「シャドウレイダーズ」は、ファンタジー的な世界観を持つボードゲームです。
時代は19世紀。栄光と悪徳の「霧の都」を舞台に、闇から生まれた存在「シャドウ」、そしてその「シャドウ」を討伐することを目的とした国家機関「レイダー」、そしてその戦いに巻き込まれるシチズン(市民)たちの戦いがテーマになっております。
戦いの中では、お互いの正体はわかりません。あなたはいち早く自分の味方を見つけ出し、ライバル陣営を倒すことがゲームの目的です。
果たしてあなたはこの戦いに勝利することができるのでしょうか。
基本情報
プレイ人数:4人〜8人
プレイ時間:約1時間
対象年齢:13歳以上
ゲームデザイナー:池田康隆
「シャドウレイダーズ」はどんなゲーム?
「シャドウレイダーズ」は正体隠匿系のボードゲームです。
今は廃盤となってしまった「シャドウハンターズ」をリメイクした作品となっております。
正体隠匿系のゲームですが、各プレイヤーが担うキャラクターによって、勝利条件や能力が違うので、毎回違ったゲーム展開を楽しめるでしょう。
また、多くの正体隠匿系ゲームでは、正体がバレたら負けて脱落というルールがありますが、「シャドウレイダーズ」では、正体がバレてもまだ負けにはなりません。
プレイヤーが時間を持て余さないといったところも「シャドウレイダーズ」の特徴です。
ゲームの遊び方
ゲームの準備
- 6枚のエリアボードを裏向きでシャッフルし、星型に組み立てる。
- 「ダメージボード」を組み立てて、「エリアボード」の隣に置く。
- 白のカード、黒のカード、推理カードをそれぞれ分けてください。その後、裏向きで別々にシャッフルし、3つの山札にして「エリアボード」の近く置く。
- 各プレイヤーは、自分がゲームで使用する色を決める。
- 「ダメージボード」に自分が使用する色の「ダメージコマ」1個を「NO DAMAGE」のマスに置く。
- 「エリアボード」の近くに自分が使用する色の「プレイヤーコマ」1個を置く。
- 自分の使用する色の「表示コマ」を手元に置く。
- キャラクターカード「シチズン」、「レイダー」、「シャドウ」を別々に裏向きでシャッフルする。
- プレイヤー人数によって、規定されている枚数分のキャラクターカードを、キャラクターカードの山札から抜き取る。
- 抜き取ったカードをひとまとめにして、シャッフルし、各プレイヤーに1枚ずるカードを配る。(ここで配られたカードが、このゲームであなたが担当するキャラクターです。)
- 各プレイヤーは自分のキャラクターを、他のプレイヤーに見られないように確認し、カードは「表示コマ」の隣に裏向きのまま置いておく。
- 残りのキャラクターカードを裏向きのまま、箱の中などに入れておく。
- じゃんけんなどの適当な方法で最初の手番プレイヤーを決める。
以上でゲームの準備は終了です。
ゲームの流れ
ゲームは時計回りに進行します。
手番プレイヤーは以下の通りに行動してください。
- 移動(必須)
- エリアボードの指示に従う(任意)
- 他のプレイヤーを攻撃する(任意)
以下、各行動について解説していきます。
1.移動(必須)
この移動は必ず行ってください。
手番プレイヤーは、まずダイスを2個同時に振ります。
その出た目を合計し、その数と一致するエリアボードの数字が、手番プレイヤーコマ移動先になります。
*合計「10」の場合は、好きなエリアボード場所にプレイヤーコマを移動させてください。
2.エリアボードの指示に従う(任意)
移動の後、手番プレイヤーは移動先のエリアボードに記載された行動を行うことができます。これは行わなくても構いません。
3.他のプレイヤーを攻撃する(任意)
最後にプレイヤーは、自分のプレイヤーコマと同じ「レンジ」にいる他のプレイヤーコマ1つを選んで、攻撃することができます。
「レンジ」とは、手番プレイヤーが現在いるエリアと、その左隣のエリアのことを示します。
*自分自身を攻撃することはできません。
攻撃を行う場合、攻撃するプレイヤーはダイスを2個振ります。
出た目の大きな数から、もう一方の小さな目を引いた数が、他のプレイヤーに与えるダメージ量となります。両方同じ目の場合は、攻撃失敗となり、相手にダメージを与えることができません。
*ダメージを受けた場合
ダメージを受けたプレイヤーは、蓄積したダメージ量を示すために、「ダメージボード」の「ダメージコマ」を動かしてください。
例えば、青のプレイヤーが2ダメージ受けた場合は、青のダメージコマを2分移動させます。こうしてゲーム中に、そのプレイヤーが受けたダメージの総量が示すことができます。
もし、自分が受けているダメージ総量が自分のキャラクターのHPを上回ってしまったら、そのキャラクターは死亡します。死亡の際の処理は後述しますので、後ほど参考にしてください。
「推理カード」について
エリアボードの「探偵事務所」で引けるカードです。
主に他のプレイヤーの正体を探るカードになります。
推理カードを引いたプレイヤーは、カードの内容を確認し、裏向きのまま任意の他のプレイヤーに渡します。
受け取ったプレイヤーは、内容を確認し、「属性」または「HP」が自分のキャラクターと一致している場合、そのカードに記載されている指示に従ってください。
一致していない場合は、「何も起こりません」と宣言しましょう。そして、これらは必ず正直にプレイしてください。
