中世の時代、イングランドで王位継承権を巡る争いがありました。
争ったのは二大勢力である白バラの紋章をもつ「ヨーク家」と赤バラの紋章をもつ「ランカスター家」の両家です。この争いは後世では「薔薇戦争」と呼ばれます。
プレイヤーであるあなたは、両家どちらかの領主となり、広大な地域を支配する為に戦います。果たしてあなたはこの「薔薇戦争」に勝利できるでしょうか。
基本情報
プレイ人数:2人か4人
プレイ時間:約30分
対象年齢:10歳以上
ゲームデザイナー:ディルク・ヘン
「ローゼンケーニッヒ」ってどんなゲーム?
「ローゼンケーニッヒ」は古くから愛されている名作2人用ボードゲームです。
ゲーム内容は、シンプルながらも奥深い陣地取りゲームのような内容です。読み合いと論理的思考が非常に面白いゲーム内容となっています。
最近ではリニューアルされて、4人でも遊べるようになり、より遊びやすいゲームになっています。20年以上前から遊び続けられ、現在でもリニューアルされているので、「ローゼンケーニッヒ」は、多くのファンがいることは想像に難くないでしょう。
ゲームのルール
ゲームの準備
- プレイヤーは白バラ(ヨーク家)か赤バラ(ランカスター家)どちらかを選択する。
- 「紋章コマ」をひとつにまとめて、ゲームボード脇にまとめて置いておく。
- 「進軍カード」をよくシャッフルし、各プレイヤーに5枚ずつ配ります。残りは山札として裏向きで脇に置いておきます。
- お互いのプレイヤーは、受け取った5枚の「進軍カード」を表向きで自分の前に並べてください。この時、「進軍カード」に記載されている王冠の絵と、ゲームボードに描かれている王冠の絵と同じ向きになるように置いてください。
- 各プレイヤーは、自分の色の4枚の騎士カードを受け取ってください。受け取った「騎士カード」は「進軍カード」の隣にまとめて置きましょう。
- 王冠コマをゲームボード中央のマスに設置してください。
- 赤バラプレイヤーが先攻となりゲーム開始です。
以上でゲームの準備は終了です。
ゲームの手順
ゲームの手順は以下の3つの内の1つを選択して手番が終了し、次のプレイヤーの手番になります。
- 「進軍カード」を1枚使う
- 「進軍カード」を1枚引く
- 「進軍カード」と「騎士カード」を同時に使う
以上の3つの内、どれも選択ができない場合のみ、自分の手番をパスすることができます。
パスは何度でもできます。
それでは、1.〜3.の具体的な内容を解説していきます。
1.「進軍カード」を1枚使う
自分の前にある「進軍カード」を1枚使用することで、王冠コマを動かします。そして移動先のマスに自分の色の紋章コマを置いてください。
*紋章コマの置いた個数はゲームの勝敗に直結します。
進軍カードには、王冠コマを動かす「方向」と「距離」が描かれています。
- 「王冠コマを動かす方向」→件の先端
- 「王冠コマの動かす距離」→王冠に記載されている数字(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ)
使用したカードは捨て札にしてゲームボード脇に置いておきましょう。
また、王冠コマの移動にはルールがいくつかあります。
以下が王冠コマの動かし方のルールなので、参考にしてください。
■王冠コマの移動ルール
・数字分完全に移動する
王冠コマは「進軍カード」に記載されている数字分だけ、ぴったり移動しなくてはなりません。
・移動先が空いているマスである
王冠コマの移動先が、自分相手問わず紋章コマが置いてあるマスには移動できません。
・ボードの外に出るような進軍カードは使用できない。
ボードの外を超えてしまうような距離の「進軍カード」は使用できません。
・コマをまたいで移動できる
王冠コマは相手自分の紋章コマを飛び越えて移動することができます。
しかし、移動先には紋章コマが設置されていないマスでなければなりません。
・移動先に紋章コマを置く
王冠コマの移動先に王冠コマが移動する前に、自分の色の紋章コマを王冠コマの移動先に置いてください。その後、置いた紋章コマの上に移動した王冠コマを置きましょう。
②「進軍カード」を1枚引く
