誰もが遊んだことがあるであろうトランプの大富豪。
「ティチュー」は、そんな大富豪をチーム戦にしたカードゲームです。
ゲーム感覚的には大富豪ですが、クセの強いゲームルールと、病みつきになるようなゲームシステムがとても魅力的です。
馴染みやすいゲームが元なので遊びやすいと思います。ぜひプレイしてください。
基本情報
プレイ人数:4人
プレイ時間:約60分
対象年齢:10歳以上
ゲームデザイナー:ウルス・ホステトラー
「ティチュー」はどんなゲーム?
「ティチュー」は1989年からある、昔ながらのカードゲームです。
中国ベースのデザインであるゲームなのですが、ボードゲームの中では中々見られないデザインなのではないでしょうか。(ドイツ発祥のボードゲームが目立つので)
ゲーム内容はトランプの大富豪に似ているのですが、大富豪をよりクセの強いルールに仕上げたような感じです。最大の特徴はチーム戦であること。大富豪とは別の戦略が必要となります。
また、「ティチュー」は4人でしか遊ぶことができず、2人プレイや3人プレイなどができないことにも特徴なので、遊ぶときは人数に気をつけてください。
ゲームの遊び方
ゲームの準備
「ティチュー」は2対2のチーム戦です。
まずは誰と誰がチームになるか話し合って決めてください。そして、ゲーム中にチームとなったプレイヤーとは、テーブルで向かい合うように座ってください。
- 全てのカードを一つにまとめてシャッフルし、その山札をテーブル中央に設置する。
- 各プレイヤーは1枚ずつ山札からカードを引く。山札がなくなるまで繰り返す。(1人手札14枚になる)
- 各プレイヤーは、他の3人のプレイヤーに1枚ずつカードを渡す。(カードは自分の手札から任意で選んでください)
- 「マージャン」カードを持つプレイヤーからゲームを開始となります。
以上でゲームの準備は終了です。
ゲームの流れ
ゲームの流れは基本的にトランプの大富豪と同じです。
しかし、大富豪と違う点もたくさんあるので、注意してください。
カードは「A、2〜10、J、Q、K」があります。Aが最も強く、K、Q、Jの順に強いです。そして2が一番弱いカードとなります。
各プレイヤーは以下の組み合わせのどれかで、手札からカードを出してください。
・シングル
→カード1枚
・ペア
→同じ数字のカード2枚
・ペアの連番
→同じ数字カード2枚と次の数字のカード2枚のセット
例:3の2枚と4の2枚
・トリオ
→同じ数字のカード3枚
・フルハウス
→トリオとペアのセット(計5枚)
・ストレート(最小5枚)
→連番の数字5枚(マークは別々でも構いません)
例:3、4、5、6,7
以上のいずれかの組み合わせでカードを場に出したら、次の人の手番です。(ティチューでは、時計回りでなく、反時計回りの順で手番が進みます。)
次のプレイヤーは以下の2つの選択肢のうち、1つを選んでください。
- パスする
- 場に出されたカードと同じ組み合わせのよりも、大きな数のカードを場に出す。
カードを場に出す場合について解説します。
シングルに対しては、シングル且つ出されたカードより大きな数字を出してください。
ペアならより大きな数字のペアを、トリオならトリオでより大きな数字を出しましょう。
また、フルハウスに関しては、トリオの数字がより大きいものを出してください。
ストレートは、出された枚数と同じ枚数且つ大きな数字を出しましょう。
以上の要領でカードを出していき、1人を除くプレイヤーが全員パスをしたら、場に出されたカードを全て引き取ります。
カードを引き取るプレイヤーは、最後に最も大きいカードを出したプレイヤーです。引き取ったカードは得点計算で使用します。
もし、プレイヤーの手札がなくなっていた場合は、そのプレイヤーはそのラウンドで勝ち抜けですので、次の右隣の人に手番が回ります。
ボムについて
「ティチュー」には、ボムという最強の組み合わせがあります。組み合わせは以下の通りのいずれかです。
- 同じ数字の4枚のカード
- 同じマークで最低5枚以上のストレート
ボムは、どのカードに対しても、どの組み合わせでも、通常の手番外からカードを出すことができます。
また、ボムはボムに対しても使うことが可能です。しかしその場合は、出されたボムよりもより大きなボムで対応可能です。また、ストレートのボムは4枚のボムに強いです。
特殊カードについて
・「マージャン」カード
→このカードを所有しているプレイヤーから、ゲームは始まります。
マージャンは「1」のカードであり、ストレートの役を作るにも使用可能です。
マージャンを場に出したら、特定の数字を宣言することができます。すると、次のプレイヤーは宣言した数字のカードを持っていた場合、正しい組み合わせで場に出さなくてはなりません。これは、持っていたら絶対に出してください。嘘をついた場合は、ペナルティが課せられます。(特殊カードは選択不可能)
特定の数字を正しい組み合わせで場に出せない場合、上記の制限は無視してカードを出してください。
この特定の数字の制限は、誰か1人がクリアできれば、解除となります。
マージャンの効果は、通常の手番のみに有効です。ボムには制限はかかりませんので注意してください。
・「犬」カード
あなたが最初にカードを場に出すプレイヤーの時に使用できるカードです。それ意外の場面では、このカードを使用することができません。
