今回はちょっとマイナーですが、ヴォルフガング・ウォルーシュのボードゲームについてご紹介いたします。
ヴォルフガング・ウォルーシュは、最近のボードゲーム界でも賞などを獲得した、新鋭のボードゲームデザイナーです。一部からは天才との声もあります。
他のデザイナーでは味わえないような、変わったゲームデザインで、且つ馴染みやすく中毒性のあるゲーム内容が魅力的です。
この記事でヴォルフガング・ウォルーシュのボードゲームに少しでもご興味を持って頂いたら幸いです。
ヴォルフガング・ウォルーシュとは
ヴォルフガング・ウォルーシュは、1980年にオーストリアで生まれたボードゲームデザイナーです。
ウィーン大学で微生物学と遺伝学を学び、2016年頃から研究所で働いています。
ボードゲーム制作は20歳頃から趣味として始め、2015年にボードゲームデザイナーとして正式にデビューしました。
そして2018年に代表作「ザ・マインド」を発表。本作はドイツ年間ゲーム大賞に受賞。ここからヴォルフガング・ウォルーシュの名前がボードゲーム界に広がり始めました。
さらにドイツ年間ゲーム大賞だけでなく、エキスパートゲーム大賞にヴォルフガング・ウォルーシュのボードゲームがノミネート。つまり、同一のデザイナーのゲームが多くノミネートされたのです。これは、中々見られない異例の受賞歴なので、まさに天才と言っても過言ではない実績を誇っています。
ヴォルフガング・ウォルーシュのゲームの特徴ですが、これは実際に遊んでみなくてはわからないと個人的には思います。ルール自体は簡単なものが多いですが、その中毒性や万人受けするようなゲーム内容は唯一無二です。
そんなヴォルフガング・ウォルーシュのボードゲームをこれからいくつかご紹介致しますね。
ヴォルフガング・ウォルーシュの代表ボードゲーム
①「ザ・マインド」
プレイ人数:2人〜4人
プレイ時間:約20分
対象年齢:8歳以上
ヴォルフガング・ウォルーシュの代表作といったら、この「ザ・マインド」です。
協力系のボードゲームですが、普通の協力系ボードゲームなら多く存在する、会話やジェスチャーなどの要素が一切できないのが特徴的。
ゲーム内容はいたって簡単です。プレイヤー全員で、手札にあるカードの数字を小さい順に重ねていくだけ。しかし、「ザ・マインド」は協力ゲーム。他のプレイヤーと協力してゲームクリアを目指さなくてはなりません。
もし自分がカードを出した時、他のプレイヤーが持つカードより大きいカードを出したら失敗です。つまり、プレイヤーは他のプレイヤーと阿吽の呼吸でカードを出していかなければなりません。
実際に遊んでみると、これが絶妙に難しい!大丈夫だと思っていた数字がダメだったということはザラにあり、プレイヤー同士で答え合わせをする瞬間がとても面白いです。
ゲーム攻略に必要なことは、まさにプレイヤー同士の感覚や心。まさにプレイヤー同士のマインドが試されるゲームです。
ルールは非常に簡単で、よくありそうなゲーム内容ではあるのですが、今までなかった協力ゲームです。値段も手頃で、コンパクトなゲーム内容なので、ボードゲームが初めてな人でも楽しめます。
ヴォルフガング・ウォルーシュの代表作であり、初めての方はこの「ザ・マインド」から遊ぶのがよいでしょう。ぜひ手にとって遊んでみてください。
個別レビュー記事もありますのでよかったらこちらもご覧ください↓
②「イリュージョン」
プレイ時間:2人〜5人
対象年齢:8歳以上
プレイ時間:15分程度
視覚を題材にした、ヴォルフガング・ウォルーシュの変わったボードゲームです。
ゲーム的にはあまり知れ渡っていないところがありますが、ヴォルフガング・ウォルーシュのボードゲームの中でも、ちょっぴり変わったゲーム体験ができるので、ここで紹介させて頂ければと思います。
プレイヤーは時計回りで、順番にカードを1枚引いて、場に出していきます。
カードには4つの色を使った絵が書かれています。プレイヤーは、カードに描かれている絵に、赤などの特定の色がどれくらい含まれているかを考えます。
例えば赤が指定された場合、自分の引いたカードの絵が、前に出されたカードの絵より赤色が多く使われているかどうかを考えます。そして、大きい順に並べていく。以上がおおまかのゲームの流れです。
カードの裏には、各色がどれくらい使われているのかの、パーセンテージが記載されています。それできちんと大きい順に並んでいるのかをチェックできます。
ゲーム的にはダウトを宣言して、カードの裏を確認し、きちんと大きい順にカードが並んでいたら、ダウト宣言者の負け。並び順が違っていたらダウト宣言者の勝ち。といった具合です。
実際に遊んでみると、結構外すこともあり、新鮮な感覚で遊べます。
