プレイヤーであるあなたは、孤島で1人気ままに暮らしていました。しかし、そんなあなたの島のもとにロビンソン・クルーソーが漂流してきます。
そして、あなたはロビンソンを島から出ていかせるために、ロビンソンにサバイバル技術を教えることになりました。
あなたは、ロビンソンにしっかりとしたサバイバル技術を教え込み、見事彼を島脱出まで導くことができるでしょうか。
基本情報
プレイ人数:1人
プレイ時間:25分
対象年齢:13歳以上
ゲームデザイナー:フリードマン・フリーゼ
「ロビンソン漂流記」はどんなゲーム?
「ロビンソン漂流記」は1人用のボードゲームです。プレイヤーであるあなたは、ゲームを通じてロビンソンを島から脱出できるように彼を導いてあげましょう。
ゲームは最終的に2隻の海賊船を撃退しなければなりません。しかし、ロビンソンの体力は限られています。無論、海賊船以外にも災害があるので、効率よくロビンソンの体力を使う必要があります。あなたの判断がロビンソンの運命を決めるのです。
ゲームの遊び方
ゲームの準備
①3種類のボードと山札を作る。
- 緑の山札配置ボードを左側に置き、その上に災厄/技能カード30枚の山札を置く。
- 茶色の山札配置ボードを右側に置き、その上に漂流カード18枚の山札を置く。これをロビンソン・デッキと呼びます。
- 水色の山札配置ボードを中央の上に設置。そこには衰弱カードの山札を設置します。
■衰弱カードの山札の作り方
衰弱カードの中から「バカ丸出し」カードをゲームから除外し、残ったカードである3枚の「深刻」と、7枚の「標準」の2つの山に分けましょう。それぞれ別にシャッフルして、「深刻」の山札を一番下に置き、その上に「標準」の山札を重ねます。これで衰弱カードの山札が完成です。
ちなみに、「深刻」はカードの下の部分に<白い髪と髭>が描かれているもの。「標準」は<黒い髪と髭>が描かれています。
②その他の準備
- 警戒カードを3枚重ねて、緑のボードの上に置きます。警戒カードは上から順番に、「緑、黄、赤(一番下が赤)」の順番で重ねてください。これが警戒レベルを表すカードになります。
- 茶色のボードの上に、体力コマを20個置いておきます。残る2個は一旦箱に入れておきましょう。
- 海賊船カードをまとめてシャッフルし、2枚引きます。引いた2枚を最終決戦の海賊船ということで、水色のゲームボードの左側に置いておきましょう。残りの海賊船カードはゲームから除外してください。
以上でゲームの準備は終了です。
ゲームの流れ
1.災厄カードの山札から2枚カードを引く
2枚の災厄カードを引いたら、その2枚の中から1枚を選択します。その選択したカードを表のまま中央に置いておきましょう。残った1枚は、災厄カードの捨て札として災厄カードの山札の上に置いておきます。
2.災厄に立ち向かう
1.で選んだカードがロビンソンが立ち向かう災厄です。
まずは災厄カードの左側に記載されている数字を確認します。その数字は、無償でロビンソン・デッキからカードを引くことができる枚数です。
1枚ずつめくり、中央に置いた災厄カードの左側に並べていきます。(左側に並べるのは無償で引いたカードのみ)
■災厄へ立ち向かう方法
災厄にロビンソンが打ち勝つには、災厄カードの右側に記載されている数字「災厄値」以上の数字を、ロビンソン・デッキから引いたカードの戦闘力(左上に記載されている数字)の合計で出す必要があります。
「災厄値」は警戒レベル(緑、黄、赤)によって、変化します。最初の警戒レベルは緑なので、緑の円内の数字を確認しましょう。
*無償で引くことができる枚数より、少ない枚数で災厄に打ち勝つ場合があります。その場合は、災厄に勝てる戦闘力になった時点でカードを引くのをやめて構いません。
A.災厄に打ち勝ったら
災厄に打ち勝ったら、ロビンソン・デッキの上の捨て札置き場に、打ち勝った災厄カードと使用した漂流カードを一緒に置いておきます。この時置かれた災厄カードは、今後ロビンソン・デッキの中で使用できるカードに変化するのです。災厄カードで逆さまに描かれているものが、漂流カードとして機能します。
