このゲームの舞台は腐敗した宮廷です。陰謀渦巻くイタリアの都市でプレイヤーはこの都市における一家の長となります。腐敗した宮廷を自分の手で手中に治めましょう。しかし、あなたと同じように権力を握りたい家が他にもいます。生き残る家はたった一つです。あなたは生き残ることができるのでしょうかー。
基本情報
プレイ人数:3人~6人
プレイ時間:15分
対象年齢:10歳以上
ゲームデザイナー:リッキー・タータ
「クー」はどんなゲーム?
このゲームの目的は他人の家の影響力を落とし、自分の生き残りを目指すゲームです。他人の影響力を落とすにはプレイヤーの発言と行動に対して「ダウト」を宣言し、嘘を見抜くことです。「ダウト」を失敗すると自分の影響力が失われます。相手の嘘をうまく見破り、生き残りましょう。
ゲームの遊び方
このゲームで手元に伏せてある人物カードは、自分の影響下にある人物を意味しています。プレイヤーは影響下にある人物の能力を使うことができます。ゲーム中で影響力を失うということは、影響下にある人物の誰かが死亡したということとなります。手元にある人物カードが全員死亡したら影響力を完全に失ったということとなり、ゲームから完全に脱落します。
ゲーム準備
まずは人物カードをすべてシャッフルし、裏向きのまま各プレイヤーに2枚ずつ配ります。
中身はいつでも確認して問題ないです。残りのカードは山積みで中央に置いておきましょう。
さらに各プレイヤーはルールに関する早見表と金貨2枚を受け取ります。
残りの金貨は「国庫」として中央にまとめて置いておきます。
これでゲームの準備は終了です。
ゲームの流れ
ゲームはプレイヤーが手番を時計回りに実行することで進んでいきます。
手番プレイヤーは7種類ある行動から1つを選び、宣言します。手番以外のプレイヤーはその宣言に対して「ダウト」や「ブロック(妨害)」を出すことができます。これにより、宣言された行動を妨げ、影響力などを変動させます。
ゲームは「ダウト」や「ブロック」を確認し、何もなければ手番プレイヤーの行動を実行します。「ダウト」や「ブロック」があったら、その場合の処理を行い、その後にゲームを再開していきます。
最後に残った1人が勝者となります。
行動について
手番プレイヤーは7種類の行動から1つを選び、実行します。行動には「一般行動」と「人物行動」というものがあります。
人物行動は特定の人物カードを影響下に置いていないと本来は宣言できないです。しかし、手元の人物カードは裏向きのままなので、相手にはわかりません。よって、仮に実際に影響下に置いていない人物の能力を使用することもできます。「ダウト」はこの嘘を見破るためにあります。
一般行動
①収入
国庫から金貨を1枚受け取り、手元に置きます。この行動は「ブロック」されません。
②援助
国庫から2枚金貨を獲得し、手元に置きます。「公爵」を影響下に置いてあるプレイヤーからブロックをされる可能性があります。
③クー
これを宣言するときは、他のプレイヤーの1人を対象として選びます。国庫に金貨を7枚支払い、対象者の影響力を1つ失わせます。この行動はブロックされません。
人物行動
①微税(公爵)
宣言には公爵の人物カードが必要となります。国庫から金貨を3枚受け取ります。この行動は誰にもブロックされることはありません。
②暗殺(刺客)
宣言には刺客の人物カードが必要になります。宣言時、他のプレイヤーを1人指名し、国庫に金貨を3枚支払います。そうすることで、対象者の影響力を1つ失わせます。この行動は女泊を影響下に置くプレイヤーを対象に選ぶと、対象者からブロックを受ける可能性があります。
③交換(大使)
山札をシャッフルし、2枚引きます。その2枚を自分だけで確認します。望むのなら、引いた2枚の内、1枚を自分の影響下にある伏せた人物カード1枚と交換します。元のカードは選ばなかったもう1枚のカードと共に中身を公開せずに山札に戻します。この行動は誰にもブロックされません。
④強奪(船長)
宣言時、他のプレイヤーを1人対象とします。対象者から金貨を2枚奪い、自分のものにします。大使か船長を影響下に置いたプレイヤーを対象に選んだ場合、対象者からブロックを受ける場合があります。
「ダウト」と「ブロック(妨害)」について
ダウト
人物行動の宣言やブロックの通告に対して、誰でも「ダウト」を宣言することができます。過去の行動に対するダウトはできません。また、基本的にダウトは1人からしか宣告されません。
ダウトが宣言されたら直ちに、ダウトの対象となったプレイヤーは、自分の手元の人物カードから該当する人物カードを公開しなければなりません。
もし嘘でなく、該当する人物を自分の影響下に置いてあったのなら、ダウト宣言プレイヤーの敗北でダウト宣言したプレイヤーは影響力を1つ失います。反対に嘘だということが示されたなら、ダウト宣言プレイヤーの勝利です。ダウトを宣言されたプレイヤーは影響力を1つ失います。
ダウト宣言が失敗した場合は影響力の処理を終えた後に、公開した人物カードを山札に戻します。その後、山札をシャッフルして新たに裏向きのまま人物カードを1枚手元に置きます。その後に宣言していた行動を実行します。
ブロック(妨害)
ブロックは「援助」、「暗殺」、「強奪」を実行しようとした時に、特定の人物を影響下に置いてあるプレイヤーはブロックを通告することができます。
ブロックは人物行動と同様に、必要な人物を影響下に置いていなくても宣言することができます。もちろんブロックに対するダウト通告の可能性もあります。
ブロックに対してダウトが通告されなかった、あるいはブロックに対するダウト宣言が失敗したらブロックは成功します。ブロックが成功したら、ブロックされた側のプレイヤーの行動は何もなく、手番が終了となります。
感想:嘘が入り乱れるブラフゲーム
この「クー」というゲームは嘘をつくほうが面白いし、有利になるゲームなのではないかと思います。というのはブラフ宣言をするメリットが嘘をつくよりも少ないからです。
ブラフ宣言に成功したら、対象の影響力は1つ減りますがブラフ成功者には特に何もメリットはありません。むしろ失敗したら自分の影響力が減るので最初は中々ブラフ宣言をしにくいです。だけど、あまり待っていると金貨が7枚たまってしまい、問答無用で殺されてしまうので、そううかうかしてられないのが面白いところです。
どういう戦略で生き残っていくかを考えつつ、当然のように嘘をつくようになるのが面白いです。プレイヤー同士ですごい疑心暗鬼状態になります。カードがまったく見えないという状態が緊張感を生み出してよい雰囲気となっています。まさに陰謀渦巻くって感じのゲームです。
運の要素が少し強い感じは否めませんが、ルール自体も簡単ですし、プレイ時間も短いというボリュームでこのレベルのブラフ系ゲームはすごいと思います。バランスもよいです。繰り返し遊んで慣れた人でも十分に楽しめるゲームだと思います。
まとめ
「クー」は短いプレイ時間に対してブラフ要素がたくさん詰まったボードゲームです。ブラフ系ゲームを堪能したい!という人には十分な内容のゲームだと思います。理不尽なことが多いですが、そこがまた楽しいのがブラフゲームの面白いところです。