画像引用:https://fr.wikipedia.org/wiki/Uwe_Rosenberg
ウヴェローゼンベルクはあの「アグリコラ」をデザインした、有名ボードゲームデザイナーです。
ボードゲームが好きな人なら、「アグリコラ」は知らない人の方が少ないほどの名作ボードゲームではないでしょうか。
スケールが大きく、生産と拡大を繰り返し、まるで経営者のようにプレイするゲーム感覚は、唯一無二です。今回はそんな「アグリコラ」をデザインしたボードゲームデザイナー、ウヴェ・ローゼンベルク。そんな彼がデザインしたボードゲームとその魅力をご紹介致します。
ウヴェ・ローゼンベルクはどんな人?
ウヴェ・ローゼンベルクはドイツのアウリッヒ出身のボードゲームデザイナーです。
彼のワーカープレイスメント系のゲームは世界中で注目を集めており、ボードゲーム界を代表するデザイナーの1人と言えるでしょう。
なんと12歳の頃からゲームの開発に取り組んでおり、多くの作品を世に発表しています。
大学在中の頃に「ボーナンザ」というボードゲームがヒットし、名が知られ始めます。なんでも、「ボーナンザ」開発のせいで留年したとかという話もあったり。
その後、2007年に発表した「アグリコラ」がヒット。ワーカプレイスメントゲームとして、ボードゲーム界に大きな衝撃を与えました。
以後、ワーカープレイスメント系のゲームを多く発表して、現在に至ります。
ワーカープレイスメントゲームとは
ウヴェ・ローゼンベルクを代表するゲームジャンル、ワーカープレイスメントゲームについて簡単に説明します。
ワーカープレイスメントゲームとは、ゲームシステムの1つです。
手元のコマ(労働者)を働く場所(プレイス)に置いて、資源や稼ぎを得る。そして得た資源を使用してさらにコマを増やしたりしながら資源開発や、稼ぎを増やしていくゲームというシステムです。
まるで現実の経営者のように、限りある資源や資金を使用し、如何に多くの資源や稼ぎを得て、拡大していくかを競うゲーム内容になります。ボードゲームの中でも大人気のゲームジャンルの一つです。
ウヴェ・ローゼンベルクはそんなワーカープレイスメント系ゲームの代表格のデザイナーであり、ワーカープレイスメントゲームを語るには、彼のゲームは絶対に外せないほどの人物なのです。
ウヴェ・ローゼンベルクのボードゲーム
軽量系
①ボーナンザ
プレイ人数:3人~5人
プレイ時間:約45分
対象年齢:12歳以上
冒頭でも説明しました、ウヴェ・ローゼンベルクが学生時代に発表したボードゲームです。この作品を機に、彼の名前が広がり始めました。
ゲームジャンルはやはりワーカプレイスメント系ゲーム。カードだけの小型のゲームですが、駆け引きが非常に面白いゲームになります。
プレイヤーは、自分の豆を畑で栽培して収穫し、販売して一番通貨を集めた人が勝者となるゲームです。
ワーカープレイスメントの売りの生産と拡大よりも、交渉や売却が重要となっています。というのも、自分の豆を育てる場所が少ないので、処分や売却をうまく行い、場を回していく必要があります。
そのために交渉がゲームのポイントとなります。交渉により、自分にとって不要なものを他のプレイヤーに渡し、自分が欲しい豆を手にしていくことが重要です。
小型のボードゲームながら、駆け引きの面白さを含めたワーカープレイスメントゲームとなっております。ウヴェ・ローゼンベルクのゲームを遊びたい方は、まずは「ボーナンザ」から遊んでみるのがオススメです。
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②マンマミーア!
