1900年10月2日。ロンドンの奇人、フィリアス・フォッグは80日間での世界一周を成し遂げ、2万ポンドを手に入れてから28年が経ちました。
フォッグの偉業を記念して、旧友たちはあるゲームをします。その内容は、7日間でできるだけ多くの北米の都市を鉄道で旅するというものでした。鉄道でアメリカ大陸の多くの街を巡り、旅をしましょう。
基本情報
プレイ人数:2人〜5人
プレイ時間:約30分〜60分
対象年齢:13歳以上
ゲームデザイナー:アラン・R・ムーン
「チケット・トゥ・ライド・アメリカ」はどんなゲーム?
「チケット・トゥ・ライド・アメリカ」は北米を鉄道で旅するアドベンチャーボードゲームです。プレイヤーは、各都市間を自分の列車を敷設して繋いでいきます。できるだけ多くの都市を巡り、列車を長くつなげていくことで得点を獲得することが目的です。指定された都市をつなげつつ、各都市を列車でつなげていきましょう。
「チケット・トゥ・ライド」シリーズは多くの種類が発売されていますが、今回は一番スタンダードなルールである「チケット・トゥ・ライド・アメリカ」をご紹介します。
ゲームの遊び方
ゲームの準備
- 自分の色の列車コマ45個とスコアマーカー1個を受け取ります。
- 自分のスコアマーカーを、ゲームボード外側の得点トラックのスタート点に置く。
- 列車カードをよくシャッフルして、各プレイヤーに4枚ずつ配ります。これが初期手札です。
- 余った列車カードの山札をゲームボードの端に置き、上から5枚のカードを山札の横に表向きで並べておきます。
- 長距離ルートボーナスカードをゲームボードの端に置いておきます。
- 行き先チケットカードを裏向きのままシャッフルし、各プレイヤーに3枚ずつ配ります。
- 配られた行き先チケットの内、最低でも2枚のチケットを手元に残します。
- 残ったチケットは、行き先チケット山札の一番下に戻します。手元の行き先チケットは他のプレイヤーに知られてはいけません。
以上でゲームの準備は終了です。
ゲームの目的
このゲームの目的は、得点を多く獲得することです。そして、得点を得るための方法は以下の3つの通りになります。
- 地図上で隣り合っている2つの都市を列車コマでつなぐ
- 自分の手札の行き先チケットに記載されている2つの都市を、自分の列車コマで一続きにつなぐ
- 自分の列車コマを他のプレイヤーよりも長くつなげる。
以上となります。
得点を獲得するたびにゲームボード上のスコアマーカーを移動させましょう。
ゲームの進め方
最初に適当な方法でスタートプレイヤーを決め、その後は時計回りにゲームは進行します。手番プレイヤーは以下の3つのアクションのうち1つだけを選ばなくてはなりません。
- 列車カードを引く
- 都市と都市を列車コマでつなぐ
- 行き先チケットカードを引く
次からは、各アクションごとに解説しますね。
①列車カードを引く
プレイヤーは列車カードを2枚引くことができます。カードを引く場合は、表向きに並べてある5枚のカードからでも、山札からカードを引くことが可能です。
もし、表向きのカードを引いた場合は、即座に山札から表向きのカードが5枚になるように補充します。この時2枚同時に補充するのではなく、1枚引いたら1枚補充して下さい。
列車カードについて
列車カードは「標準列車カード(画像左)」と「SLカード(画像右)」があります。
「標準列車カード」の各色は、ゲームボード上の都市を結ぶ線路のマスの色に対応しています。「SLカード」は、全ての色に対応することができるワイルドカードです。ちなみに手札にできる列車カードの枚数に上限はありません。
列車カードを引く時にはいくつか特殊なルールが存在します。特殊なルールは以下の通りです。
- 列車カードを引く時に、5枚の表向きのカードからSLカードを選ぶ場合は、この手番はそのSLカード1枚しか引くことができません。
- 1枚目に表向きの標準カードを引いた後、補充したカードがSLカードの場合、2枚目にその補充されたSLカードを引くことができません。
- 表向きとなっている5枚のカードの内、3枚のカードがSLだった場合は、即座にその5枚のカードを捨て札にして、山札から新規に5枚のカードを表向きにします。
- 山札から裏向きでカードを引いて、引いたカードがSLカードだった場合は、この手番に引いたカードが合計2枚になるように列車カードを引くことが可能です。
- 列車カードの山札がなくなった場合は、捨て札を回収してシャッフルし、新たな山札を作ることができます。
めったにないことですが、プレイヤーが列車カードを持ちすぎて、山札も捨て札もなくなってしまった場合は、カードを引くことができません。他のアクションを選びましょう。
②都市と都市を列車コマでつなぐ
このアクションを行うためには、任意のルートの線路マスと同じ色の列車カードを、そのルートの線路マスの数だけ捨て札にすることが必要です。
灰色で描かれている線路マスは、全て同じ色であればどの色の列車カードでも使用することができます。しかし色が描かれている線路のルートは、その線路に描かれた色の列車カードを使用することが必要です。
都市間を列車コマでつなぐ時は、そのルートの線路マスの上に自分の列車コマを1個ずる配置します。列車コマを設置した後、使用した列車カードは全て捨て札にしましょう。
完成した列車コマの列の長さにより、獲得できる得点が決まります。具体的な得点数はゲームボードに記載されているので、参考にしてください。