推理カードは引いたプレイヤーと、渡されたプレイヤー以外に公開してはいけません。
使用し終わった推理カードは、ボード脇の捨て札置き場に置いておきましょう。
もし推理カードの山札がなくなってしまったら、捨て札の推理カードをまとめてシャッフルし、新たな山札を作って、ゲームを続行してください。
*「ウルリッヒ」について
「ウルリッヒ」はキャラクターカードの1枚です。
「ウルリッヒ」は推理カードを渡された時、唯一嘘をつくことが可能なキャラクターです。重要なキャラクターなので、注意しましょう。
「白のカード」と「黒のカード」について
白のカードは「大聖堂」、黒のカードは「地下通路」で引けるカードです。或いは「ブラックミスト地区」で引くことができます。
両カードは、引いたらすぐにカードの指示に従い、捨て札となります。
両カードの中には、「装備」の効果があるカードが含まれています。
装備のカードを引いたプレイヤーは、すぐにその装備カードを自分のキャラクターの横に置いてください。これで装備が完了したことになります。
装備をしている間は、常に装備の効果が発動します。装備はいくつでも装備することが可能で、その効果は累積されていきます。
白・黒カードの山札が尽きたら、捨て札にある白・黒カードを回収してシャッフルし、新たな山札を作り、ゲームを続行してください。
プレイヤーの脱落について
攻撃やカード効果で、ダメージ量が自分のキャラクターのHPよりも上回った場合、その瞬間にそのキャラクターは死亡し、そのプレイヤーは脱落します。
脱落したプレイヤーは、自分のキャラクターカードを表向きにしてください。
そして、プレイヤーコマとダメージコマをエリアボードから取り除き、表向きとなったキャラクターカードの上に置いておきましょう。
また、死亡したキャラクターが装備していたカードは、全て捨て札となります。
しかし、他のプレイヤーの攻撃によって死亡した場合、攻撃してトドメを刺したプレイヤーは、死亡したキャラクターの装備カードから好きな1枚を選び、自分の装備にできます。残りは捨て札としてください。
ゲームの終了
キャラクターカードに記載された勝利条件を達成したプレイヤーは、すぐに自分のキャラクターカードを表向きにして、勝利条件を達成したことを宣言してください。これは、手番以外の時でも行って構いません。
勝利条件を達成したプレイヤーのキャラクターと同じ陣営のプレイヤーは全員勝利します。
つまり、一旦は脱落したプレイヤーでも、同じ陣営の他のプレイヤーが勝利したら、脱落しててもそのプレイヤーの承知となります。実質のチーム戦というわけです。
選択ルール
選択ルール①「最初のヒント」
最初の手番に推理カードを使えるルールです。
ゲーム開始のスタートプレイヤーは、推理カードを1枚山札から引きます。
その後、推理カードの処理をしますが、カードを渡す相手は必ず左隣のプレイヤーに渡してください。それ以外は通常の推理カードの処理でOKです。
その後、スタートプレイヤーが最初の手番を行う前に、他のプレイヤーも同様に推理カードを引いて、上記の処理をしてください。
全員が、推理カードを使用した後、通常通りにゲームを進行しましょう。
このルールは、初めてのプレイヤーが多いときや、ゲーム時間を短縮したい時にオススメです。
選択ルール②「特殊能力」
各キャラクターカードには、様々な特殊能力が記載されています。
通常のルールでは特殊能力は使用しませんが、このルールを追加することで、特殊能力を使用することができます。
特殊能力は自分のキャラクターカードを表向きに公開することで、使用してください。
どのタイミングで使用できるかは、各キャラクターカードに記載されています。
感想:ゲームバランスが優れた正体隠匿系ボードゲーム!
「シャドウレイダーズ」は正体隠匿系のボードゲームなので、ジャンル的には人狼と同じゲームになります。
人狼系ゲームは正体を当てられると脱落となってしまうことが多いのですが、「シャドウレイダーズ」では、正体を探りつつ、HPの削り合いがあります。
正体がバレても逆転する可能性を秘めつつ、HPを削り合うという殴り合いを楽しめるのが、このゲームの魅力です。キャタクターの特殊能力もあることから、まるでトレーディングカードゲームのような感覚も体験できるでしょう。
ダイスの目に左右されることから、運要素が絡むことは間違いないのですが、そのおかげで人狼系が苦手な人でも、十分に楽しめる仕様になっていると思います。
正体がバレても戦況をひっくり返す可能性を秘めていることから、ゲーム展開は最後まで予測することができません。これは大人数であればあるほど、展開が読めなくなります。
強いて言えば、参加人数を4人以上集めるのがネックになるかな、といったところです。
どんな人でも最後まで先の読めない展開が楽しめる。「シャドウレイダーズ」はそんな面白さがあるゲームだと思いました。
まとめ
「シャドウレイダーズ」は正体隠匿系のボードゲームなのですが、HPの削り合いという殴り合いの楽しさも含めたゲームでした。
正体がバレても最後まで勝敗がわからず、ゲーム展開も毎回変わったものになるから、初心者から経験者まで充実なゲーム体験ができるでしょう。
興味がある方は、ぜひ手にとって遊んでみてください。