今世界には4種類の病原菌が拡散しています。もしこのまま病原菌が拡散されていけば、世界は滅びてしまうでしょう。世界の危機を救うために、あなたは高度な技術をもった医療研究チームの一員となるのです。これ以上世界に病原菌が拡大するのを防ぐため、チームで力を合わせて時間内にワクチンを作りましょう。
基本情報
プレイ人数:2人〜4人
プレイ時間:約45分
対象年齢:8歳以上
ゲームデザイナー:マット・リーコック
「パンデミック:新たなる試練」はどんなゲーム?
「パンデミック:新たなる試練」はプレイヤー同士協力しながらワクチンを開発していくボードゲームです。ワクチンを全て開発し全員が勝利するか、病原菌が拡散して全員が敗北になるか。「パンデミック:新たなる試練」は全員が勝つか負けるかの協力ボードゲームなのです。
ゲームの遊び方
「パンデミック:新たなる試練」では、プレイヤーが全員勝利するか負けるかです。勝利条件と敗北条件は以下の通りになります。
勝利条件▼
4種類の病原菌の治療薬を作る(病原菌は全て根絶する必要はありません)
敗北条件▼
①8回目のアウトブレイクを迎える時
②病原菌コマを設置する場合に、病原コマのストックがない時
③プレイヤーカードを引く場合に、プレイヤーカードの山札がない時
ゲームの準備
1,ゲームボードとコマの設置
ゲームボードの外側に「調査基地コマ(画像左)」6個と「病原菌コマ(画像右)」を色ごとに置きます。これらが共通のストックです。後はアトランタのマスに調査基地コマを1個配置します。
次に「アウトブレイクマーカー」をゲームボード上のアウトブレイクの「0」のマスに配置。最後に「治療薬マーカー」をビン側にして治療薬発見エリアに設置しましょう。
2,カードとプレイヤーコマへの配布
各プレイヤーに「参照カード(画像左)」とシャッフルした「役割カード(画像右)」を1枚ずつ配布します。
各プレイヤーは受け取った役割カードと同じ色の「プレイヤーコマ」を受け取り、すべてアトランタのマスに設置しましょう。使用しないカードとコマはゲームから除外します。
プレイヤーカードの中から「エピデミックカード」を6枚取り出し、脇に置きます。最後に「都市カード」と「イベントカード」をシャッフルし、プレイヤー人数に応じた規定の枚数を配布しましょう。
3,都市への感染
感染率マーカーを感染率表の一番左に設置します。
その後、「感染カード」をシャッフルし、上から3枚を公開。公開されたカードのゲームボード上の都市にその都市の色の病原菌マーカーを3個配置します。加えて、新たに感染カードを3枚公開し同じように病原菌マーカーを2個設置。最後に新たに感染カードを3枚引き同じ方法で各都市に病原菌マーカーを1個設置します。
ここで公開した9枚の感染カードは捨て札置き場に置きましょう。残りの感染カードはゲームボードに山札としておいて置きます。
4,「エピデミック」カードについて
「パンデミック:新たなる試練」には難易度を設定することができます。ゲームの難易度に応じて「エピデミックカード」の枚数は変わるのです。難易度は以下の通りになります。
入門レベル:4枚 標準レベル:5枚 英雄レベル:6枚
初心者の方はまず入門レベルから遊んでみましょう。
難易度ごとで使用するエピデミックカードの枚数と同じ枚数だけ、裏向きのまま山札として分けていきます。その後分けた山札ごとにエピデミックカードを1枚ずつ加えて、各山札ごとにシャッフル。一番枚数が少ない山札を一番下にして1つの山札として、ゲームボードに設置します。
以上でゲームの準備は終了です。
ゲームの流れ
各プレイヤーは、以下の通りに手番を実行していきます。
- 4つのアクションを実行
- プレイヤーカードを2枚引く
- 感染の処理
ゲーム中はプレイヤー同士で自由に会話することが可能です。しかし、何を実行するかはその手番のプレイヤーのみで行いましょう。
1,4つのアクション
全てのプレイヤーはアクションを4つ選択し、実行することができます。
選択できるアクションは以下の通りです。
- 移動アクション
- 調査基地の設置
- 治療
- 知識の共有
- 治療薬発見
順番に解説していきます。
移動アクション
移動アクションは自分のコマを他の都市に移動させます。
移動の方法は以下の4通りです。
A、白線で繋がった隣接する都市に移動
B、都市カードを1枚捨て、捨てた都市カードの都市に移動
C、今いる都市の都市カードを捨て、好きな都市へ移動する
D、調査基地がある都市から、他の調査基地に移動する。
調査基地の設置
自分のコマが現在いる都市と同じ都市カードを捨て札にすることで、その都市に調査基地を設置できます。
治療
自分のコマがいるマスの病原菌マーカーを1つ取り除きます。もしすでにその病原菌マーカーの色の治療薬を見つけている場合は、1回でそのマスの病原菌マーカーを全て除去することが可能です。
知識の共有
自分と他のプレイヤーが同じ都市に位置し、自分が位置している都市の都市カードを所有していたら、同じ都市に位置している他のプレイヤーにその都市カードを渡すか受け取ることができます。