B.災厄に勝てない場合
無償で引いた漂流カードで災厄に打ち勝てない場合、追加で漂流カードを引くことになります。その場合、ロビンソンの体力をである緑のコマを1個消費、一旦コマ置き場から外しましょう。体力1を消費するごとに追加の漂流カードが引けます。
追加で引いた漂流カードは、中央に置いた災厄カードの右側に置いておきましょう。
*無償でも追加でも各漂流カードを引くたびに、すでに置いた漂流カードの特殊能力を使用できるかどうか決めることができます。特殊能力を使用するタイミングや順番は全て任意で決めることが可能です。
各カードの特殊能力は、一度しか使用できないので、特殊能力をしたら使用したことがわかるように90度カードを横にしておきましょう。
C.災厄に意図的に負ける場合
災厄に打ち勝てなかった場合、災厄値と合計戦闘力の差だけ体力を失ってしまいます。その差の分の体力コマを在庫に戻しましょう。
災厄に負けた時、その災厄で公開された漂流カードをゲームから除外することができます。失った体力が1なら、漂流カードかロビンソン・デッキに追加された災厄カードを。失った体力が2なら、衰弱カードを除外できます。
立ち向かった災厄カードは、災厄カードの捨て札に置いておきましょう。
*意図的に災厄に負けてカードを除外することが可能です。災厄との戦いは災厄に勝つか、意図的に負けるかのどちらかしかありません。よく考えて判断を下しましょう。
3.災厄との戦いが終わった後
災厄との戦いが終わり、この時点で災厄カードの山札が2枚以上ある場合は、
最初の「1.災厄カードの山札から2枚カードを引く」、からゲームを進めてください。
災厄カードの山札が1枚のみ残っている場合は、それを表にして、立ち向かうかどうか判断しましょう。立ち向かう場合は、上記の「2.災厄に立ち向かう」から処理していきます。立ち向かわない場合は、以下の通りに処理しましょう。
■災厄カードの山札がなくなったら
まずは警戒カードの色を変えます。緑→黄→赤の順番で変わります。
そしたら、災厄カードの捨て札を全て回収してシャッフルしてください。これで新たな災厄カードの山札を作ります。その後、「1.災厄カードの山札から2枚カードを引く」から戻って、ゲーム再開です。
■ロビンソン・デッキがなくなった場合
ゲーム中いつでもロビンソン・デッキが尽きてしまうことがあります。
ロビンソン・デッキが尽きた場合、衰弱カードの山札から1枚引き、引いたカードの内容を確認せずに漂流カードの捨て札と一緒に回収し、シャッフルしましょう。それが新しいロビンソン・デッキになります。
もし引く衰弱カードがゼロになり、次に衰弱カードを引くことになったらロビンソンは衰弱死。あなたの敗北になります。
*ロビンソン・デッキからカードを引いた時、その引いたカードが衰弱カードだった場合は、必ず衰弱カードの特殊能力を使用しなければなりません。
4.海賊船との最終決戦
警戒カード赤の状態で、災厄カードの山札が尽きたら(災厄カードの山札が3回尽きた)海賊船との決戦です。
まず、2隻の海賊船のうち1枚を任意に選択肢して、立ち向かう災厄カードと同じように選んだ海賊船カードを置きましょう。
そして、「2.災厄に立ち向かう」と同じように進めていきます。最初の海賊船に勝利したら使用した漂流カードを全て捨て札にしましょう。そして、続けて残ったもう1つの海賊船に立ち向かわなければなりません。
つまり、連続で海賊船と戦う必要があります。途中で意図的に負けることはできません。勝つまで体力を消費して漂流カードを引き続けてください。
■海賊船カードの見方
海賊船カードの左上に書いてある数字が、無償で漂流カードを引ける枚数です。右上に書いてある数字が、災厄値になります。下に記載されているものが、海賊船の特殊能力です。特殊能力には様々な能力がありますが、テキストにかかれている通りに従ってください。
見事2隻の海賊船を倒すことができたら、あなたの勝利です。
ゲームの終了の条件