*いくつかの都市の間では、複数の線路のルートが描かれている場合があります。同じプレイヤーが同じ位置の複数のルートに列車コマを置くことはできません。(ゲームに参加しているプレイヤーが2人か3人の場合、複数の線路のルートは1つしか使用することはできません)
例:「KANSAS CITY」から「DENVER」を列車コマでつなぐ場合、黒の列車カード4枚を捨て札にするかオレンジの列車カード4枚を捨て札にすることで、列車コマでつなぐことができます。
また、「KANSAS CITY」から「OKLAHOMA CITY」に向かう場合は、ルートが灰色で2マスです。そのため、何色でも構わないので同じ色で2枚の列車カードを捨て札にする必要があります。
③行き先チケットカードを引く
このアクションを実行する場合は、行き先チケットカードの山札から3枚のカードを引きます。その引いた3枚のカードの内、1枚は確実に自分の手元に保持しなければなりません。しかし、2枚保持することも3枚保持することもここでは可能です。
保持しないカードは行き先チケットカードの山札の一番下に戻しましょう。保持したチケットはゲーム終了時まで手札に所持しなくてはなりません。また、所持したチケットカードは他のプレイヤーに明かさないようにしましょう。ちなみに、1人が所持できるチケットカードに上限はありません。
行き先チケットカードについて
行き先チケットカードは、ゲーム終了時に活用します。
ゲーム終了時に、自分が所持しているチケットカードに記載されているゲームボード上の都市間を自分の色の列車コマで一続きに繋がっていれば、そのチケットカードに記載されている数値分の数だけ、追加で得点を得ることができます。
もし、チケットカードに記載されているルートを自分の列車コマで繋げられなかった場合は、そのチケットに記載されている数値分の得点を、自分の獲得した総得点からマイナスです。
ゲームの終了
手番を終えたプレイヤーの手持ちの列車コマが2個になったら、ゲーム終了間近です。そのプレイヤーも含めた全プレイヤーがもう1回ずつ手番を行って、ゲーム終了となります。ゲームが終了したら、最終得点の計算を行いましょう。
得点の計算
ゲーム中に得点を得たら、その都度スコアマーカーを動かし得点を計算します。最後に、チケットカードと最長ルートを築くことで得られる、ボーナスポイントの精算を行いましょう。
まず全てのプレイヤーはゲーム終了後に、手持ちの行き先チケットカードを公開します。手持ちのチケットカードに記載されているルートを完成したプレイヤーは、チケットカードに記載された数値分の得点を獲得。完成できなかったプレイヤーは、チケットに記載された数値分がマイナス点となります。
そして最後に、自分の列車コマを一番長くつなげたプレイヤーを確認しましょう。一番長く列車コマをつなげたプレイヤーは、長距離ルートボーナスカードを受け取ります。ボーナス点は10点獲得です。
ルートの長さは、ルート上に連続で設置されている同じ色の列車コマの数で判定します。1つのルートで同じ列車コマを複数回数えることはできません。同じ長さのプレイヤーがいたら、全員が10点を獲得することができます。
ここまで計算して、最終的に最も得点が多いプレイヤーが勝者です。同点の場合は、チケットカードのルートを完成させた数が多い方のプレイヤーが勝者となります。
感想:ルールもシンプルで、熱中できる鉄板ボードゲーム
「チケット・トゥ・ライド・アメリカ」はシンプルながらも熱中できる、名作ボードゲームです。ボードゲームの代表作の1つとも言える作品で、初めてボードゲームを遊ぶ一にもオススメできるゲームだと思います。
まずルールが非常にシンプルであるところが良いです。手番プレイヤーの選択肢は3つなので理解しやすいかと思います。他にも細かなルールは少しあるにせよ、遊んでいたらすぐに慣れるレベルでした。ボードゲームはどうしても初めての人にルールを説明するのが、大変でネックになってしまいがちですが、非常に導入しやすいシンプルなゲームです。そのため、ファミリーでも遊びやすく、初心者でもすぐに遊べるという点が本作の魅力だと思います。
ゲーム自体も常に頭を働かせないといけない作りになっていて、熱中できるものとなっています。単純に列車をつなげればいいわけではなく、相手の動きにも注意しなければなりません。線路のルートによっては、複数あるところもあれば1つしかない箇所もあります。もし、この1つしかない線路を他のプレイヤーに先に取られてしまうと、自分の作ろうと思っていたルートが作れません。プレイヤー数が多いほど、線路がどんどん埋まっていくの注意が必要です。
今回は一番スタンダードなルールである「チケット・トゥ・ライド・アメリカ」をご紹介しましたが、トンネルなどの新しいルールを追加したヨーロッパ版などたくさんの基本セットがあります。より「チケット・トゥ・ライド」シリーズを楽しみたいかたは、他の基本セットでも遊んでみて下さい。
まとめ
「チケット・トゥ・ライド・アメリカ」はシンプルなルールながらも、熱中できる、ボードゲームの王道のような名作ゲームでした。
様々なバリエーションや拡張セットが発売されているところも魅力的で、シリーズを通してゲームを楽しめると思います。ボードゲームの代表作の1つともいえるゲームなので、ボードゲーム初心者の方でもオススメです。まだ遊んだことのない方はぜひ遊んでみて下さいね。