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絶版となった名作ゲームを継承したボードゲーム「エアライン・ヨーロッパ」レビュー!

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航空機が革命を起こした時代。

航空会社の経営者達は、ヨーロッパの上空を舞台に航路ライセンスを獲得するために激しい競争が繰り広げていました。

プレイヤーは投資家となり、より有益な航空会社に投資して富を得ることが目的となります。先を読んでより成長が見込めそうな航空会社に投資しましょう。

基本情報

プレイ人数:2人〜5人

プレイ時間:約75分

対象年齢:13歳以上

ゲームデザイナー:アラン・R・ムーン

「エアライン・ヨーロッパ」はどんなゲーム?

「エアラインズ・ヨーロッパ」は、絶版となっている「ユニオンパシフィック」と「エアラインズ」を受け継いだリメイク作品となっております。両作品ともアラン・R・ムーンの作品です。

ゲームの内容は、航路のライセンスを買って繋げていき、航空会社の株を購入していきます。買った株に応じて勝利点を得ていくゲームです。

4つの選択肢から1つしか選べないというジレンマが人気であり、周りのプレイヤーの株の持ち具合も大きく影響します。ドイツで根付い人気を誇るボードゲームの1つです。

ゲームの遊び方

ゲームの目的は、決算時に株式の種類と数によって得られる勝利点を得ることです。当然ですが、より大きな空路をもっている会社の方が価値があります。より大きな価値となるであろう会社の株を手に入れて下さい。

ゲームの準備

  • 各航空会社の色と同じ色をした空港マスに航空会社マーカーを設置
  • 航空会社マーカーを色ごとに対応した決算トラックに設置
  • 接続ボーナスタイルを、それぞれ目的地の都市である指定された箇所に設置
  • 勝利点チップと飛行機駒をわかりやすくまとめておく
  • スタートプレイヤーを決め、スタートプレイヤーから時計回りの順番に、勝利点チップを1点、2点、3点と受け取る。
  • 参加するプレイヤー1人につき、30ミリオンユーロ(紙幣)を用意し、各プレイヤーは8ミリオンユーロを受けとり、手元に置いておく。
  • エア・アバクス社の株式カードを裏向きで山札としてゲームボードの外に設置
  • エア・アバクス社と決算カードを除いた株式カードをまとめてシャッフルし、山札とします。
  • 株式カードの山札から5枚引き、ゲームボードの指定箇所に設置。ここが株式市場となります。
  • 各プレイヤーは株式カードの山札から8枚引き、手札とする。
  • 8枚の手札から異なる2つの航空会社の株式カードを選び、自分の手元に裏向きで置きます。その後、一斉に伏せたカードを表にしましょう。これが初期の持株となります。
  • 最後に決算カードを含めた山札を作る。決算カードを含めた山札は後述します。

決算カードを含めた株式の山札の作り方

まず、最初に作った株式カードを10枚引きます。そしてその10枚と決算カード1枚をよくシャッフル。この11枚を山札の一番下にします。

その後、残った株式カードの約4分の1を取り、一旦よけておきましょう。これでさらに残った株式カードの半分くらいのところに決算カードを1枚挿し入れます。そしてこの山札の上に残りの決算カードを載せます。

最後によけておいた4分の1の株式カードを一番上に乗せて完成です。

ゲームの流れ

ゲームはスタートプレイヤーから時計回り順に進んでいきます。自分の手番となったら、以下の4つの選択肢から1つを選び、処理していきましょう。処理し終わったら次のプレイヤーの手番です。ゲームは決算と呼ばれるイベントが3回終了した時に終了となります。

A.ルートライセンスを購入する
B.株式カードを出し、配当を受け取る
C.エア・アバクス社の株式カードを受け取る
D.紙幣を受け取る

ここからは各選択肢ごとに解説していきますね。

A.ルートライセンスを購入する

プレイヤーは任意の航空会社とルートを選び、購入可能なルートライセンスを購入します。ルートライセンスを購入したら、記されたコストを支払い、購入したルートライセンスの上に選んだ航空会社の飛行機駒を置きましょう。また、プレイヤーは続けて2個目のルートライセンスを購入することができます。

ルートライセンスとは、ゲームボード上のルート(航路)の間に記されている数字のことです。プレイヤーは購入可能なルートライセンスを購入して空路を接続し、株式カードを得ることができます。ルートライセンスを購入するルールは以下の通りです。

