「アブルクセン」は数々の名作ボードゲームを生み出したクラマーとミヒャエルがコンビを組んで生み出したゲームです。「アブルクセン」も国際ゲーマーズ賞で入賞するなどの成績を誇る名作ゲーム。大富豪に近い感覚のゲームから遊びやすいので、ぜひ遊んでみてください。
基本情報
プレイ人数:2人〜5人
プレイ時間:約20分
対象年齢:10歳以上
ゲームデザイナー:ウォルフガング・クラマー & ミヒャエル・キースリング
「アブルクセン」はどんなゲーム?
「アブルクセン」はカードのみを使ったゲームですが、非常に選択肢の多いゲームです。出来るだけ手札の数を減らしていくというシンプルな目的なので、数回遊んだらルールには慣れると思います。戦略性が高く、トランプの大富豪にも似ているので馴染み深いゲームです。
ゲームの遊び方
ゲームの準備
- 一番若いプレイヤーに「手番カード」を渡しておきます。
- 他のカードを全てまとめてシャッフルし、各プレイヤーに裏向きのまま13枚ずつ配ります。
- 残ったカードは山札として中央に置いておきましょう。
- 山札の上からカードを6枚引きます。それら6枚のカードを順番に一列に並べましょう。こうして並べられたカードが「公開札」です。
ゲームの流れ
手番カード(画像下)を持っているプレイヤーから時周りの順番で手番を行っていきます。
手番プレイヤーが行うアクションは以下の通りです。
- 手札の中から1枚のカードを選んで、自分の前に出す。
- 同じ数字のカード2枚以上を1セットとして、まとめて自分の前に出す。
*カードを出す場合は、各カードの数字が見えるように並べましょう。
また、すでに自分の前に出しているカードがある場合は、すでに出してあるカードの少し前方にずらして重ねてください。これらの方法で出されたカードを「カードの山」と言います。
「吹き飛ばし」について
手番プレイヤーが自分の前にカードを出した時に、「吹き飛ばし」という現象が発生します。この「吹き飛ばし」はこのゲームも要となるルールです。
「吹き飛ばし」は場に出されたカードと、他のプレイヤーの山の一番上のカードのセットの間で起こります。
「吹き飛ばし」には条件があり、手番プレイヤーがカードを場に出したら、そのつど他のプレイヤーのカードの山を確認し、「吹き飛ばし」の判定を行わなければなりません。
もし、「吹き飛ばし」が発生したら「吹き飛ばし」の処理を行って手番は終了です。「吹き飛ばし」がなければ、そこで手番は終了となります。
手番が終了したら、「手番カード」を左隣のプレイヤーに渡して、そのプレイヤーが次の手番プレイヤーです。
「吹き飛ばし」の発生条件
手番プレイヤーによる「吹き飛ばし」が発生するプレイヤーの条件は以下の通りです。
・手番プレイヤーの出したカード(セット)が、他のプレイヤーのカードの山にある一番上にあるカードと、「同じ枚数のセット」であること。尚且つ、「手番プレイヤーのカードの方が数字が大きい」場合であることです。
出したカードが他プレイヤーのカードの山で一番上のカードと「同じ枚数のセットであり、手番プレイヤーのカードの数字が大きい場合であること。
これが「吹き飛ばし」の発生条件です。
*「吹き飛ばし」は時計回りの順番で1人ずつ全員分を確認していきます。「吹き飛ばし」が発生したら、その都度処理を行いましょう。
「吹き飛ばし」の処理
「吹き飛ばし」が発生した場合、以下の手順で処理を行います。手番プレイヤーと、「吹き飛ばし」が発生した相手プレイヤー間の処理です。
- 相手プレイヤーは自分のカードの山から一番上のカードを山からどかす。
- 手番プレイヤーは相手プレイヤーが山からどかしたカードを受け取って手札に加えるか、受け取らないかを選択。受け取った場合、相手プレイヤーはどかしたカードの枚数分を場から補充します。
- 手番プレイヤーがカードを受け取らなかった場合、次は相手プレイヤーがそのカードを手札に戻すか、捨て札にするかを選択します。
