ボードゲームが好きな人で、「ドミニオン」の名前を聞いたことのあるプレイヤーは少なくないと思います。なぜなら、「ドミニオン」は全世界で人気があるボードゲームですし、なによりも拡張セットの販売数は他のゲームの比ではありません。
しかし、「ドミニオン」は中々熟練者プレイヤーが多いボードゲームです。「ドミニオン」の初心者である方は、どのようにゲームを進めていけばいいのか、どんな風に戦略を立てていけばいいのか、分からないことだらけでしょう。
どうせならば、ある程度基本を抑えて自分も周りも退屈させないようなプレイをしていきたいですよね。
ここでは、そんな「ドミニオン」初心者の方に向けて、抑えておきたいコツや攻略のポイントを解説していきます。
ボードゲーム「ドミニオン」について
「ドミニオン」は多くの拡張セットが販売されているボードゲームです。ゲームは場にあるカードを購入し、組み合わせてデッキを構築していくものとなります。
所謂デッキ構築ゲームと巷では言われていますが、このデッキ構築ゲームの代表が「ドミニオン」です。
「ドミニオン」の拡張セットには、基本セットにはない様々な追加のカードが収録されています。それらのカードには「王国カード」というものがあり、基本セットの王国カードと拡張セットの王国カードを組み合わせて使用していきます。
つまり王国カードの組み合わせ次第で、新しい戦略や強いコンボの組み合わせが生まれてきます。ドミニオンはそのようなカードゲームです。
「スタンダードカード」での攻略
まずは初心者が遊ぶべき最初のカードの組み合わせについてです。「ドミニオン」の基本セットに収録されており、尚且その中で最初のゲームとして推奨されている王国カードの組み合わせがあります。それらをこの記事では「スタンダードカード」と呼びますね。
ここではスタンダードカードを用いた場合の攻略やコツをご紹介します。初心者の方はまず、ここから「ドミニオン」に慣れていって下さいね。
*スタンダードカードは以下のカードを指します。
「地下貯蔵庫」、「市場」、「商人」、「民兵」、「鉱山」、「堀」、「改築」、「鍛冶屋」、「村」、「工房」
・序盤で集めるべきカード
「ドミニオン」序盤でまず悩むことは、なんのカードを取るかということです。初心者の方はここで悩むことが最も多いのではないでしょうか。
まず、「ドミニオン」は通貨がなければ何もできません。強いアクションカードも購入できませんし、勝利点である「属州」や「公領」を集めることもできません。
そのため、序盤で優先するべきは通貨になります。序盤は迷ったら通貨買っておく、でも十分に通じます。
他には使えるアクションカードの購入です。しかし、序盤で買えるアクションカードはそれほど強力なものではありません。
そこで中盤・終盤でも使用できるような効果は強くはないが、どの場面でも活躍できるようなカードの購入が望ましいと思います。
具体的には以下のカードがオススメです。
・鍛冶屋(カード3枚ドロー)
→カードゲームにてドローは命。3枚ドローすることで、支払える通貨も大きくなり、コンボにも繋げやすいです。なによりデッキの回転率がよくなります。終盤まで役立ってくれるはずです。
・村(カード1枚ドロー・アクション+2)
→ローコストながらドローと追加アクションを行えます。序盤だと安いからなんとなく買う人もいると思いますが、中盤・終盤でアクションカードを繋げる時にも役立つでしょう。
・民兵(通貨+2・他のプレイヤーの手札を3枚にする)
→支払い通貨を2枚増やせるだけでなく、他のプレイヤーの手札を減らせるという妨害機能を持ったカードです。手札を減らされることで、思うようにアクションカードも通貨も勝利点も稼げなくさせます。どのタイミングで使用しても相手にとっては厄介。しかも自分は通貨+2というおまけ付きです。
以上が序盤オススメのカードですが、他にも有効なカードはあります。工房カード「コスト4以下のカードを獲得する」で、確実に使えるカードを購入するという方法もアリですね。慣れてきたら、これ以外のカードも考えてみましょう。
