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手軽にできる正体隠匿系ボードゲーム「シークレットムーン」レビュー

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ある王国に一人の姫がいました。姫は内気でいつも図書室に篭っていました。ある時、姫の下に一通の手紙が届きました。その手紙の送り主に姫は心を動かされ、城の大臣や兵士には内緒に、姫は手紙の送り主である旅人に密会しようとします。果たして姫は大臣や兵士の目を盗み、密会を成功させることができるのかー。

基本情報

プレイ人数:5人~8人

プレイ時間:約10分

対象年齢:10歳以上

ゲームデザイン:カナイセイジ

イラスト:杉浦のぼる

「シークレットムーン」はどんなゲーム?

「シークレットムーン」は嘘やはったりが苦手な人でも手軽に楽しめる正体隠匿系のボードゲームです。姫と旅人の密会がゲームの舞台となります。プレイヤーは2つの陣営に分かれ、各プレイヤーの役割が最初は分からない状態です。プレイヤーはゲーム中の様々なやりとりから、誰が相手の陣営の人物かを推理していきます。自分の正体を隠しながら、相手の正体を推理していきましょう。

ゲームの遊び方

「シークレットムーン」は正体隠匿系のゲームです。各プレイヤーにはあらかじめ役割が与えられ、その役割は基本的には他のプレイヤーにばれてはいけません。プレイヤーは「姫」、「旅人」および「僧侶」の陣営と「大臣」と「兵士」の陣営に分かれて遊びます。このゲームは基本的には喋ってはいけませんし、相談もできません。自分の正体を悟られるような発言は控えましょう。

ゲームの準備

各プレイヤーは自分の好きな色を選び、その色のプレイヤーチップを3枚受け取ります。

プレイヤーチップ↓

その後は人物カードを8枚シャッフルして、各プレイヤーに裏向きで1枚ずつ配ります。誰にも配られなかったカードはNPC(ノンプレイヤーキャラクター)として、場の中央に裏向きのまま置いておきます。

人物カード↓

人物カードを配り終わったら、全員が目をつぶり、合図を出して「姫」と「旅人」のカードを持つプレイヤーは目を開けましょう。そのプレイヤー達が今回のゲームの姫陣営です。姫や旅人がNPCの可能性別もあります。

ゲームの手順

このゲームはラウンドという単位でゲームが進行します。1回のゲームは3ラウンドです。3ラウンドの終了後にゲームは終了します。その手順は以下の通りになります。

  1. 行動順カードを一つにまとめ、よくシャッフルし、裏向きのまま各プレイヤーに1枚ずつ配ります。残った行動順カードは中央に置きます。
  2. 行動順カードの1番を持つプレイヤーが最初の手番となります。手番になったプレイヤーは行動順カードを捨て、選択可能な行動の中から一つを選びます。その行動の処理が終了したら、次の番号の行動順カードを持っているプレイヤーが手番となります。
  3. 番号が最後まで進み、行動順カードを持つプレイヤーがいなくなったら、そのラウンドが終了となります。行動順カードをすべて回収して、再びシャッフルし、配布します。この流れを3ラウンドまで繰り返すか、どちらかの陣営が勝利条件を満たすまで続けます。

行動について

行動順カードの番号順に手番がまわってきますが、その時に行う行動について紹介します。

行動の種類は全部で7種類あります。

  1. 観察
  2. 質問
  3. 指名
  4. 隠れる/かばう
  5. 妨害
  6. 攻撃
  7. 待機

1.観察

他のプレイヤー1人にもつ人物カードを見る事ができます。NPCのカードも見る事ができます。

2.質問

他のプレイヤー1人に「そこにいるのは誰?」と質問し、そのプレイヤーの陣営を明らかにすることができます。姫陣営のプレイヤーは無言で姫陣営のチップを受け取り、大臣陣営は大臣陣営のチップを受け取ります。特殊なのは姫陣営のはずの「僧侶」は兵士と同じ回答をするので、僧侶は大臣チップを受け取ります。

3.指名

他のプレイヤー1人のもつ人物カードを予想して、当たったら公開させる行動です。もし予想が外れたら自分の人物カードを公開することになります。NPCのカードに対しても可能です。