- 相手プレイヤーがそのカードを捨てた場合は、相手プレイヤーはその枚数と同じだけ場からカードを補充しなければなりません。
例えば、上の画像で左下にカードを置いているプレイヤーが「10」の2枚セットを出しました。この時に吹き飛ばしの確認を行います。吹き飛ばしの確認は時計回りに行うので、左上のプレイヤーから吹き飛ばしを確認します。左上のプレイヤーの置いているカードは「13」の1枚で、枚数が違うので吹き飛ばしは発生しません。右上のプレイヤーは枚数も同じであり、数字も左下のプレイヤーが大きいので吹き飛ばしが発生します。
右上のプレイヤーと手番プレイヤー(左下)の間で吹き飛ばしの処理を行います。その後、右下のプレイヤーとの吹き飛ばしを確認します。右下のプレイヤーはカードの枚数が異なりますので、吹き飛ばしは発生しません。これで左下のプレイヤーの手番は終了です。
手札の補充について
「吹き飛ばし」でプレイヤーが手札を補充する場合は、公開札か山札から補充します。
カードは1枚ずつ引いていきます。1枚補充するたびに、次に引くカードをを公開札から引くか、山札の上からカードを引くか選択していかなければなりません。
カードの補充が終了して、公開札が6枚以下に減っている場合はがあります。その場合は、カードの補充が終了した後に、山札から公開札が6枚になるように表向きで公開しましょう。
*山札にカード引くカードがない場合は、公開札の不足分は無視して構いません。
ワイルドカードについて
ワイルドカードはトランプのジョーカーと同じように、どの数字の代用としても使用することができるカードです。他のカードとセットで出した時、ワイルドカードはセットで出した数字と同じ数字になります。
また、ワイルドカードだけで場にだすことも可能です。
その場合のワイルドカードは、一番大きい数字である「13」としてみなします。
ゲームの終了
次の2通りの状態になった時に、直ちにゲームは終了となります。
- 誰かのプレイヤーの手札がなくなった時
- 山札も公開札もなくなった時
以上のどちらかの状態になったら、ゲームは終了です。「吹き飛ばし」の最中にいきなり終了することもあります。ゲームが終了したら、各プレイヤーは自分の特典を集計しましょう。
プラスとなる得点→自分のカードの山に含まれているカードの枚数
マイナスとなる得点→自分の手札に残っているカードの枚数
集計が終了して、最も得点が大きいプレイヤーが勝者です。
感想:戦略性が高く、何度でも遊びたくなってしまうゲーム!
確かに大富豪と感覚としては似た所はありますが、手札を入れ替えていくゲームなので大富豪とは全く違ったルールとなっています。実際に遊んでみるとルールとゲームバランスがよく考えられていて、驚嘆しました。
「アブルクセン」は単純に強いカードを出していけばいいのではなく、手札の入れ替えが最も重要になるゲームです。
1枚しかないカードをわざと吹き飛ばしの対象に仕向け、公開札のカードを補充して、自分の手札を強くしてから一気に出すという方法もとれます。
いかにして吹き飛ばしを不用意に喰らわないようにして手札を強化しつつ、後半に手札の枚数を減らしていくかがカギです。その意味ではいかなる手札であろうと戦略しだいでは勝てるので、最初の手札では勝敗が全く予想できないというところも「アブルクセン」の魅力ですね。
大富豪よりもプレイヤー同士の駆け引きがあるので、心理戦的な要素もあるのでとても盛り上がると思います。
大富豪と感覚は似ていますが、実際は全く違うゲームとして楽しめるはずです。
まとめ
「アブルクセン」は大富豪と似たような感覚で遊べながらも、戦略性に富んだ傑作ボードゲームです。手札を入れ替えながら、手札を強くして、少なくしていくのは非常に頭を使います。単純に強いカードを出していれば勝てるゲームではないですので、よく考えこまれたゲームだと思いました。