プレイヤーは悪ふざけが好きな魔女です。そんな魔女たちの前には3つの大鍋が並んでいます。魔女たちの仕事は、その大鍋に自分の霊薬か毒薬を混ぜることです。ですが、大鍋を溢れさせると罰があります。その罰とは、大鍋の中身を一気飲みすることでした。
基本情報
プレイ人数:3人〜6人
プレイ時間:約30分〜60分
対象年齢:10歳以上
ゲームデザイナー:ライナー・クニツィア
「ポイズン」はどんなゲーム?
「ポイズン」は「モダンアート」などで有名なボードゲームデザイナー、ライナー・クニツィアが開発したボードゲームです。クニツィアらしくプレイヤーとの駆け引きや、「どちらを取るか」といった、絶妙なジレンマが内包されています。
ゲームの遊び方
ゲームの準備
まずは最初のラウンドでカードを配るディーラー役を1人決めましょう。
ディーラー役はラウンドごとにディーラー役の左隣のプレイヤーに役が回っていきます。
全員が1回ずつディーラー役を務め終えたらゲーム終了です。
あとは、場に3枚の大釜ボードを並べておきましょう。
ディーラー役はラウンドの開始時に全てのカードをシャッフルして、各プレイヤーに配布します。配り終えたら、ゲームの準備は終了です。
*3人でプレイする場合はカードを4人分配り、余った1人分は使用しないようにします。
ゲームの流れ
手番プレイヤーのやること
ゲームはディーラー役の左隣のプレイヤーから開始です。以降は時計回りでゲームは進みます。
手番プレイヤーのやることは一つだけです。
それは、場に置いてある3個の内の大鍋に霊薬カードを1枚表向きで置くこと。
この時、大鍋に最初に置かれた霊薬カードの色が、次からその大鍋に出せる霊薬カードの色となります。他の色はその大鍋には置くことができません。
つまり、後から大鍋に出す霊薬カードは、必ず同じ色の霊薬カードが置かれている大鍋に出す必要があります。複数の大鍋にまたがってですことは不可能です。
結果的に、1つの大鍋に2つ以上の色のカードが大鍋に置かれることはありません。
霊薬カードを出した結果、大鍋に置かれたカードの数字の合計が「13」以上となったら、その大鍋に置かれてあるカードを全て自分の手元に引き取らなければなりません。
この時、引き取ったカードは裏向けにして、自分の手元に置いておきましょう。
「13」を超えるように出した最後の1枚のカードは、その大鍋の中にそのまま置いておきます。
例:ある大鍋に赤の青の霊薬カード「4」と「7」あ置かれていました。次にAさんはその大鍋に赤の霊薬カード「2」を入れます。これで、その大鍋に置いてあるカードの数字の合計は「13」となりました。Aさんは最後に出した「2」のカードだけを大鍋に残し、他の「4」と「7」のカードを引き取ります。
毒薬カードについて
大鍋には同じ色の霊薬カードを出す必要がありますが、毒薬カードだけは例外です。
毒薬カードはどの大鍋に置いても問題ありません。
ちなみに、毒薬カードの数字はすべて「4」です。
得点計算
全員のプレイヤーのカードが出されたら、そのラウンドは終了です。
プレイヤーは全員、ラウンド中に引き取った裏向きのカードを確認します。
この時に、1つの色の霊薬カードについて、最も多くの枚数を獲得したプレイヤーは、その色の霊薬カードを全て捨てることが可能です。
*他のプレイヤーと同じ枚数だった場合は、両プレイヤーとも引き取ることができません。
*毒薬カードはどれだけ多くの枚数を手に入れてても、捨てることはできません。
こうして残ったカードの枚数が得点となります。
毒薬カードは1枚につき、2枚分の計算です。
集計した得点は、忘れずにメモなどに記録しておきましょう。
ゲームの終了
全プレイヤーがディーラーを1回ずつ行ったら、全てのラウンドは終了。ゲームセットになります。ゲーム終了時にこれまでのラウンドの得点を全て合計して、最も合計ポイントが少ないプレイヤーの勝利です。
感想:クニツィアの絶妙なジレンマが内包されているゲーム
『ポイズン』は『ハゲタカのえじき』などでもおなじみのライナー・クニツィアが手がけたボードゲームですが、クニツィアらしいジレンマを堪能できるゲームとなっています。感覚的には『ニムト』と『ハゲタカのえじき』を足して2で割った感じです。
基本的にはカードを引き取らないようにプレイしていくのですが、カードを1枚も引き取らないということは、まずありえません。『ポイズン』はどれだけ失点を抑えられるかのゲームです。
同じ色の霊薬カードで一番多くの枚数を集めたプレイヤーは、その色のカードの失点を防ぐことができます。このルールにより、狙った色のカードはできるだけ引き取りたいというプレイヤーがでますよね。そこに他のプレイヤーが毒薬を混ぜると強制的に失点になってしまいます。毒薬を飲んででも同じ色のカードを集めにいくか、それとも他のカードを出すか。このようなところにジレンマがあらわれます。
大釜に入れられるカードの合計の数字は「13」以上になったら、カードを引き取ることになるのですが、これがすぐに「13」以上になることが多いです。早く捨てたいカードがあったら、すぐに場に出すことも考えなければいけませんね。
引き取ったカードは、裏向きにしておくというルールもゲームを盛り上げる良い要因です。
なぜならゲームが進むにつれて、誰がなんのカードを何枚引き取ったのか分からなくなるからです。ゲーム終了後に自分が集めていたカードが相手も集めていて、カードを集めていたが大きく失点をしてしまった。ということが起こりえます。
まさにクニツィアらしいジレンマ要素を内包したボードゲームだと言えるでしょう。
まとめ
『ポイズン』はライナー・クニツィアらしいジレンマを取り入れたボードゲームでした。
ゲームのデザインも可愛らしくルールも簡単なので、『ハゲタカのえじき』と同じく初心者でも十分に楽しめる内容となっていますね。ただ、1ラウンドが結構ながく感じるのが玉にキズといったところでしょうか。
しかし、それを差し引いてもこのルールの簡単さで、しっかりとジレンマが考えられているゲームであることはすごいなぁと思います。