今宵、とあるお城では賑やかなパーティーが開かれています。大盛りあがりのパーティですが、地下ではオバケのヒューゴが動き出しました。
ヒューゴはゆっくりと階段を登っていきます。ヒューゴの存在に気がついたお城の人々は大慌て。我先にと、次々に安全な部屋に逃げ込みます。
もしヒューゴに捕まってしまうと、地下牢に連れて行かれてしまいます。
あなたはヒューゴに捕まらずに、無事にお城を出ることができるでしょうか。
基本情報
プレイ人数:2人〜8人
プレイ時間:約30分
対象年齢:7歳以上
ゲームデザイナー:ヴォルフガング・クラマー
「ヒューゴ オバケと鬼ごっこ」はどんなゲーム?
「ヒューゴ」はヴォルフガング・クラマーがデザインした、双六的なボードゲームです。プレイヤーは複数のコマを、オバケのヒューゴから捕まらないように逃げなければなりません。
ヒューゴから逃げるには安全な部屋に逃げ込む必要があります。しかし、部屋には1人しか逃げ込めません。
つまり、他のプレイヤーよりも早く部屋に入る必要があります。単なる双六ゲームに留まらず、鬼ごっこのハラハラ感も体験できるボードゲームです。
小さなお子さんでも楽しめるので、どちらかといえばファミリー向けボードゲームだと思います。
ゲームの遊び方
ゲームの準備
- プレイ人数に合わせた、使用できる「ゲストコマ」の色と規定の数のコマを準備する。
- 「ヒューゴコマ」を「−10」のマスに設置する。
- 各自、今回自分が使用する「ゲストコマ」の色を決める。
- スタートプレイヤーを適当な方法で決める。
- ゲームのラウンド回数を決める。通常は3回ですが、プレイヤー人数分のラウンド数でもOKです。
- すべてのプレイヤーが自分の色のゲストコマを「城の回廊マス」に、時計回りで順番に1個ずつ設置していきます。一つの回廊マスには1個のコマしか置けません。これを全員のすべてのコマが回廊マスに置かれるまで続けて下さい。
以上でゲームの準備は終了です。
以下、プレイヤー人数とコマの数について記載しときますので、参考にして下さい。
- 2人プレイ→赤・青コマで6個ずつ
- 3人プレイ→赤・青・青緑コマで5個ずつ
- 4人プレイ→赤・青・青緑・黄コマで4個ずつ
- 5人プレイ→赤・青・青緑・黄・黒コマで3個ずつ
- 6人〜8人プレイ→全部の色からコマを2個ずつ
ゲームの手順サイコロを振ってコマを進めてください。基本的には双六なので、手順自体は少ないです。
サイコロを振った後の手順
①自分のコマを進める。
スタートプレイヤーからサイコロを順番に振ります。
サイコロを振って、出た目の数だけ自分のコマを1つだけ矢印の方向に進めて下さい。
②ヒューゴコマを進める。
サイコロを振って、ヒューゴの目が出た時はヒューゴコマを動かして下さい。
ヒューゴは常に3マス分ずつ進んでいきます。
ちなみに最初、ヒューゴは階段を回廊に向かって進んでいきます。ヒューゴを動かした時は、自分のコマは動かせないので注意して下さい。
■ヒューゴが回廊マスに到達した後
ヒューゴは回廊に到達したら、ゲームボードに記された矢印の方向へ進行します。
その後、ヒューゴは永遠と上の回廊マスを移動するのです。
ヒューゴが回廊マスに到達したら、プレイヤーたちはヒューゴから逃げなければなりません。
逃げるには自分のコマを安全な部屋に避難させて下さい。その部屋にはヒューゴは入ってこれません。
■部屋に逃げ込む
大前提として、安全な部屋は1部屋につき、1コマしか入ることができません。すでに他のコマが部屋にあったら、その部屋には入れないことになります。
また、部屋に入れるタイミングは、ヒューゴが回廊マスに到達してからです。
部屋に入るには、回廊マスに描かれている扉のマークがあるマスを通って部屋に入ることができます。ちなみにコマが部屋に入る場合は、サイコロの目が丁度でマスに止まる必要はありません。
例えば、5の目が出た時に2マス先の回廊マスにある扉のマークの部屋に入ろうとします。その場合、3歩目で部屋に入ることができ、目が丁度でなくても入ることができます。
つまり、この場合だと3歩目で部屋に入り、その後は4歩、5歩目は無視して部屋に入ったことになるのです。
