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手軽に絶妙なジレンマが楽しめる!ライナー・クニツィアによる競りゲー「ハイソサイティ」レビュー

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プレイヤーのあなたは今日までに莫大な富を築いた資産家です。余るほどお金があるあなたですが、自身の繁栄を象徴するような贅沢品は欲しくありませんか?

「ハイソサイティ」はあなたが築いたお金を使って、屋敷や高級品などを購入することを目的としたゲームです。しかし、いくら富があるといっても、くれぐれもお金の使いすぎには注意です。

基本情報

プレイ人数:3人〜5人

プレイ時間:30分〜45分

対象年齢:10歳以上

ゲームデザイナー:ライナー・クニツィア

「ハイソサイティ」はどんなゲーム?

「ハイソサイティ」はカードを使用した、オークションゲームです。競りゲーと呼ばれるボードゲームですね。

限りあるお金を使用して、贅沢品の獲得を目指していきます。このゲームでは他のオークションゲームと違い、お金に限りありそのお金が最少となったプレイヤーは即失格というゲームです。

「ハイソサイティ」では、よく考えてお金を使わないとすぐに負けてしまいます。くれぐれもお金には注意してください。

ゲームの遊び方

ゲームの準備

  • オークションタイル16枚をよく混ぜて、山札にして中央に置きます。
  • 各プレイヤーはマネーカードの内の1色を選びます。そして、その色のマネーカード11枚を自分の手札として受け取りましょう。
  • 使用しないマネーカードはゲームから除外し、適当な方法でスタートプレイヤーを決めます。

以上でゲームの準備は終了です。

ゲームの流れ

「ハイソサイティ」では、オークション形式でゲームが進行します。ここではオークションの流れを説明しますね。

オークションの流れ

手番プレイヤーはオークションタイルの山札の一番上から、1枚カードを引き、全プレイヤーに公開します。オークションはこの後に行いましょう。

競りの対象となるオークションカードには、2種類のタイルがあります。この2種類のタイルは、それぞれオークションのやり方が違うので、注意しなければなりません。

オークションタイルの獲得者が決まったら、その処理を終えた後に次の競りに移ります。また、新たにオークションタイルの山札から1枚カードを引いて、中央に置きましょう。

・ステータス/アウォードタイルの競り

     

ステータスタイル(画像左)/アウォードタイル(画像右)とは、獲得したら自分の得になるタイルのことです。

ステータスタイルかアウォードタイルが中央に出されたら、まずはスタートプレイヤーが以下のアクションのいずれかを選択しなければなりません。

  1. このタイルを獲得する希望をだし、自身の手札のマネーカードを1枚以上を場に出す。出したマネーカードの合計値を競り値として宣言。
  2. 競りから降りることを宣言する。

以上のことを手番プレイヤーが終えたら、時計回り順に次の手番プレイヤーを交代していきます。次の手番プレイヤーとなった人は、スタートプレイヤーと同じように上記のいずれかを選択しましょう。しかし、競り値は前のプレイヤーよりも高い値を付けなくてはなりません。

競りは1週だけにとどまらず、2周目も実行します。しかし、1周目でパスをしたプレイヤーは、2周目以降は競り値を宣言することはできません。

2周目以降で競り値を上げる場合は、1周目で出したマネーカードにさらに加える形でカードを場に出します。すでに出したマネーカードを再び手札に戻すことは不可能なので注意してください。

しかし例外として、2周目以降にパスをしたプレイヤーは、その競りの最中に、出していた自分のマネーカードをすべて手札に戻せます。

こうして競りが続き、1人を除いて全員がパスをしたらタイルの落札となります。

落札になったら最後までパスしなかった落札者が、値付けに使用したマネーカードをすべて捨て札として、伏せて自分の前に置いておきましょう。その後、落札したオークションタイルを、公開状態のまま自分の手元に置きます。

・トラブルタイルの競り

トラブルタイルとは、獲得したら損をしてしまうタイルです。これもスタートプレイヤーは、ステータス/アウォードタイルと同じように、マネーカードを出して競り値を宣言するか、パスをするかを選択します。

手番プレイヤーがトラブルタイルを獲得しないようにするためには、競り値を付けなくてはなりません。パスをしたらその時点で、トラブルタイルはパスを宣言したプレイヤーが獲得することになります。

スタートプレイヤーの宣言が終了したら、次の手番プレイヤーも同じように競り値を宣言するか、パス(トラブルタイルを獲得する)をするかを選択しましょう。

よって、トラブルタイルの競りは、誰かがパスをするまで続きます。

しかし、ここでは1つ重要なルールがあります。

パスを宣言したプレイヤーは、この競りで自分が出していたマネーカードのすべてを手札に戻すことができます。そして、パスを宣言したプレイヤー以外のプレイヤーは、この競りで出していたマネーカードをすべて捨て札として処理するのです。