以下、序盤のまとめです。
- 通貨カードを集める
- 終盤まで使える汎用性の高いアクションカードを購入する
・中盤でやるべきこと
中盤になるとそろそろ、勝利点獲得のために動き出してくるプレイヤーが現れます。自分がどのタイミングで、最高勝利点である「属州」を取りに行く勝負を掛けにいくかどうか悩ましいところです。
あまり早く狙いに行くと、デッキが貧弱な状態でさらに勝利点カードが蓄積されていくので、デッキ的には弱くなってしまいます。しかし、遅すぎると勝利点の購入が遅れて、勝利点が伸びない場合もあります。この見極めが非常に重要と言っていいでしょう。
最終的には勝利点が多いプレイヤーがドミニオンでは勝利します。いくら強いアクションカードがあっても、勝利点がなければ意味がありません。そのため、「属州」を手に入れられるほどの資金力と「属州」購入に繋がるアクションカードの有無が重要となります。
まずは、通貨がどれだけあるかに注目してみましょう。通貨がないと高い勝利点がそもそも得られません。一番高い通貨である「金貨」や「属州」の購入に繋がるカードを可能な限り狙っていきましょう。
とは言っても、金貨の購入には支払う通貨は6必要です。銀貨やドローのみでこれを賄うのは中々難易度が高いです。そこで、アクションカードを組み合わせていきます。
単純にドローやアクション数を増やすでもいいですが、序盤でご紹介した民兵のカード効果で、使用する金貨を代用するのも良いでしょう。あまり、通貨のみで購入を考えずに、アクションカードをうまく利用して通貨を増やして下さい。
以下、中盤オススメのアクションカードです。
・改築(手札を1枚廃棄し、そのカードにコスト+2したコストをもつカードを獲得する。)
→終盤で通貨を勝利点に変換することができます。中盤でデッキに入れておくと、終盤で役に立ちます。しかも廃棄なので、デッキから不要なカードを除外することができます。銅貨や屋敷などのカードを廃棄して、他のカードに変えると強いデッキになるでしょう。
以下、中盤でやるべきことについてのまとめです。
- 「属州」購入に繋がるような、「金貨」やアクションカードの購入を目指す。
- 「属州」を取りに行くタイミングを見極める。
・終盤について
終盤になると、「属州」の奪い合いが如実になります。「属州」が満足に得られない場合は、その下の「公領」を狙っていくのも必ず必要です。
このように、可能な限り勝利点を集めていくのが基本となります。
そもそも「ドミニオン」は、「属州」が全てなくなった時点で終了です。通貨が十分にある場合は、「属州」をどんどん買っていく方が勝利に結びつきます。
しかし、「属州」のコストは非常に大きいので、「属州」ばかりに囚われていると、「公領」を多く取りに来るプレイヤーに負けてしまうこともあるでしょう。
残りのカードや、自分の構築したデッキを考慮して、可能な限り勝利点を増やして下さい。
逆に終盤で余分なアクションカードを買っている暇は基本的にはありません。必要だと思われるアクションカードは早めに集めておきましょう。
「ドミニオン」共通の戦略
「ドミニオン」の最大の魅力は、カードを組み合わせて遊ぶことで、違ったゲーム展開や戦略を期待することができることです。
しかし、ゲームの勝利条件はどのカードを組み合わせても変わりません。「ランダマイザー」で王国カードをランダムで決めるというゲーム展開もあります。
そこで、ここではどんなカードの組み合わせでも目指すべき共通の戦略について解説いたします。
・「属州」をいかに集めていくか
なんだかんだ言って、「属州」を効率よく集めていくかがドミニオンの最終的なゴール地点となります。
そのために必要なのは、以下の2つです。
- 支払える通貨の量
- デッキの回転率
- 「属州」カード購入に結びつくアクションカードの有無
厳密に言えば、購入できる王国カードの違いによっては、妨害系カードが有効な場合もあるでしょう。しかし、基本的には支払える通貨の量を増やしつつ、デッキの回転率を上げて使用できる強いアクションカードを多く使う。そして、「属州」カード購入に繋がるカードを確保することです。