■「盾」が描かれた部屋について
部屋の中には、特殊な部屋があります。それが「盾」マークが描かれた部屋です。
そこにはすでに別にオバケが存在しています。その部屋に入ったゲストコマのプレイヤーは、そのラウンド終了時に、得点計算でマイナス1ポイントとなるのです。
赤い盾はマイナス点となりますが、緑の盾はプラス点となります。
■ヒューゴに捕まった場合
ヒューゴの目が出るたびに、ヒューゴは3マスずつ前進していきます。
ヒューゴが前進して、ゲストコマを通り過ぎたり、ゲストコマのいるマスに到達したら、そのゲストコマはヒューゴに捕まったことになります。
ヒューゴに捕まったゲストコマは、そのラウンド中ずっと地下牢の階段に閉じ込められます。
最初に捕まったゲストコマは、「ー10」のマスに置いて下さい。その次に捕まったコマは「ー9」のマス、と続いて置いていきましょう。
もし、回廊と同じマスに複数のゲストコマがいた場合は、それらのゲストコマをまとめて地下の同じマイナスマスに置いて下さい。
「ー2」のマスに捕まったコマが置かれた後で捕まったコマは、全て「ー2」のマスに置きましょう。
■その他ゲストコマについてのルール
- 回廊にゲストコマがいれば、そのコマを逃がすためにサイコロを降る。
- 回廊に自分のゲストコマが1つも無くなった場合でも、必ず自分の番でサイコロを振って下さい。(ヒューゴの目が出る可能性があるため)
- ゲストコマがヒューゴコマを追い越しても何もありません。(むしろ捕まってしまいます。)
- ゲストコマがヒューゴのいるマスに到達してしまったら、そのコマはヒューゴに捕まります。
ラウンドの終了
回廊マスに全てのゲストコマがなくなった場合、或いは全ての部屋にゲストコマが埋まってしまった場合に、そのラウンドは終了となります。
もし、部屋が全て埋まった状態でラウンドが終了した場合は、その時点で回廊マスに残っているゲストコマは全てヒューゴに捕まります。その場合、捕まったゲストコマは全て「ー2」のマスに置いて下さい。
■得点計算について
ラウンドが終了したら、得点計算に入ります。
捕まった自分のゲストコマが置かれた場所に記載されているマイナス点(恐怖ポイント)を合計しましょう。この時、各プレイヤーが獲得した得点をメモしておくと良いです。
■次のラウンドの準備
得点計算が終了したら次のラウンドの準備をします。次のラウンドの準備は以下の通りです。
- 前回のラウンドで、部屋に避難させたゲストコマをその部屋の扉の前のマスに置きます。
- その後、地下牢に囚われたゲストコマを「ー10」に置かれたコマから順番に1個ずつ、任意の回廊マスに設置します。
- 同じマスに複数のコマが置かれている場合は、得点計算で一番マイナスのプレイヤーが優先してコマを設置して下さい。
- 最後にヒューゴコマを「ー10」のマスに設置します。
- 最もマイナス点が大きいプレイヤーが最初にサイコロを振り、以下時計回りの順番で次のラウンドを進めて下さい。
ゲームの終了
3ラウンド(或いはプレイヤー人数分のラウンド)が終了して、そのラウンドの得点計算が終了したらゲーム終了です。この時点で、最もマイナス点が少ないプレイヤーが照射となります。
バリエーションルールについて
バリエーションルールでは通常ルールで使用するゲームボードの裏側を使用します。基本ルールに慣れたらこちらのルールもオススメです。
周りに数字「0~46」が描かれていますね。これを「恐怖ポイントチャート」と呼びます。各プレイヤーは、自分の色のチップを手に取り、「10」のマスに置いて下さい。
そしてヒューゴチップを「ラウンドチャート」(時計で23時45分を示してる箇所)に設置しましょう。
ルール変更点
■追い出し
部屋に入る時に、丁度の数で部屋に入ることができたら、すでにその部屋に入っていたゲストコマを追い出すことができます。
追い出されたゲストコマは、部屋の前の扉のマスに設置されるのです。
つまり、追い出されたゲストコマは、次の手番で「1」を出せば再び部屋に入ることができ、仕返しで部屋に入ってるコマを追い出せます。