山札から「進軍カード」を1枚引きます。
これは、自分の手持ちカードが5枚未満のみの場合に行うことが可能です。
つまり、「進軍カード」が自分の手元に5枚ある場合は、この選択はとれません。
引いたカードは自分の前に表向きで置いてください。ゲームの準備の時と同じように、カードの王冠の向きとゲームボードの王冠の向きを揃えましょう。
ちなみに、山札が尽きた場合は、捨て札をすべて回収してシャッフルし、新たな山札にしてください。
③「進軍カード」と「騎士カード」を同時に使う
「進軍カード」と「騎士カード」を同時に使用することで、王冠コマを相手の紋章コマのあるマスに移動させることができます。
そして移動先の紋章コマを裏返してから、王冠コマをそのマスに置けます。
つまり、相手の紋章コマを自分の紋章コマに変え、王冠コマをその上に置くということです。
*騎士カードは4枚しかないので、4回しか使用できません。ここぞという時に使いましょう。
ゲームの終了
以下のどちらかの状況になった時、ゲームは即座に終了です。
- プレイヤーが2人とも「進軍カード」を5枚持ち、且つ何も行動が取れない時。
- 紋章コマが全てボード上に置かれた時。
ゲームが終了したら、各プレイヤーは自分の紋章コマの得点を計算します。得点計算をして合計点の多いプレイヤーが勝者です。
得点の計算方法
得点の計算は、紋章コマがどれだけ繋がっているかがカギです。
紋章コマの繋がりは、縦と横にしか繋がっているとみなされません。(ナナメは繋がってません)
1つに繋がっているコマの数を数え、その数に2乗した数が得点となります。そして、それぞれ繋がっている紋章コマをの繋がっているコマの数の2乗した得点、これを全て合計した数が最終得点です。
分かりにくいと思うので、下の画像で解説します。
上の画像で白バラの得点計算をしてみましょう。
白バラは真ん中の繋がっているコマが8個あります。この部分が8×8で64点です。
右下の白バラは2個繋がっているので、2×2で4点です。
最後に左側の白バラが1個あるので、1×1で1点。
つまり白バラの合計は、「64+4+1」で69点となります。
ナナメは繋がっていることにはなりません。
4人用ルール
4人用ルールでは、2組のペアとなって勝負となります。手番は赤バラチームからはじめ、白バラチームと交互に進めていってください。
「進軍カード」は1人3枚で、「騎士カード」は1人2枚を受け取ります。持てる「進軍カード」の上限は1人3枚までです。
カードは同じチーム内で渡したりすることはできません。また、チーム同士で会話することも不可能です。
上記以外では、通常のルールと同じになります。
感想:シンプル且つ奥深い超名作ボードゲーム!
「ローゼンケーニッヒ」は20年以上も前から遊ばれ続けている2人用ボードゲームですが、実際に遊ぶとその非常に完成しつくれたゲーム内容に感服するぱかりでした。
まず面白いところは、お互いの「進軍カード」が相手にも見えているところ。
これにより、常に相手の手の内がわかるので、相手の考えを読むことができます。
しかし、それは相手も同じ。このゲームは互いの手の内を曝け出しつつ、うまく陣地を確保していかなければならず、非常にスリリングな読み合いが楽しめます。
また、「騎士カード」を使うタイミングも重要です。
「騎士カード」をどこで使用するかで、ゲームの勝敗は大きく変わるでしょう。
これも駆け引きの1つなので、相手の手を読むことが大事です。
一見、囲碁や将棋のように運要素が絡まないゲームに見えなくもないですが、上記2つの要素で駆け引きと僅かな運要素が絡むので、非常にバランスの良いゲーム内容です。
強いてネックを言えば、得点計算が少し面倒ということくらいかなと思います。
このバランスの良さが、ゲームの完成度と長年遊び続けられている理由なのかと思いました。
まとめ
「ローゼンケーニッヒ」は非常にゲームバランスが完成された名作ボードゲームでした。
初めてボードゲームを遊ぶ方でも、ボードゲーム熟練者でも楽しめるゲームだと思います。
まだプレイしていないという方は非常にもったいないので、ぜひ「ローゼンケーニッヒ」を手にとって、遊んでみてください。