さい。