*自分の色のコマを追い出すことはできません。
■恐怖ポイントを記録する
自分のマイナス点となった分、恐怖ポイントチャートの自分のカラーチップを進めます。加点となった場合は、その分チップを戻して下さい。
■ゲストコマの特別移動ルール
バリエーションルールでは、オバケの目でない限り必ずゲストコマを移動させる必要があります。
- 仮に自分のゲストコマが全て部屋の中にいる状態で、自分がサイコロを振って通常の目が出たら、いずれかの部屋から自分のゲストコマを回廊マスに出さなければなりません。
- 地下牢への階段に、自分のコマが複数ある場合には、必ず点数の高い方のコマから移動させなければなりません。地下牢から出る場合は、必ず階段のどのマスにいても出口である矢印の上から1歩目となります。
地下牢への階段にいるコマが回廊に出た後、いずれかのコマがヒューゴに捕まった時は、空いている階段の中で最もマイナス点が高いマスに置きましょう。
■ヒューゴの移動距離とラウンドチャート
ゲーム開始時、サイコロでヒューゴの目が出たら、ヒューゴは通常通り3マスずつ進みます。
地下から出てきて回廊マスにでた場合は、ただちにヒューゴチップを「24:00」のところに移動させて下さい。その後、ヒューゴが矢印のマスに到達するたびに、次の時間のところにチップを移動させます。
時間のマスの下には、数字が記載されていますが、これはヒューゴがヒューゴの目を出した時に移動できるマスの数です。
つまり、最初は3マスずつヒューゴは追いかけてきますが、時間が経つほど4マス、5マス、6マスとヒューゴの移動速度が早まります。
ゲームの終了
バリエーションルールではゲーム終了条件は2つあります。
- ヒューゴチップが「5時」のマスに置かれた時
- いずれかのゲストチップが「46」のマスに到達した場合
バリエーションでは、この2つのパターンにてゲーム終了となります。いずれの場合もマイナスポイントが最も少ないプレイヤーが勝者です。
感想:シンプルだが確実に盛り上がる王道ボードゲーム
「ヒューゴ」はシンプルな双六ゲームにアレンジを加えたような王道的ボードゲームでした。ルールも簡単なので、どんな人でも楽しく遊ぶことができると思います。
オバケに追っかけられるハラハラした感覚が双六でいい感じに体験できます。特にヒューゴの目が連続で出て、いきなりピンチになる時は大盛りあがりしました。大人同士でも十分に楽しめるだけでなく、子どもと一緒に遊んでも、きっと盛り上がると思います。
個人的にはバリエーションルールの方が圧倒的に面白いと思います。部屋を追い出し合う要素が、よりゲーム展開がハチャメチャになっていました。ヒューゴのスピードが早くなっていくのも盛り上がりますね。
このヒューゴが追ってくるスピードが中々良くできていて、油断しているといつの間にか近くにきているなんてことがありました。先に部屋に入られた時の「やられたー」感も楽しいですね。他にはデザインが非常に親しみを感じるものなので、個人的には良いなと思います。
ゲストコマの作りなんか好きな人にとっては、たまらないデザインなのではないでしょうか。オバケとなるヒューゴも別に怖いわけでもなく、可愛らしいデザインなので、子どもにもやっぱり親しみやすいですね。
双六というシンプルなゲームにアレンジを加えて、他のゲームとは違う要素を含めながらも、誰でも楽しめることは、まさに王道的なボードゲームだと思います。
ボードゲームが初めての人でも子どもでも楽しく遊べるので、まさに一家に一台あっても良いボードゲームと言ってよいのではないでしょうか。
まとめ
「ヒューゴ オバケと鬼ごっこ」は子どもでも楽しめる王道的なボードゲームでした。
双六という単純なゲームにアレンジを加えて、オバケに追いかけられるというハラハラした双六が体験できる面白いボードゲームです。
ルールも非常に簡単なので、ボードゲーム初心者でも、子どもでも十分に楽しめる内容となっています。バリエーションルールでも大人でも楽しめるゲームになっているので、本当に王道的なボードゲームと言っていいのではないでしょうか。
興味がありましたら、ぜひ手にとって遊んでみてくださいね。