4.隠れる/かばう

他のプレイヤーを一人選び、その人物カードを横向きに倒します。この状態が隠密状態となります。隠密状態であるプレイヤーは、そのラウンド中は誰の行動の対象として選ぶ事ができなくなります。「指名」や「質問」の対象にはできません。隠密状態はそのラウンドが終了したら、自動的に解除となります。

5.妨害

他のプレイヤーを1人選び、そのプレイヤーの行動順カードを伏せたまま捨てさせることができます。行動順カードを失ったプレイヤーはそのラウンド中はなにもすることができません。

しかし、妨害をしたプレイヤーは自分の人物カードを強制的に表向きにし、行動不能となってしまいます。行動不能とは、ゲームからの事実上の離脱であり、そのゲームではもうニ度と行動することはできません。行動順カードを受け取ることもありません。

6.攻撃

すでに人物カードを公開しているプレイヤーを選び、行動不能にします。しかし、「兵士」であるプレイヤーは、「盗賊」意外に攻撃をすることはできません。

7.待機

他の行動をせずにパスをする行動です。待機をした場合、次のラウンドで使用するための行動順カードを1枚保持することができます。行動順カードは捨て札となっている行動順カードの中からしか選べません。

これらの行動をうまく使い、自分の正体を相手に悟らせず、相手の正体を暴いていくのがこのゲームのキモとなります。

勝利条件について

以下のいずれかの条件が満たされたときにゲームは終了し、勝利陣営が決まります。勝利陣営に属しているプレイヤー全員の勝利となります。

  1. 3ラウンド目が終了したとき。→姫陣営の勝利(姫、旅人、僧侶)
  2. 「大臣」が行動不能となったとき→姫陣営の勝利
  3. 「姫」が行動不能になったとき→大臣陣営の勝利(大臣、兵士)
  4. 「姫」、「旅人」のカードが両方公開されたとき→大臣陣営の勝利

感想:短い時間ながらも夢中になる推理ゲーム

「シークレットムーン」のルールは一見複雑そうに見えますが、実際に2、3回遊ぶとすぐに要領が掴めてくると思います。プレイ時間も短いので、手軽に遊ぶことができることから正体隠匿系のボードゲームになじみのない人でも気軽に遊ぶことができると思います。

ゲーム自体は少し運要素が強いかもしれませんが、勝敗はギリギリであと1歩、2歩というところで決着がつくことが多いと思いますので、そこが何度も遊びたくなる要因になっています。戦略的にも最初にあまり攻め過ぎるとすぐに自分の正体がばれてしまう可能性もありますし、かといって様子見ばっかりだと勝機を逃してしまいます。意外とぼーっとできないゲームだと思います。

他にもNPCの存在や、姫陣営なのに大臣陣営を名乗らなければならない「僧侶」の存在も侮れません。それらの不確定要素がゲームを面白くし、予想のつかない展開となったりするところもこのゲームの見所です。

さらに、追加ルールでは新たな人物である「盗賊」という人物も追加することができます。

この盗賊はかなら特殊な役割を担っています。盗賊は姫・大臣のどちらの陣営にも属さない第三勢力とも呼べる人物です。盗賊の人物カードをもつプレイヤーの勝利条件は、姫・大臣のいずれかが勝利条件を満たしたとき、自分が行動不能になっていないことです。この場合、勝利条件を満たした陣営の勝利は無効となり、盗賊の一人勝ちとなります。

盗賊は「隠れる/かばう」と「攻撃」の行動ができなかったり、質問を受けたときに姫(旅人)または大臣のどちらかを答えることができます。

僧侶以上に場をかき乱す面白い人物ですので、ゲームに慣れたらぜひ盗賊も入れて遊んでみてください。

まとめ

「シークレットムーン」は口下手な人でも気軽に楽しめる正体隠匿系のボードゲームです。短いゲーム時間ですが、密度は非常に濃いですので何度でも遊びたくなるようなゲームでした。あの「ラブレター」のデザイナーさんのゲームですので、興味がある方はぜひ遊んでみてください。

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