治療薬の発見
自分のコマが調査基地のある都市に位置している。さらに自分の手札から同じ色の都市カードを5枚捨て札にすることで、その色の治療薬を発見できます。
治療薬マーカーを所定の位置におき、治療薬が見つかったことがわかるようにしておきましょう。もし、その色の治療薬が見つかり、病原菌マーカーもゲームボード上から根絶できたらその色の病原菌は完全に根絶に成功したことになります。
以上のアクションを組み合わせて、合計4つまでアクションを実行します。4つのアクションを実行したら自分の手番は終わりです。
2,プレイヤーカードを2枚引く
4つのアクションを実行した後は、プレイヤーカードから2枚のカードを引きます。
引いたカードは手札としてもっておきましょう。
引いたカードに「エピデミックカード」があった場合、即座に以下の処理を行います。
A.感染率の上昇
ゲームボードの感染率表のマーカーを右に1つ分移動させます
B.感染
感染カードの山札から一番下のカードを引きます。その感染カードの色の病原体が完全に根絶されていない限り、そのカードの都市に3個の病原菌コマを設置。
1つの都市に病原菌コマは3つまでしか置けません。もし3つ置かれた都市が感染したら「アウトブレイク」が発生。アウトブレイクについては感染の処理の項目にて解説します。引いた感染カードは捨て札として置いておきましょう。
C.感染の増加
感染カードの捨て札にあるカードを裏向きにして、シャッフルします。
そして残りの感染カードの山札の上に設置しましょう。
上記の処理終了後、エピデミックカードはゲームから取り除きます。
3,感染の処理
カードを引き終わったら、感染の処理を行います。
感染カードの山札から、現在の感染率マーカーの下部に記された数字の数だけカードを公開。
感染の処理は引いたカード1枚ずつ行います。引いたカードとゲームボード上の同じ都市に病原菌コマを1個設置。これらを引いたカードごとに処理しましょう。感染の処理が終了したカードは捨て札となります。
*アウトブレイクについて
アウトブレイクは1つの都市に同色の病原体コマが4個以上になってしまった時に発生します。
アウトブレイクが発生したら以下の処理を実行しましょう
- アウトブレイクマーカーを1コマ進める
- アウトブレイクが発生した都市と白線で繋がる都市全てに病原体コマを1個ずつ設置
- 処理し終わった感染カードを捨て札にする
アウトブレイクが発生し隣接する都市に病原菌コマが設置されると、隣接する都市も連鎖してアウトブレイクが発生します。
この場合は、1つめのアウトブレイクの処理の後に連鎖したアウトブレイクの処理を同じ方法で処理しましょう。1枚の感染カードを処理中は、同じ場所で2度アウトブレイクが発生することはありません。
イベントカードについて
イベントカードは手番中いつでも使用することが可能です。そして、イベントカードはアクションの回数には入りません。
*エピデミックカードと一緒に引いた場合は、エピデミックカードの処理の後に使用することができます
感想:協力ゲームの傑作でやりごたえあるボードゲーム!
協力ボードゲームの代表作と言っていいほどの傑作ボードゲームです。
ゲーム自体の難易度が非常に高くやりごたえのあるゲームとなっています。一番低い難易度でもクリアするのに骨が折れますよ。ゲームをプレイするごとに環境や状況が全く変わってくるというところも面白いです。
このゲームで一番恐ろしいところは、「エピデミックカード」が出て来るところ。エピデミックカードは使用された感染カードをもとに戻すからアウトブレイクが起こる可能性が高くなります。アウトブレイクが連鎖したらそれだけでゲームオーバーに一直線!なんてこともあり得るので注意が必要です。
しかし、エピデミックカードは特別なシャッフルをするが故に定期的にでてくるカード。これも工夫が凝っていて面白いポイントです。定期的に出てくるということは、ある程度エピデミックカードが出て来るタイミングが予想できます。エピデミックカードが出て来るタイミングを予想して、調査基地を設置しながら病原菌マーカーを計画的に消していくのが良いかなと思います。本当に協力が重要なゲームです。
イベントカードやプレイヤーの役割の能力をうまく駆使していき、無駄を少なくしてアクションを起こしていくのも重要。カードの渡し方も効率的に行わなければ時間が足りなくなってしまいます。
ちなみに、「パンデミック:新たなる試練」には多くの拡張セットがあります。この基本セットが飽きてきたら拡張セットを試してみるのもおすすめです。基本セットでも申し分のない面白さですが、拡張セットで長く遊べるのも「パンデミック」の魅力ですね。
まとめ
「パンデミック:新たなる試練」は協力ボードゲームの傑作と言っていいゲームです。ボードゲームで協力ゲームがやりたいというなら、「パンデミック:新たなる試練」はまず買っておくべきでしょう。
絶対に損はしないボードゲームの代表格の1つですので、まだ遊んでいない方はぜひ遊んでみてください。