プレイ人数:2人~5人
プレイ時間:約45分
対象年齢:10歳以上
「ボーナンザ」よりも前に発表されたボードゲームになります。ワーカープレイスメント系のゲームではなく、記憶力が試されるような、少し変わったゲームです。
プレイヤーの目的はレシピ通りにピザを多く作ることです。最初にレシピと材料カードが渡され、1枚ずつ出していきます。材料が揃ったと思ったら、ピザ作りに入ります。
ピザ作りは材料が揃っていたら完成することができます。足りない材料は自分の手札から加えたりして、ピザを完成させていきます。
最初に積んでいく材料は確認することができないので、何が出されたか記憶していくことが重要です。とは言っても、後半で追加で入れらたりすることもできなくはないので、意外と適当でもなんとかなったりします。
ガチガチな対戦系のボードゲームではなく、和やかなパーティゲームのような感じです。途中で材料が荒れたりもするので、みんなでワイワイ遊びたい時などに遊ぶのが良いでしょう。
ウヴェ・ローゼンベルクのといえば、ワーカープレイスメント系のゲームが有名ですが、このようなパーティゲームもあります。ぜひ経験してみてください。
中量系
①パッチワーク
プレイ人数:2人
プレイ時間:約30分
対象年齢:8歳以上
パッチワークは2人用のボードゲームですが、非常に完成度の高い名作ボードゲームです。
9×9マスのゲームボード上でパズルブロックのような、布片を組み合わせて高得点を目指すゲームになります。一見単純なゲームのように見えますが、頭をフル回転させる必要があるゲーム内容です。
まず布片は自然と手に入るものではなく、ボタンという資金を使って購入する必要があります。よって資金管理が必要なのですが、このゲームはこの資金を使って、如何に効率良く自分の得点になるようなタイルを集めていくかが鍵です。
それだけでなく、時間の概念もあり、慣れてくると相手が必要としている布片を手に取らせないという戦略もとれたりします。他にもうまく布片を繋げられたら、ボーナス点がもらえるなどの要素もあるので、注意深く盤面を見なくてはなりません。
カラフルでオシャレ感が漂うボードゲームですが、実際にやると様々な要素が絡んで、頭がフル回転するようなボードゲームです。2人用ボードゲームなので、ガチガチの対戦が楽しめます。
ウヴェ・ローゼンベルクの魅力である、様々な駆け引きやジレンマが複雑に組み合った絶妙なゲームバランスが堪能できます。拡張セットも発売されている人気ゲームなので、ぜひ遊んでみてください。
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重量系
カヴェルナ 洞窟の農夫たち
プレイ人数:1人~7人
プレイ時間:プレイ人数×30分
対象年齢:12歳以上
「アグリコラ」と似ているワーカープレイスメント系ボードゲームです。
「アグリコラ」では大量のカードを使用しますが、「カヴェルナ」では探索や部屋など様々な要素が一新された内容となっております。
「アグリコラ」とはかなりプレイ感が違いますので、アグリコラをプレイした人でも新鮮な気持ちで遊ぶことができるはずです。プレイ感覚では選択肢がより増えたような気がしました。
1人プレイもできるので、ひたすらスコアを上げたり、練習するのも良いでしょう。2人プレイ用で専用のゲームがあります。「カヴェルナ 洞窟対決」というタイトルで販売されていますので、時間があまり取れない方にはそちらがオススメです。
重量系ゲームでコンポーネントも多く、戦略性も高いことから、上級者向けのゲームではあります。時間もかかりますが、体感時間では短く感じられるほど熱中するはずです。
ボードゲーム好きなら一度は体験したい、傑作のボードゲームです。
アグリコラ
プレイ人数:1人~5人
プレイ時間:1時間30分〜2時間30分
対象年齢:12歳以上
ウヴェ・ローゼンベルクの代表格と言っていいほどの、名作ボードゲームです。ワーカープレイスメントゲームの中でも、外すことはできない作品でしょう。
プレイヤーは農園の経営者となって、労働者を食べさせなければなりません。
各プレイヤーに配布される農場のゲームボードを、自分好みにコンポーネントで埋めていくのが楽しいです。ゲームが進むにつれ、どんどん充実した農場を作り上げていくことが、一つの面白さと言えるでしょう。