以上を念頭に置いて、初心者はプレイしてみて下さい。購入するカードがなんとなく見えてくるかと思います。
・どのタイミングで「属州」や「公領」を集めていくか
個人的には「ドミニオン」で一番難しいポイントだと思います。
あまりに早く勝利点カードを集めてしまうと、デッキが回らなくなります。なぜなら勝利点は勝利点以外では役に立たないからです。
そのため、タイミングを間違えると点数が伸びないだけでなく、デッキすら回らなくなる可能性があります。そのため、勝利点カードを集めるタイミングというのは非常に重要と言えるでしょう。
そのタイミングの見極め方については、これと言ったコツはありません。というのも、勝利点を取りに行くタイミングは、他のプレイヤーの状況によっても大きく変化するからです。
相手が早く取りに来たらウカウカしていられないかもしれませんし、相手が先走った可能性もあります。故にこのタイミングの見極め方は非常に困難です。
こればかりはゲームをたくさん経験して、見極める目を養うしかないと思います。
やらない方がいいこと
「ドミニオン」では様々な戦略がありますが、反対にやらない方が良い戦略があります。しかもこれらは、ついついやってしまう良くない戦略です。これらを控えることでも、勝率を上げることができるしょう。
・「銅貨」や「屋敷」を序盤で購入する
とりあえず「銅貨」や「屋敷」を序盤で購入してみようという方は多いのではないでしょうか。しかし、これらは基本的にはやらない方がよい戦略です。
序盤で「銅貨」や「屋敷」を購入してもあまり意味がなく、デッキを無駄に増やしていき、役に立たないカードが手札に舞い込みます。これをやると、手札が非常に弱くなり、中盤で必要なカードが揃いにくく、最終的な点数すら確保できません。
次は「銅貨」に関してです。銅貨はコストはゼロですが、はやり支払い金額としては微妙でしょう。基本的には銀貨と金貨で賄っていった方が、デッキの回転数も早く、購入できるアクションカードも豊富になるはずです。
なるべく銅貨を増やすのではなく、銀貨や金貨を集めることで、デッキの回転率やアクションカードの購買力を高めていきましょう。
・アクションカードばかり購入する
ありがちですが、アクションカードばかり集めて肝心の通貨が少ないということが少なからずあります。
確かにアクションカードは「ドミニオン」では、花形とも言えるようなカードですが、あくまでアクションカードは勝つための道具。最終目的は勝利点である「属州」や「公領」を獲得することです。
そのため、いろんなアクションカードを買ってしまうと、デッキの回転率もさることながら、通貨の量も少なくなってしまう場合もあります。
ある程度アクションカードは絞って獲得していった方が無難でしょう。とりあえずあれもこれもでアクションカードを購入していくと、あまり良い結果は得られないと思います。
コンボも多く使用するのではなく、メインとなるものを1つか2つに絞って、そのアクションカードだけ集めておくという方が、初心者にはシンプルで勝ちやすいと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は「ドミニオン」の基本セットでの攻略についてご紹介しましたが、「ドミニオン」は王国カードの組み合わせによっては、全く違う戦略が求められることがあります。
しかし、最終的には勝利点を確保することについては、どんなカードの組み合わせも変わりません。そこを意識しとけば、大きくずれたゲームプレイをすることもないのではないかと思います。
また、ここでは「ドミニオン」攻略のコツを書きましたが、もちろんご紹介した方法が全てではありません。この記事でご紹介したコツを足がかりにして、新しい戦略やコンボを考えていきましょう。
ドミニオンの楽しさは、そういった戦略を立てるのがカードの組み合わせによって無限に変化し、戦略を構築するところにあると思います。
ぜひ、皆さんも様々な戦略を考えて、「ドミニオン」を楽しんで下さいね。