このカードを出した場合、出したプレイヤーと同じチームのプレイヤーに手番が強制的に回ります。同じチームのプレイヤーで、すでに手札がない場合、その右隣のプレイヤーに手番が回ります。
また、犬カードに対して、ボムを使用することはできません。
・「龍」カード
「龍」カードは、どのシングルカードにも勝てるカードです。このカードに勝てる手は、ボムのみになります。ストレートの一部として「龍」カードを使用することはできません。
しかし、このカードを使用して場に出されたカードを引き取る状況になった場合、「龍」カードを出したプレイヤーは、相手チームのどちらかに、場に出されたカードを渡さなければなりません。渡すカードは「龍」カードも含まれます。
・「鳳凰」カード
「鳳凰」カードはシングルカードとして使用できます。その強さは、前に出されたカードよりも0.5大きい数字になります。しかし、「龍」カードより弱いです。
最初に「鳳凰」カードが出た場合は、数字は1.5とみなしてくだい。
また、「鳳凰」カードは、ワイルドカード(2〜エースのどれかの数)として、他のカードと組み合わせて使用することもできます。しかし、ボムでは使用できません。
ラウンドの終了
手札のあるプレイヤーが1人だけになった時、あるいは同じチームのプレイヤーが2人続けて勝ち抜けした時に、ただちにそのラウンドは終了します。
ラウンドが終了したら、手札が余ったプレイヤーは、以下のカードを最初に手札を全て無くしたプレイヤーに、全て渡してください。
- 余った手札全て
- このラウンドで獲得したカード全て
以上を実施した後、得点計算に入ります。
得点計算について
以下のカードが得点となるカードです。下記以外のカードは得点になりません。
- 「5」→各5点
- 「10」→各10点
- 「K」→各10点
- 「龍」→25点
- 「鳳凰」→ マイナス(ー)25点
もし、同じチームである2人のプレイヤーが、最初と2番目に手札を全て使い切って勝ち抜けた場合、カードの得点計算は行わず、すぐに200点を獲得できます。
得点計算終了後は、使用したカード全てを再度まとめてシャッフルし、最初のゲームの準備を行い、ゲームを再度進めていってください。
ゲームの終了
最初に1000点を獲得したチームが勝者です。両リームが同じラウンドで1000点に到達した場合、より得点が多い方が勝者になります。
ティチュー宣言について
・「スモールティチュー」宣言
ラウンドの最初のカードを出す前に、全てのプレイヤーは「スモールティチュー」宣言を行うことができます。
「スモールティチュー」を宣言したプレイヤーが、「スモールティチュー」を宣言したラウンドで最初に手札を使い切って上がった場合、そのプレイヤーのチームは100点を追加で獲得できます。しかし、そのラウンドで最初に上がれなかった場合、そのチームはペナルティで100点の減点となります。
*「スモールティチュー」宣言をしたプレイヤーと同じチームのプレイヤーが先に上がったら、「スモールティチュー」は失敗。そのチームは減点100点となります。つまり、追加の100点を取る場合は、宣言したプレイヤーが必ず最初に勝ち上がらなくてはなりません。
・「ラージティチュー」宣言
「スモールティチュー」とは別に「ラージティチュー」宣言というルールがあります。
「ラージティチュー」宣言と「スモールティチュー」宣言と違う点は、宣言を出すタイミングと、追加点・減点数です。
「ラージティチュー」宣言は、ゲームの準備で山札からカードを引いてる時で、手札8枚目までに宣言を行わなければなりません。追加点・減点数は各200点となります。
つまり、「ラージティチュー」宣言では、よりリスキーな賭けが可能ということです。
両ティチュー宣言は、チームプレイヤー同士で相談して宣言することはできません。必ず個人で判断することになります。
感想:クセのあるルールがやみつきになってしまう!
「ティチュー」はトランプの大富豪と基本的なルールは同じですが、クセのあるルールが魅力の一つだと思います。最大の点は、チーム戦であることです。
つい、大富豪と同じように、個人戦のようにプレイしてしまいがちですが、自分のパートナーのことも考えてあげることが必要になってきます。
他にも特殊カードによる効果も独特です。「鳳凰」や「龍」はたしかに強力なカードではありますが、マイナス点となってしまうので、デメリットもあります。ここぞという時、タイミングの見極めが重要です。
得点計算も独特です。特定のカードしか得点にならないので、よく考えて勝ちにいくかを考えることも必要になるでしょう。
ティチュー宣言のルールも面白いです。最後まで勝負の行方がわからないゲームシステムとなっています。
以上のようなルールから、大富豪と比べると、プレイヤーの選択肢も多く、リスクやカードを出すタイミングも、より重要となっていると感じました。実際に遊んでみると、そのシビアなタイミングと読み合いやジレンマに非常に悩まされました。
ただの大富豪に似たゲーム以上の面白さがやみつきになってしまいます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
基本的なルールはトランプの大富豪と同じなので、非常に馴染みやすいボードゲームだと思います。しかし、よりギャンブル的な要素や、読み合いの要素が色濃く反映されたゲームと言えるでしょう。
実際に遊ぶと、その独特なルールに思わずハマってしまいました。ボードゲームが初めてな方でもとっつきやすいゲームなので、ぜひ遊んでみてください。