各オークションカードの種類についての解説

ここでは、各オークションカードの種類と解説を行います。

①ステータスタイル

ステータスタイルは、ゲーム終了時に勝利点となるタイルです。記載された数字の数が勝利点になります。

②アウォードタイル

アウォードタイルは、「2×」と記されています。これは、自分が所持しているステータスタイルの勝利点を2倍にする効力です。

さらに、アウォードタイルを2枚持っている場合は4倍になり、3枚持っている場合は8倍となります。

③トラブルタイル

トラブルタイルには3種類のカードがあり、どれも効力が違います。

・文無し

「文無し」は、アウォードタイルとは反対の効力を持つタイルです。所持しているプレイヤーは、ステータスタイルの勝利点が半分となってしまいます。これは、アウォードタイル1枚と相殺することも可能です。

・事故

「事故」を獲得してしまったプレイヤーは、合計勝利点から5点が減点されます。

・逮捕

「逮捕」を所持してしまったプレイヤーは、自分の獲得しているステータスカード1枚を失います。「逮捕」タイルと失うステータスタイルを1組にして、ゲームから除外しましょう。

まだステータスタイルを獲得していない状態で「逮捕」を獲得してしまったら、次に獲得したステータスタイルと一組にして、ゲームから除外します。

ゲーム終了

ゲームは赤枠のカード(アウォードタイルと文無しタイル)が、計4枚全て山札から引かれて、その時点でゲームは終了です。4枚目となるカードが引かれた時の競りは、行うことはありません。

失格について

ゲーム終了となったら、各プレイヤーは手札のマネーカードすべてを公開し、その合計値を計算します。この合計値が最も少ないプレイヤーは、失格となり無条件で敗北となるのです。

最少金額のプレイヤーが複数いる場合は、該当者の全員が失格となります。

得点計算について

失格しなかったプレイヤーは、以下の順番で勝利点の計算を行いましょう。

  1. 獲得したステータスタイルの合計値を計算する
  2. 事故タイルを持っているプレイヤーは、ここで5点をマイナスする
  3. アウォードタイルを持っているプレイヤーは、ここで勝利点を2倍、4倍、8倍にする
  4. 文無しタイルを持っているプレイヤーは、ここで勝利点を半分にする

これで最終得点を計算し、最高い勝利点のプレイヤーが勝利となります。同点の場合は、より大きい数字のステータスタイルを所持しているプレイヤーの勝利です。

感想:絶妙なジレンマが楽しめるコンパクトな競りゲー

「ハイソサイティ」はライナー・クニツィアがデザインした競りゲーということで、これまた絶妙なジレンマを楽しむことができます。

しかし、この「ハイソサイティ」は同じクニツィアの競りゲーである「モダンアート」や「メディチ」とはまた違ったテイストを含んでしました。

このゲームで一番の肝となるルールは、やはりゲーム終了時に一番所持金が少ないプレイヤーは失格してしまうというところでしょう。

この失格ルールにより、お金の扱いは他のプレイヤーをよく見て考えて出していかなければなりません。持っているお金の数と種類は同じですので、プレイヤー同士の深い読み合いとなります。ほしいけど、お金を使いすぎると無条件で失格してしまう。スリルとジレンマがよく組み合わさって、緊張感のあるゲームが楽しめると思います。

他にも、取りたくないカードのためにお金を出さなければならないというところも面白いところ。さらには、取りたくないカードを取ったプレイヤー以外はお金を払い、獲得したプレイヤーは出したお金を回収できるというところも必見です。

上記のルールをうまく利用すれば、自分もデメリットは被るものの、相手に無駄に多額のお金を出させることも不可能ではありません。

そのようなことを含め、「ハイソサイティ」はコンパクトながらも非常に奥深い競りゲーが楽しめるボードゲームとなっています。ルールも複雑なところはなく、導入も容易なので、競りゲー初心者でも十分に遊びやすいでしょう。

まとめ

「ハイソサイティ」は、コンパクトながらも絶妙なジレンマを含んだクニツィアらしい競りゲーでした。実際に遊んでみると、毎回どれだけお金を出すか、失格しないだろうかと考えて、中々カードを出すのに踏み切れないといったもどかしさを存分に楽しめます。

そのようなもどかしさやジレンマを体験するには、たまらない競りゲーです。尚且つ、とても遊びやすくコンパクトにまとまっているので、よく出来たボードゲームだなぁ、と思いました。

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