  • 新しく購入するルートは、その航空会社の空港マスに直接接続されていること
  • プレイヤーは選択したルートの中で最も安いルートライセンスを購入すること
  • それぞれのルートで所有できるルートライセンスは、各空港会社1つのみ
  • あるルートで全てのルートライセンスが購入されていた場合は、そのルートのルートライセンスは購入することができません
  • 飛行機駒のストックを持っていない航空会社は、どのルートライセンスも購入できません。

プレイヤーが1個か2個のルートライセンスを購入したら、株式市場か株式カードの山札から任意に株式カードを1枚引き、手札に加えましょう。もし株式市場からカードをとった場合は、すぐさま株式市場にカードが全て埋まるように株式カードの山札から補充して下さい。ちなみにルートライセンスを購入した個数が1個や2個でも、手札に加えられる株式カードは1枚のみです。

最後にルートライセンスを購入した航空会社のコスト分だけ、ゲームボード上の決算トラックにある航空会社マーカーを進めましょう。

遠方都市への接続

ゲームボードには、破線で記された4つの遠方都市があります。ルートライセンスのコストも高く、用意されたライセンスも1つだけです。

接続ボーナスについて

飛行機駒と株式カードが他の航空会社とは少ない4つの航空会社。この4社は自分の航空マスと特定の目的地と空路を接続すると、ボーナス点を獲得することができます。特定の目的地は、予めゲームボードに置かれた接続ボーナスタイルに記されているので確認して下さい。

ルートライセンスを購入し、接続ボーナスが得られる空路(自社の航空マスと目標となる都市が途切れることなく接続されている状態)が完成された場合、すぐに決算トラック上の、対応する航空会社マーカーを進めます。

進めるマスの数は接続ボーナスタイルに記されているので確認しましょう。接続ボーナス点の処理を終わらせたら接続ボーナスタイルをゲームから除外します。

B.株式カードを出し、配当を受け取る

手札の株式カードを自分の手元に置き置き、「持株」に加えられます。出し方は以下の通りです。

  • 1つの航空会社の株式カードを任意の枚数を持株にする
  • 2つの異なる航空会社の株式カード1枚ずつ持株にする

以上のどちらかの方法で持株にした後、手札から持株にしたカード1枚につき2ミリオンユーロを配当金として受け取ります。

C.エア・アバクス社の株式カードを受け取る

手札から持株カードを捨てることで、1枚か2枚のエア・アバクス社の株式カードを手札に加えることができます。

プレイヤーが捨てた株式カードが1枚なら1枚のエア・アバスク社の株式カード。3枚捨てたら2枚のエア・アバクス社のカードを手札に加えましょう。捨てられた株式カードはゲームの外にでも置いておきます。

エア・アバスク社について

エア・アバスク社は特別な航空会社です。エア・アバスク社には飛行機駒が存在しないので、ルートライセンスの購入も不可能となります。

エア・アバスク社によってもたらされる勝利点は決算のたびに増えていき、あらかじめ決められているのです。そして、エア・アバスク社の株式カードはこのアクションCでしか手に入れることができません。

D.紙幣を受け取る

プレイヤーは銀行から、8ミリオンユーロを得ることができます。

決算について

決算は株式カードの山札から決算カードを引かれた時に発生します。決算カードを引いたプレイヤーは決算カードを左隣のプレイヤーの手元に置きましょう。その後引く予定だった株式カードを改めて引きます。そしたらすぐに決算開始です。

①時計回り順に株式市場からカードを1枚引く

決算カードが置かれているプレイヤーから時計回り順に決算を始めます。各プレイヤーは株式市場からカードを1枚選び、手札に加えましょう。株式市場へのカードの補充はしないでおいて下さい。その後、株式市場に残っている株式カードを全てゲーム外に除外します。そして新たに株式カードの山札から株式市場にカード5枚を補充しましょう。

②勝利点を得る

得られる勝利点は各プレイヤーの「持株」により、勝利点を獲得することができます。決算カードを手元に置かれたプレイヤーは、決算トラック上で最もコマが進んでいる順番に、航空会社の名前を呼び上げていきましょう。

各プレイヤーは読み上げられた航空会社の名前の持株を確認し、何枚所持しているかを時計回り順に宣言します。次にゲームボード上の得点表を確認しましょう。得点表には決算トラック上に範囲が記されているので、その範囲内にあるコマの得点表を確認します。

