ボードゲームはよく子供の知的教育にも良いと言われることがありますが、ライナー・クニツィアの「インジーニアス」は知的教育に最も優れたゲームの1つであると言われています。
ルールも難しくなく、シンプルで奥深い。そして頭をフル回転させる。「インジーニアス」はそのようなボードゲームです。さらに、クニツィア作品の特徴である、独特の悩ましさも十分に含まれていました。
友達と遊ぶのはもちろんのこと、ファミリーで遊ぶにも適した知的ボードゲームです。
基本情報
プレイ人数:2人〜4人
プレイ時間:約30分〜45分
対象年齢:8歳以上
ゲームデザイナー:ライナー・クニツィア
「インジーニアス」はどんなゲーム?
「インジーニアス」はライナー・クニツィアによる、論理型でパズルゲームのようなボードゲームです。「インジーニアス」は最も頭を使うゲームとして、IQテストで上位2%の成績の人だけが入れる国際団体“メンサ”から高い評価を受けています。
パズルゲームのような感覚ですが、そこにクニツィアらしい独特の悩ましいルールが組み合わさったかのようなゲームです。
ゲームの遊び方
ゲームの準備
- すべてのタイルを布袋に入れて、よく混ぜる
- 各プレイヤーは布袋から、6枚ずつタイルを引く
- 受け取ったタイルをゲームボード盤に差し込み、スコアボードを用意する
以上でゲームの準備は終了です。
ゲームの手順
ゲームの流れは非常にシンプルです。
手番プレイヤーは、以下の通りのアクションを行い、自分の手番が終了したら時計回り順に手番が移っていきます。
- タイルを1枚をゲームボードに設置する。
- ルールに従い点数を獲得する。
- 手持ちタイルが6枚になるように、布袋からタイルを補充する。
以上となります。各手順ごとに特殊なルールがありますので、順番に解説していきますね。
1.タイル1枚をゲームボードに設置する
手番プレイヤーはまず、自分の手持ちにある6枚のタイルから1枚を選び、ゲームボードへ設置します。
*この時、ゲームの一番最初の1周めだけの手番では、ゲームボードに描かれている6個のシンボルの中で、他のプレイヤーがまだタイルを設置していないシンボルの箇所で、シンボルの隣のマスに配置します。
2.ルールに従い点数を獲得する
タイルを設置したプレイヤーは点数の計算を行い、点数を獲得します。
点数の計算方法は、設置した2つのシンボルそれぞれから、点数計算を行いましょう。具体的には以下の方法で点数を計算していきます。
- 設置したタイルのシンボルから片方のシンボル以外の5つの直線の方向を見る。
- その隣り合った直線上にあり、すでに設置されているタイルと同じシンボルの数を数える。空いているマスや違うシンボルに突き当たったら数えるのをやめます。この時、手番中で置いたシンボルの数は含まないようにしましょう。
- 直線上の同じシンボルの数がそのまま点数になる
例1:手番プレイヤーが左の画像の一番下にある黄色とオレンジのシンボルを置きました。黄色の点数は、左の黄色1個と左上の黄色1個、そして右上の黄色2個がつながっているので、黄色のシンボルで4点獲得します。オレンジのシンボルは0点です。
例2:手番プレイヤーが右の画像にある緑が2つのタイルを置きました。(一番右にあり縦2つ並んでいるタイル)一番下のタイルは左上の緑のシンボルが2個繋がっているので2点。右上のみ緑はすぐ左にある緑1個のみの1点です。同じタイルである下の緑は得点になりません。よって、合計緑の点数が3点となります。
得点の計算が終了したら、自分の得点ボードにあるシンボルマーカーを点数分進めます。数えたシンボルと同じシンボルのマーカーを進めましょう。
設置したタイルには2つのシンボルが描かれています。1つだけでなく2つのシンボルを別々に得点計算し、得点ボードに反映させましょう。
3.手持ちタイルが6枚になるように、布袋からタイルを補充する
手番プレイヤーは最後に手持ちのタイルが6枚になるように、袋の中からタイルを引きます。
*タイルを補充する前に、自分の点数ボードで最も点数が低いシンボルが描かれているタイルが、自分の手元に1枚もない場合は、手持ちのすべてのタイルを交換することが可能です。
タイルをすべて交換する場合は、手持ちのタイルすべての表面を他のプレイヤーに見せてから脇に置き、新たに6枚のタイルを手元にもちます。脇に置いたタイルは、布袋に戻してよく混ぜておきましょう。
ボーナス点数について
自分の点数ボードのマーカーはシンボルごとに18点まで記載されています。
もし、いずれかのシンボルの点数が18点に到達したら、「インジーニアス!」と大きな声で宣言しましょう。「インジーニアス」を宣言したプレイヤーは、タイルを補充する前に、ボーナスとしてもう1枚タイルをゲームボードに設置することができます。無論、新たに置いたタイルから点数も獲得することが可能です。
すべてのボーナス点数が終了したら、通常通りに手持ちのタイルが6枚になるように補充しましょう。
ゲームの終了
ゲームの終了は、ゲームボード盤のこれ以上タイルを置くことができるマスがなくなる時です。勝敗は、自分の点数ボードのシンボルの中で、一番点数の少ないマーカーの点数が、各プレイヤーの最終点数となります。
この最終点数が最も高いプレイヤーがゲームの勝者となるのです。
同点の場合は、2番目に少ない色の点数が大きい方。それでも決着がつかない場合は3番目に少な色の点数が多い方が上位という容量で勝者を決めましょう。
感想:終始悩ましく頭を使うパズルゲーム!
「インジーニアス」は、オセロや将棋のような運の絡まないアブストラクトゲームに近いボードゲームでした。近いというのは、どうしてもタイルの引きで差がでてしまうところが少なからずあるからです。
ルールは簡単ですが、実際に遊んでみると非常に悩ましいゲームだと感じました。確かにゲーム中は頭を使いっぱなしのような状態になります。考えなしにゲームを進めると、痛い目に合いますね。
このゲームの一番のポイントは、最終点数は一番点数の低い点数で勝敗が決するというところです。つまり、勝つためにはただ闇雲に点数を稼いでいけばいいというわけではありません。平均的に点数の低いシンボルを潰していく必要があります。
とは言っても、ちまちま全体的に点数を稼いでいってもまず間に合いません。よって、どのように効率的に点数を稼いでいくかが鍵となります。当然引くタイルによっても戦略は左右されますし、終盤になったら妨害してくるプレイヤーも少なくありません。
終盤ではボーナス点数の「インジーニアス」が強いです。一気に2枚タイルを置けるので、点数を稼ぐのもよしですし、相手の少ない点数のシンボルが稼げるところを潰すという妨害もできます。あんまり稼げていないシンボルで、稼ぐ場所を潰されると非常に勝ちにくくなるので、常に最低点のシンボルは意識する必要があるなと思いました。
いくら引くタイルによって点数が左右されるとは言え、考えなしでタイルを置いていくと勝つことは難しいでしょう。人によって、攻め方が全く変わってくるので、これといったベストの戦略も中々見つからないです。ある意味個性が出て、ずっと頭を悩ませるゲームであると思います。
まとめ
「インジーニアス」は、アブストラクトゲームに近くて運要素の少ないパズル型のようなボードゲームでした。大人も子供も関係なく遊べてルールも簡単なので、子供がいるファミリーならオススメのボードゲームです。子供の知的教育にもいいので、楽しめながら教育的なことができますね。
このゲームでの攻め方は本当に人によって違うので、「あーでもない。こーでもない」と悩みながらやっていくのが楽しいかなと思います。