ゲームの勝利条件は、海賊船2隻を倒すことですが、負ける時の条件を簡単にご紹介しておきます。
- 体力コマが0個の時に体力を消費、或いは失った時。
- ロビンソン・デッキが尽きた時、全ての特殊能力を使っても戦闘力の合計点が、海賊船の災厄値に届かなかった場合。
- 衰弱カードの山札が0枚の時に、ロビンソン・デッキが尽きてしまった場合
ゲームのレベルについて
「ロビンソン漂流記」はゲームレベルによって、難易度を設定することができます。ゲームはレベル4までありますが、初めてのレベル1から始めてみましょう。
そしてここでは、各レベルにおけるルールの変更点についてご紹介します。クリアしたら、ぜひレベルを上げて挑戦してみてください。
レベル1
衰弱カード「バカ丸出し」をゲームから除外。漂流カード18枚、体力コマ20個。残った体力コマ2個は在庫として扱う。
レベル2
はレベル1同じですが、一番最初に災厄カードを引く前に、衰弱カードを1枚引いてロビンソン・デッキに加えてシャッフルする。
レベル3
準備はレベル2と同じですが、衰弱カード「バカ丸出し」をゲームから除外しない。
レベル4
レベル3と準備は同じですが、体力コマ2個を除外します。そして初期体力コマは18個、在庫の体力コマは2個です。
感想:軽量ながら絶妙なゲームバランス!思わずハマってしまう1人用ボードゲーム
「ロビンソン漂流記」は、値段も手軽な軽量ボードゲームです。最初は簡単に遊べるゲームかと思っていましたが、実際に遊んでみると絶妙なゲームバランスに感嘆しました。1つ1つの判断が、本当にロビンソンの生死を決めます。
ゲーム内容的にはデッキ構築系の「ドミニオン」を1人用にして簡単にしたようなイメージです。不要なカードを体力と相談して減らしていき、強いカードを入れてデッキを構築していくという流れですね。「ドミニオン」が好きな人はハマりやすいのではないでしょうか。
不満点と言えば、意外とルールが複雑というところです。特殊能力の効果もカードに詳しく記載されているわけでないので、ルールブックを確認しながらでないとスムーズにゲームが進められませんでした。加えて、説明もわかりにくいので理解するまでがちょっと大変です。簡単な特殊能力の一覧表みたいのが欲しいところですね。
しかし、ゲーム自体は驚くほど洗練されていて、絶妙なゲームバランスを誇っています。レベル1でもクリアするのはちょっとコツがいるでしょう。適当に判断していたらまず勝てません。
このゲームの肝は、どこでわざと負けるかです。特にゲームの序盤では、ロビンソン・デッキが非常に弱く戦闘力がマイナスやゼロになってしまいます。この段階で効率的に弱いカードを除外しつつ、使える災厄カードをロビンソン・デッキに加えていかなければなりません。
しかし、あまり早くに除外しずぎてロビンソン・デッキが早く尽きてしまったら、衰弱カードを引く確率があがります。これだと不利になってしまうので、はやり災厄カードもしっかりとロビンソン・デッキに加えていく必要があるでしょう。
中盤になると強いカードがなければ、あっという間に体力コマを失ってしまいます。ロビンソン・デッキを強化していかなくてはなりません。使える特殊能力を最大限に活かして、災厄を乗り切る必要があります。体力の維持も重要です。
このようにこのゲームは1つ1つの判断が非常に重要です。よく戦略を考えて、慎重に判断していく必要があります。実際に遊んでみると、気づかぬうちに没頭して時間を忘れて遊んでしまいました。コンパクトながらもここまで1人でハマれるボードゲームはなかなか見当たらないのではないでしょうか。
まとめ
「ロビンソン漂流記」は軽量な1人用ボードゲームですが、絶妙なゲームバランスを誇り、思わず没頭してしまう奥深いボードゲームでした。
少しルールが複雑でわかりにくいところもありましたが、それを差し引いてもよく作り込まれているゲームだと思います。
難しいゲームに挑戦したい人や、1人で黙々とボードゲームで遊んでみたいという人にとってはおすすめのゲームです。ぜひ、手にとって遊んでみてください。