読み上げられた航空会社で、1番持株を持っているプレイヤーは得点表の一番大きな数の勝利点を獲得することができます。2番目に多くの持株を持っているプレイヤーは、2番目に大きい数の得点を手に入れられるという具合です。対応する航空会社の株式カードの持株を持たないプレイヤーは、勝利点を獲得することができません。

複数のプレイヤーが同じ持株数で並んだ場合、手に入れられる得点を合計し、そのプレイヤー人数で割ります。割り切れない場合は繰り上げで計算しましょう。

以上の流れを各航空会社ごとに行い、決算を行います。

③エア・アバスク社の決算

エア・アバスク社の決算は最後に行われます。エア・アバスク社で獲得できる得点は決まっており、以下の通りになるので参考にして下さい。

1回目の決算:4-2-1-0
2回目の決算:8-4-2-1-0
3回目の決算:16ー8ー4ー2ー1

以上全ての決算が終了したら、決算カードが置かれたプレイヤーからゲームを再開しましょう。決算カードは除外しておいて下さい。

特殊なケース

稀にプレイヤーのアクションにより、銀行が所持している紙幣よりも多くの金額を受け取ることになる場合がます。その場合、銀行の破産となり一旦ゲームを中断しましょう。

銀行が破産したら8ミリオンユーロ以上の所持金を持っているプレイヤーは、所持金を8ミリオンユーロになるように紙幣を銀行に返します。

次に株式市場に並べられている株式カードを全て取り除き、株式カードの山札から新たに5枚の株式カード株式市場に補充しましょう。そして紙幣の受取を一旦やめていたプレイヤーは、その紙幣を銀行から受けとってゲームを再開します。

ゲームの終了

ゲームの終了は3回目の決算が終了した時です。その時点で勝利点が最も多いプレイヤーが勝者となります。同点となった場合は、持株の中でエア・アバスク社のカードを一番多く所持しているプレイヤーが勝者です。

極めて稀なケースですが、すべての航空会社がルートライセンスを購入できなくなる場合があります。この場合になったら最後の決算をただちに行い、勝利者を決めましょう。

感想:考えどころが多く悩みが尽きない経済ゲーム!

アラン・R・ムーンと言えば、「チケット・トゥ・ライド・ヨーロッパ」や「エルフェンランド」のように旅をテーマにしたボードゲームが多いですが、今回紹介した「エアライン・ヨーロッパ」も似たようなテーマが含まれています。空路を繋げていくのは、どこか「チケット・トゥ・ライド・ヨーロッパ」を思い出させますよね。それに加えて株式などの経済要素が組み合わさっているので、ゲーム内容は濃いと思います。

このゲームは何よりも筆頭株主となり、多くの勝利点を集めるのが勝利への鍵です。筆頭株式になるためには対応する航空会社を持株にし、その航空会社の空路を伸ばす必要があります。持株を増やすには同じ航空会社の株式カードを一気に出すのが効率的でしょう。1枚だけ持株にするのはあまり良い方法ではないと思いました。

また、出してもあまり意味のないようなカードが手札にある時は、エア・アバスク社の株式も狙い目です。エア・アバスク社は3回目の決算まで決められた報酬が貰え、その上3回目の決算で筆頭株式なら最高報酬の16点がもらえます。中盤あたりまでにエア・アバスク社でリードしていると、かなりのアドバンテージになるでしょう。

空路を繋げていくのは、終盤に重要になってきます。終盤になるとある程度プレイヤーの得点源が限られてくるので、新しい航空会社の株をとるよりは、自分の得点源となる航空会社の空路を伸ばすことがメインになってくるパターンが多いです。この時に他のプレイヤーと相乗りしたり、空路を妨害したりするなどの方法も有効でしょう。

実際に遊んでみると上記のこと以上に悩ましい選択が多くあります。まさに考えどころが多く、悩ましい選択の連続なのでゲーム中は悩みが尽きないでしょう。そのため遊んでいる時は、時間を忘れて没頭してしまいました。

まとめ

「エアライン・ヨーロッパ」は悩みどころが多く、内容が濃い経済ボードゲームでした。アラン・R・ムーンらしく、旅の要素も忘れていませんので濃厚なゲーム体験ができると思います。

アラン・R・ムーンの絶版ボードゲームを継承しているので、「エアライン・ヨーロッパ」は、ある意味アラン・R・ムーンの集大成的なところもあるのではないでしょうか。アラン・R・ムーンが好きな方はぜひ遊んでみて下さい。

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