また、経営者として労働者を食わせることも大事です。そのため、農作物の確保も非常に重要であり、限られた資源でいかに効率よく農園を運営していくかが問われます。
300枚以上のカードを駆使して、農場を広げていくので、その戦略の幅の広さは唯一無二です。選択ルールもあり、拡張セットもあることから、遊ぶたびに新しい発見やコンボが見つかったりするので、飽きることがありません。
広い戦略性と、膨大なコンポーネントで毎回違った面白さが体験できる「アグリコラ」。遊べば遊ぶほど、その壮大なゲーム内容に圧巻されるでしょう。
ウヴェ・ローゼンベルク収穫三部作
1.アグリコラ
上記でご紹介した通りですので、そちらを参考にしてください。
多くのボードゲームファンを魅了した、ワーカープレイスメント系ボードゲームの代表格、「アグリコラ」が3部作の第1作として発表されました。
拡張版や2人プレイ用など、様々なアレンジが今でも行われている、超名作ボードゲームとなっております。
まだまだ遊ばれているボードゲームなので、ぜひ人生で一度はプレイしてみてください。
2.ル・アブール
プレイ人数:1人~5人
プレイ時間:30分~150分
対象年齢:12歳以上
プレイヤーのあなたは、フランスの港町を舞台に貿易会社を営んでおります。
貿易会社の経営者であるあなたは、資源を獲得して、街や船を作り、多くのお金を稼ぐことが目的です。しかし、あなたの会社には当然ながら働いてくれる労働者がいます。時には彼らのために借金を背負わなければならないこともあるでしょう。
「アグリコラ」という農場から、今度は港での貿易に舞台を変えたかのようなゲーム内容です。もちろん肝心のゲームのルールでは「アグリコラ」とは全く違います。
プレイヤーの選択によって、利用できる建築物が毎回変化したり、「アグリコラ」とは違って、運要素が少なくなっている点も注目です。しかし、「アグリコラ」と一緒で、ゲーム難易度はやはりシビア。運要素が少なくなっていることから、より計画性が重要となります。
人によっては、「ル・アブール」の方が好きという方もいるでしょう。ショートルールもあるので、短時間でも遊ぶことが可能です。
ウヴェ・ローゼンベルクの緻密に計算されたワーカープレイスメントゲームなので、挑戦したいプレイヤーはぜひ遊んでみてください。
3.洛陽の門にて
プレイ人数:1人~4人
プレイ時間:120分~140分
対象年齢:10歳以上
ウヴェ・ローゼンベルクの収穫三部作の最終作と言われる、ワーカープレイスメントボードゲームです。
2000年前の中国で、プレイヤーは畑で野菜を作ります。そして作った野菜を洛陽の門にて売買したり、交換したりしてお金を稼いでいきます。
一見すると「アグリコラ」っぽさがありますが、「アグリコラ」と違って、労働者を食べさせるわけではないので、気持ち的にちょっと楽に遊べるかなと思います。
また、カードドラフトを行うため、運要素が少なくありません。とはいえ、少ない資源を活用していくカツカツさは健在なので、ウヴェ・ローゼンベルク的な面白さは損なわれていないと思います。
ウヴェ・ローゼンベルクのファンからしたら、収穫三部作の前二作と比べると、若干手応えが少ないと感じるのかもしれません。しかし、ウヴェ・ローゼンベルクの重量系ワーカープレイスメントゲームを体験するのは、前二作よりも適している気がします。
そういった意味では、「洛陽の門にて」は収穫三部作で一番遊びやすいゲームなのかなと思いました。ただ今では入手困難なゲームなので、再販が望まれますね。
まとめ
いかがでしょうか。
ウヴェ・ローゼンベルクのボードゲームは、重量系のワーカープレイスメント系ボードゲームが有名ですが、それ意外でも軽量級で遊びやすいボードゲームがあります。
軽量系のボードゲームでとりあえずウヴェ・ローゼンベルクのゲームを体験するのもオススメです。しかし、ボードゲームが好きな方は、ぜひ重量系のワーカープレイスメントゲームをプレイみてください。
何度遊んでも違ったゲーム展開や新しい発見。病みつきになるゲームシステムとシビアな難易度。ファンなら一度は体験すべきボードゲーム。それがウヴェ・ローゼンベルクのボードゲームです。