これもありそうで今までなかった新感覚のボードゲームです。まさにヴォルフガング・ウォルーシュらしさが出てるボードゲームだと思います。こちらも「ザ・マインド」と同じように、手頃な値段でコンパクトなゲーム内容なので、ぜひ手にとって遊んでみてください。
個別レビュー記事もありますのでよかったらこちらもご覧ください↓
③「クアックザルバー」
プレイ時間:2人〜4人
対象年齢:10歳以上
プレイ時間:45分程度
チキンレースがテーマのボードゲームです。シンプルながらもジレンマが楽しめます。
プレイヤーは薬を作ることが目的です。自分の薬袋から、チップを1枚引いていき、調合して薬を作っていきます。特定の材料を引きすぎると、薬は爆発してしまいます。うまく配合して得点の高い薬を作るのがおおまかなゲーム内容です。
調合するものによっては、コンボにより高得点になったり、特別な効果があったりするところもゲームを盛り上げてくれます。他にもイベントなどが多くあるので、プレイヤーに暇な時間を与えず、退屈させられることはないでしょう。
「クアックザルバー」は2018年ドイツ年間ゲーム大賞エキスパート部門を受賞しています。
ゲームボリューム的には中型〜大型ですが、慣れるとテンポよくゲームが進みます。運要素が若干強いゲームですが、きちんと戦略性もあり、万人が楽しめる傑作ボードゲームです。
ヴォルフガング・ウォルーシュのボードゲームは万人が楽しめるゲームが多いと思います。実際に代表作「ザ・マインド」と同じように、「クアックルザルバー」も万人が楽しめます。
現在(2022年9月下旬)「クアックルザルバー」は、Amazonでは取り扱いしておりませんが、個人的には再販したらぜひ遊んでみたいボードゲームの一つです。みなさんも機会がありましたら、ぜひ遊んでみてください。
④「ガンシュンクレバー」
プレイ時間:1人〜4人
対象年齢:8歳以上
プレイ時間:約30分程度
2018年ドイツ年間ゲーム大賞のエキスパート部門で、ノミネート作品に選ばれたボードゲームです。同年の同じ部門で、「クアックザルバー」で大賞を取ったのに、さらにノミネートされた作品となります。
この時点で、ヴォルフガング・ウォルーシュの天才っぷりがあらわになっていますね。
ゲーム内容的には、ダイスを使ったビンゴゲームのような感じです。
プレイヤーはまず最初に6つのダイスが配られます。手番が来たらサイコロを振り、出たダイスの色に対応する色をビンゴのようにシート上に入れていきます。そして、一番高得点を目指すというゲームです。
サイコロの色によって、マークするシートの形が変わっていたり、うまくダイスの目を選ばなければならないジレンマ的な要素もあります。
また、コンボなどで高得点を目指すこともできるので、運要素だけでなく、戦略性もある程度求められるゲーム内容となっています。
ソロ的な要素が強いゲームですが、その面白さは思わずやみつきになってしまい、ついつい何度もプレイしたくなるような中毒性を秘めています。
アプリで体験することができるので、ぜひ試しに遊んでみてくはいかがでしょうか。
・iOS版▼
https://apps.apple.com/jp/app/ganz-sch%C3%B6n-clever/id1411348057?ign-mpt=uo%3D4
・android版▼
https://play.google.com/store/apps/details?id=de.brettspielwelt.ganzschoenclever
⑤「クアックスと仲間たち」
2022年ドイツ年間キッズゲーム大賞にノミネートされたボードゲームです。
残念ながら日本語版での発売は今の所未定ですが、個人的に非常に楽しみにしているボードゲームですので、最後にご紹介させて頂ければと思います。
「クアックスと仲間たち」は、端的に言えば、「クアックザルバー」の子供用にアレンジされたようなボードゲームです。
袋から引いたチップを駆使して、スゴロクのようにコマを進めたり、チップによって様々な能力を使用することができます。最後まで誰が勝つかわからないドキドキ感が、売りのゲームです。子供版とはいえ、個人的には、「クアックザルバー」に負けないような面白さがあるような気がします。
子供向けのボードゲームでもゲーム大賞にノミネートされる、ヴォルフガング・ウォルーシュのゲームは、はやりすごい!の一言につきます。
日本語版が発売されておらず、遊ぶのはまだまだ先になってしまいそうなことが残念です。ぜひ、日本語版でも発売され、遊んでみたいものですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ヴォルフガング・ウォルーシュのボードゲームは、シンプルながらも奇抜で、中毒性のあるゲームが数多くあります。
入手が難しいゲームも多くありますが、ぜひ一度は触れてみたいゲームも多いです。
ぜひヴォルフガング・ウォルーシュのボードゲームを遊んでみてくださいね。